【Bookレビュー#3】仮説思考
こちらも、コンサル就活生に有名な本ですね!仮説思考をご紹介します。
出典:Amazon
【第1章】まず、仮説ありき
○すでにある情報を狭めてくれる情報だけをリストアップする
○全部網羅的に調べようとしてはいけない、当たりをつけることで早く正解にたどり着ける
○全ての課題についていくつもの改善策を実行するのは不可能、成果も上がらない
【第2章】仮説を使う
○ビジネスの仮説思考は2つ
①問題発見の仮説
→②問題解決の仮説
ex: 商品が売れない理由は何か?
→仮説に当てをつける(①競合他社の商品に比べ価格が高いのが問題なのではないか、②プロモーションの方法に問題があるのではないか、③販売チャネルに問題があるのではないか)
→問題を絞り込む(①価格は競合他社と比べて問題ない、②競合他社に比べて販売促進が行われていない、③チャネルごとの売上は自社製品では地域の電気屋で売れている)→プロモーションとチャネルに問題がある
→具体的な打ち手の仮説を立てる(①量販店向けの営業強化をする。②量販店向けの商品開発をする)それぞれについて、具体的な打ちての仮説を立てる
→仮説の検証(打ちては経済的に見合うのか、競合の動向、量販店の強み・弱み、投資金額、必要人員の面から検証)
※網羅的にやらないことが重要
○仮説思考を使って問題解決する方法だけでなく、仕事を大局的に見ることも重要。ストーリーを先につくっておけば、目的・結果志向で仕事を進めることができる。少ない情報で全体のストーリーと構成を考え、さらに必要な情報だけを追加で調べる
○わずかな情報で全体のストーリーを考えることが必要
BCGでは「空パック」を活用。中身が埋まってないスライドでストーリーを伝えるもの
○お互いの間に共感を生むことも重要。「あなたが悪い」ではなく、「あなたの会社はいままでこういう戦略の結果、成功してきた。しかし、時代環境が変わってしまい、いままでのやり方が通用しなくなってしまった。したがって、こう変えた方がいいのではないか」
【第3章】仮説を立てる
○インタビューメモの作り方
・目的1:自分の頭を整理するため
メモは時間軸になっているため、構造化する
・目的2:他人と情報をシェアするために
客観と主観に分ける(相手が述べたことか、自分が考えたことか)
・目的3:プレゼン資料のベースとするために
定量化を心がける ex: シェアが増した→どれだけ伸びたのか?
○仮説を立てる時に「ヒラメキ」を生むには
①反対側から見る
①-1 顧客・消費者の視点を持つ
①-2 現場の視点で考える
①-3 競争相手の視点で考える
②両極端に振って考える
ex: コピー用紙を300円から400円に値上げしたら売れなくなる⇔ブランド品は値上げしても売上は大して変わらない
③ゼロベースで考える
現状をいったん忘れてあらたに考える
ex: コールセンターのコストカット→クレームの電話の処理時間を短くする
⇔コールセンターを半分の人員で→効率化では不十分→クレームの発生理由を分析
○よい仮説の条件
①掘り下げられている ex: 営業マンの効率が悪い✕ 営業マンがデスクワークに忙殺されて、取引先に出向く時間がない○
②アクションに結びつく ex: 効率よく働く✕ デスクワーク専門のアシスタントを置き営業マンが頻繁に外出できるようにする○
【第4章 仮説を検証する】
○検証方法は、①実験による検証、②ディスカッションによる検証、③分析による検証
<①実験による検証>
ex: セブンイレブンの実験「200円のおにぎりは売れるか?」
消費者はおにぎりに飽きている→品質がよく味がよければ200円のおにぎりでも売れるという仮説を立てた→おにぎりは値段を下げれば売れるのか、商品の質に魅力がないからなのかを検証
ex: ソニーの消費者刺激型開発
ユーザーとコミュニケーションしながら製品開発を実施していく戦略
