日報・1

風に乗りやすくなってきました。そのような品格があります。おそらくこれが一段で、二段三段とまたあります。二はつらいです。二のせいで血が吸われ、血が渡ります。放送委員だったころは、よく日止めの無響室に二人きりで閉じ込められました。然して、お昼の校内放送はせかせか行われます。ただ頭は体育倉庫の狂い時計のように回ります。あれはもしかすると最も怜悧な時間だったのかもしれません。頭の運動には音無しが肝要です。真夜中はもう涼をとれるくらいになりましたが、虫が多く鳴きます。虫が鳴いて、継ぎ接ぎの日報を記して、一時の風がもう吹きすさびました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?