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AIを活用した旅行プラン作成レポート(ChatGPT & GoogleGemini の活用と比較)

1. はじめに(イントロダクション)

1.1 レポートの目的

本レポートは、AIツールであるChatGPTGoogleGeminiを用いて、韓国旅行(2泊3日)プランを作成した事例についてまとめたものです。旅行プランをAIに依頼した際のメリットや課題、各ツールの特徴を提示し、実用面での比較を行います。社内やチームで旅行プランを検討する際、またAIツールの利活用方法を検討する際の参考になれば幸いです。

1.2 背景・課題

今回の旅行は、12月29日(日)~12月31日(火)の3日間で、下記のように複数の条件が確定していました。

  • フライト

    • 12月29日(日) 04:40 仁川空港(ICN)着

    • 12月31日(火) 22:40 ICN発

  • 食事予約

    • 12月29日:月火食堂 麻浦本店 (16:00~)

    • 12月30日:真味食堂 (孔徳カンジャンケジャン) (17:00~)

  • 宿泊

    • グラッド カンナム コエックス センター (ソウル市 江南区 三成洞)

また、訪問希望リストには「広蔵市場」「Fwee」「Market A」といった多種多様なスポットが混在しており、それぞれの住所や営業時間が異なります。限られた3日間で効率よく回る方法を模索する中で、「AIのプラン作成能力」を検証することになりました。

1.3 AIツールの活用意図

従来はガイドブックや旅行サイトを手作業で照合しながらスケジュールを組むことが多かったところ、ChatGPTやGoogleGeminiといった大規模言語モデルを使えば、複数の観光・飲食スポットを一度に組み合わせたプランを短時間で生成できると期待されます。また、移動経路や訪問順序についてAIが提案することで、新しいアイデアや効率的な回り方が見つかる可能性があります。


2. 使用ツール概要:ChatGPT と GoogleGemini

2.1 ChatGPT の特徴

  • 自然言語対話型で、やり取りをしながらプランを修正・追記するのが得意。

  • 解説力が高く、スポットの補足説明や注意事項などを詳細に書き出してくれる。

  • 一方で、データの更新時期や「最新の営業時間・休業日」情報の正確性については限定的。

2.2 GoogleGemini の特徴

  • 同じくAI大規模言語モデルだが、時刻や工程を細かく切り出したプランを作るケースが多い。

  • ChatGPTと異なるアルゴリズム・データベースを使用しており、プランのレイアウト表現の仕方に違いがある。

  • 開発段階によっては日本語の対応レベルが変動することがあるため、現状では人間による最終確認が必須。


3. 旅行の基本情報と要件

  1. 旅行日程・フライト情報

    • 12月29日(日) 04:40 仁川国際空港着

    • 12月31日(火) 22:40 仁川国際空港発

  2. ホテル・宿泊情報

    • グラッド カンナム コエックス センター(江南区 三成洞)

    • 12月29日~12月31日宿泊(2泊)

  3. 食事予約/訪問確定場所

    • 12月29日(日) 月火食堂 麻浦本店 (16:00~18:15)

    • 12月30日(月) 真味食堂 孔徳カンジャンケジャン (17:00~19:00)

  4. 主な訪問希望先

    • 広蔵市場・ロッテマート(ソウル駅店)・Fwee(聖水)・Market A(広津)・Greek Day(弘大)など

    • 詳細住所が分からなかったFwee・Market Aもユーザーより住所情報が追加提供され、聖水駅周辺建大入口駅周辺にあると判明。


4. ChatGPTによる提案プラン(A・B・C)

4.1 プランA

  • 江南(カンナム)+中心部(明洞・広蔵市場・ソウル駅)+聖水(ソンス)エリアを効率的にまとめる。

  • 宿泊先が三成(サムソン)駅近くであることから、昼間は江南や中心部を回り、夕方には麻浦区(月火食堂・真味食堂)へ移動。

  • ホンデ(弘大)や梨泰院、新堂などは含まれていないため、移動が比較的シンプルというメリットがある。

4.2 プランB

  • ホンデ(弘大)エリアをしっかり満喫するコース。

  • 1日目は早朝到着後に荷物だけホテルへ預け、弘大に移動してカフェ巡り(Greek Day・ジョヨント塩パンなど)を楽しむ。夕方に月火食堂へ。

  • 2日目・3日目は中心部や聖水、Market A(建大周辺)などを組み込む。

  • 一方で、梨泰院や新堂(ウェゴッチツルロタンタン・金豚食堂) は除外される。

4.3 プランC

  • 梨泰院(ウェゴッチツルロタンタン)や新堂(金豚食堂)など韓国料理スポットを重点的に回りたい人向け。

  • ホンデは外し、江南でのショッピング、夕方は麻浦区、そして2日目に梨泰院・新堂巡りを入れる。

  • 聖水(ソンス)やMarket Aは「余裕があれば」最終日に回す形。

4.4 共通点・注意事項

  • いずれのプランも移動時間は概算で組まれており、詳細な時刻は示されていなかった。

  • 飲食店やデパートの開店時間を調整する際、人間側が最終的にチェックする必要がある。


5. GoogleGeminiによる提案プラン(1・2・3)

5.1 プラン1:効率重視・最短移動プラン

  • 1日目から分単位でスケジュールを設定:

