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30歳差。不妊治療スタート、妊娠、流産。

ひとまず検査と、異常がなければホルモン補充によるタイミング療法をと考えていた。

自宅マンションの近くに 名医のいる専門クリニックを見つけた。
しかし、ここでもコロナの荒波が。
人数制限があり、新規でのタイミング療法は受け付けていないとのこと。

少し離れてはいたが、口コミ評価が高い別のクリニックに通い始めた。
丁寧な対応で「しばらくは安心して身を委ねることができる」そう思っていた。

しかし、ホルモン療法を始めてから一気に副作用が身体に表れた。
特に黄体ホルモンを補うデュファストンの影響が強く、

  • 浮腫み、体重の増加(4か月で4㎏増加し、運動しても減らなかった)

  • 日中の眠気、倦怠感

などに悩まされ、毎年のように起こる気候病もひどくなる一方。
遂にはブログやSNSの更新をする気力もなくなってしまった。


4か月経っても成功しないので、近い名医の元で人工授精から治療を再開することに。

相談や検査には数か月を要した。

検査結果が出た後、さあ 次回は人工授精を開始しよう。
そんな2021年年明け、月経が遅れていたので「もしかしたら…」と自己判定した結果、陽性だった。

自然妊娠は難しいのだと考えていたため、嬉しく感じつつも、驚いた。
検査等で治療への期間が空き、精神的に少しリラックスできていたことが功を奏したのかもしれない。

私の両親も大変喜び、アプリで毎日のように成長の段階を共有しながらお腹の子を見守った。

5週目、6週目と順調に子は育ち、11週目。念のため、NIPT(新型出生前診断)をおこなうことにした。

(注:NIPT・・赤ちゃんの染色体異常や、先天性疾患などのリスクを検出する検査。妊娠10~14週目に可能。特に母体が高齢な場合は、リスクが高くなるため陽性率が高い)

妊婦検診をしている産科では精密検査をおこなっていないため、別のクリニックを紹介してもらった。

アットホームな室内に、穏やかな対応の医師と看護師。
検査の前に、エコーで胎内の状態を確認した。
手が止まる医師。
「心臓の音が聞こえてきませんね。」


稽留流産だった。
愕然とした。
自覚症状がなかったため、順調に育っているものと信じていた。
夫の年齢もあり、“この子が頼みの綱”とさえ感じていた。

(注:稽留流産・・妊娠初期の流産。ほとんどは母体側ではなく、胎児に問題がある。妊娠経験者の1割が稽留流産している)

帰り際、看護師から「お大事になさってくださいね」という言葉。
現実を受け止めることができず、失笑恐怖症が炸裂して「ハハッ」と笑い返してしまった。

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