まだ世にない製品をつくる場合に、マーケット・リサーチをしても欲しいデータが手に入らない→最初は6機種を同時に発売し、どのタイプが最も売れたかを消費者に聞いた→最も売れたタイプをベースとした商品をさらに作る・・・という繰り返しで、31ヶ月間に15種類のCDプレーヤーを次々に発売。
<②ディスカッションによる検証>
・「社内の恥はかき捨て」。できるだけ完璧なものに近づけてから周囲の人とディスカッションをし、答えを出そうとすると、時間がかかりすぎたり、よい解決策にたどり着けないことが多い
・上手なディスカッションのためには、事前に仮説を立てる、仮説を否定せずに進化を目指す、議論は負けるが価値(発現の意図を踏まえる)、メンバーはバラエティ豊かに(あえてバランスを取っていつもとは違う役回りをさせることも)
<③分析による検証>
・クイック&ダーティ:自分が納得するための分析を行う
・目的は①問題を発見する、②相手を説得する、③自分を納得させる
○定量分析の基本技
①比較・差異による分析 ex: 営業コストからチャネルを最適化
②時系列の分析 ex: 販売拠点数に対する販売台数の数
③分析による分析 ex: 小売店、量販店の規模ごとに営業コストを抽出→売上高が上がると利益率が下がるという論理になるが、「中小小売店のビジネスに改善余地がある」という仮説を形成→検証として全取引先を対象に売上高と実質営業利益率の関係性は相関関係がない→中小小売店では各営業マンが営業成績を残すために割引をする傾向にあることが分かった
④因数分解による分析 ex: 売上は、取り扱い店数×1店あたり売上
取り扱い店数ー小売店規模別扱い店数、地域別扱い小売店数
1店当たり売上ー購入者数×1人あたり売上
【第5章 仮説思考力を高める】
○周囲で起きることをso what?を繰り返す ex: アップルコンピュータの業績が回復する→ソニーの株価が下がる 音楽ダウンロードできるようになる→若者の消費は飲食・携帯電話から音楽へ→NTTドコモ株が下がる
○なぜを繰り返す ex: なぜプロ野球ははやらないのか→プロ野球はつまらないから→なぜプロ野球はつまらないのか→スターがいないから→ファンを楽しませる努力を球団がしていないから→なぜスターがいないのか→スターはメジャーリーグに流出してしまうから→若い有望な選手がプロ野球に入ってこないから→なぜ若い有望な選手がプロ野球に入ってこないのか→プロ野球の給料が低いから→サッカーなど魅力的なスポーツに若者が向かっているから
○日常的に起こっていることをベースに将来の仮説を立ててみる ex: 高齢化社会が到来すると、どのようなビジネスがはやるか?
○新聞記事からなぜそうなったかという仮説を検証していみる ex: 〇〇工業の決算が史上最高益を更新した
→業界全体が好調、日本経済全体の回復・好景気、売上が伸びた要因は新製品か既存製品か、コストが減った、新製品がヒットした、リストラに成功、リーダーシップ
→書いてある情報以外の情報は使わない。仮説を立てた後に、「会社四季報」やインターネットなどで情報を集めて検証する
○テレビを見ながら気になったことについて仮説を立てる ex: 韓流ドラマがはやった理由
→韓国俳優が日本女性の心をつかんだ、純愛というテーマが日本人女性にフィットした・・・、日本のテレビ・ドラマが飽きられ始めている・・・・
→Sowhat?
→韓国ドラマに視聴率を取られた日本のテレビ局が衰退する
→考えにくい
○職場の話題から ex: 気に入らない上司に当たった時にどう処すべきかをディベート
○家庭の話題から ex: 近所ではやっているレストラン、はやっていないレストラン
○友人との話題から ex: ゴルフがうまいかどうかとドライバーの飛距離には相関関係があるか
○知的IQが低くても何度でも何度でも挑戦して、そこから学び取れる人間の方が成功している
○すぐに作業を始めない。全体像を考える
📚本を読んで・・・
絶対にボトムアップ的に網羅的にやろうとしてはいけない。網羅的と繰り返しは異なる。切れ味の良い仮説を作りたければ、気持ち悪い仮説を何度も何度も繰り返し作り、検証することである。頭の良さではなく、百戦錬磨。
では。
Jas🌺