見出し画像

待っている人の気持ち

「今日何時に帰ってくる?」
「定時で上がるよ」
「じゃあ、ご飯作って待ってるね」

「今駅に着いたよ。」
「うん、分かった」

結婚したての頃は、そんな頻繁のやりとりも楽しみの一つだったのに、5年が経ち、10年が経つと、
「ねぇ、何時ごろ帰ってくるの?」
「まだ分かんないよ。先食べてて。」 

温かいご飯を食べさせてあげたいと、タイミングも考え、準備も万端にして、ただ、そのタイミングが何時になるなのかを知りたいのに、具体的な時間を知ることができず、何ともいえない気持ちになったりする。

仕事はいろんな人が関わり、様々な工程と一区切り、トラブルなどが複雑に絡み合い、本当に時間が読めないことも多い。

小まめに状況を伝えるのもだんだんと面倒になったり、相手のことを思って良かれと思ってしたことが期待外れで終わることが多くなるほど、夫婦の距離は少しずつ開いていくのかもしれない。

例えば、待ち合わせ。

「ごめん、少し遅れる」
という連絡から始まり、少しなら、と待っていると、
「まだもう少し遅れそう」
と30分や1時間遅れてくる人がたまにいる。
しかも常習的なパターンにまでなっている人。

きっと「相手に待たせちゃ申し訳ない」という気持ちがあるからこそ、そういう言い方になるのかもしれない。

だけど、待たされているのが私だったら、最初から30分遅れると分かっていたなら、本屋で見たかった本が見れたのに、と思うし、1時間待つならカフェで作業ができたのに、と思う。遅れるのはいいとしても、どれくらい遅れるのかを最初に教えてほしい、と思うのだ。

仕事の場合は、いいこともあれば悪いことも起きる。
悪い結果だと、当然落ち込むし、上司への報告も気が重い。連絡するのも遅れがちになる。

以前、上司が言っていたのが、
悪い連絡ほど早めに。
というものだった。

仕事は多くの人が関わっているから、ダメならすぐに次の対策を練らなければいけない、というのも理由の一つかもしれない。自分も早くスッキリできる。

いつもどこかで誰かが待っている。

待っている人の気持ちを思ってあげられれば、途中の段階でも一本報告の連絡を入れておくだけで、かなりスムーズになるし、相手の負担も軽くなる。

返事を待って、そわそわしているかもしれない。
いい加減タイムリミットなのに、連絡がまだこない。
夕飯一緒に食べようと待っているのに、返事がない。

今日は一日待ったけど、結局連絡がなかった。
一本連絡くれれば休暇も気分転換できたのに。
そんな一日だったけど、相手の器だから仕方ない、と明らめて、自分への戒めとして”相手の気持ちを汲み取れるようにしよう”と来年のテーマを決めたのでした。