    • 06:30 ロッテマート(ソウル駅)、08:05 広蔵市場、09:50 Fwee、10:40 オリーブヤング聖水駅店…といったように非常にタイト。

  • 2日目・3日目も江南や孔徳、梨泰院、Nソウルタワーへ回り、全スポットを短時間で網羅

  • ノックアウト要素:06:30ロッテマートは開店前、9時台にアパレル店を訪問するなど、実際に行ってみると実行不可能な場面が多い。

5.2 プラン2:エリア fokus・効率網羅プラン

  • 1日目にロッテマート・明洞・弘大・聖水を一気に回る、2日目に江南(8seconds, ナイキ)~Market Aへ、3日目にザ・ヒュンダイ・ソウル→梨泰院→Nソウルタワー…

  • エリア単位でブロックをまとめるが、やはり9時台にファッション店を訪れるなど、開店時間とずれている点が散見。

  • 乗換も複数路線を最短時間で移動する想定が多く、駅構内移動のバッファを考慮していない危険性がある。

5.3 プラン3:江南起点・動線効率プラン

  • 宿泊先が三成(江南)なので東側(建大、聖水、弘大)→夕方に麻浦(食事)→夜に再び江南と回る構成。

  • 2日目は江南(8seconds, ナイキ, CREEMARE)をまとめて訪問し、夕方孔徳で食事。

  • 最終日はザ・ヒュンダイ・ソウル(汝矣島)→梨泰院→Nソウルタワー→金豚食堂→空港…

  • プラン1・2と同じく、開店時間や移動ロスの考慮が足りないところがある。


6. プランの比較と問題点

6.1 開店時間の問題

  • ロッテマート(ソウル駅)は9~10時開店の場合が多く、06:30訪問は事実上不可能。

  • アパレル店(8seconds, ナイキ, CREEMAREなど)も10~11時開店が一般的。

  • GoogleGeminiプランでは「9時台に到着」する流れが多く、ノックアウト条件となる。

6.2 乗換・移動時間の不足

  • 乗換駅のホーム移動や待ち時間をほぼ0分と想定しているケースがあり、実際には5~15分余分にかかる。

  • 盆唐線、京義中央線、7号線などを短時間で乗り継ぐのは難しく、一度の遅延でスケジュール全体が狂う恐れがある。

6.3 食事処のブレイクタイム・混雑状況

  • 韓国焼肉店や韓国料理店では昼~夕方に中休みを取る店もある。

  • Nソウルタワーや人気スポットは待ち時間が読めないため、プラン上の2時間枠で足りない可能性がある。


7. 再構築・修正プラン

ChatGPTを用いて、ノックアウト条件を回避するため各プランを再調整した例は下記の通り。

  1. ロッテマート訪問を9:00以降に遅らせる。

  2. アパレル・コスメ系店を10~11時開店に合わせて設定。

  3. 移動時間を+5~15分程度上乗せする。

  4. ランチ・ディナー時刻を店の休憩時間を避ける形にシフト。

こうした修正を施すことで、実際の営業時間や移動ロスに対応し、現実的な旅行スケジュールに近づけることができました。


8. ChatGPTとGoogleGeminiの比較考察

8.1 提案スタイルの違い

  • ChatGPT

    • 大まかな日程とエリア分けを提案し、詳細な補足・解説を多めに行う。

    • ユーザーと対話しながら、複数回のやり取りでプランをブラッシュアップしやすい。

  • GoogleGemini

    • 1日の行程を分刻みで提示するなど、時間軸が具体的

    • しかし店舗開店時間や現地事情を加味していない場合が多く、実施不能な工程になりがち。

8.2 どちらが優れているか?

  • 一概に「優劣」を決めるのではなく、どのように使い分けるかが重要。

  • ChatGPTは「柔軟な言語応答・解説力」に強み、GoogleGeminiは「工程を時刻順に並べる」点で分かりやすいが、人間の修正が必須

8.3 併用によるメリット

  • GoogleGeminiが細かいスケジュールを出し、ChatGPTが内容の整合性や補足説明をしてくれる形。

  • ユーザーが最終的に営業時間・乗換時間などの現実的要素を確認して、プランを調整するのが望ましい。


9. 結論・提言

9.1 AI活用の利点

  • 大量の訪問スポットを一度に整理し、効率的なルートを提案してくれる。

  • プランのバリエーションが豊富で、行きたい場所を盛り込む順番など、短時間で複数パターンを検討可能。

9.2 AI活用の注意点

  • 最新情報(営業時間・休業日・イベント等)の反映が必ずしもリアルタイムではない。

  • 乗換や移動バッファなどは、AIが最短想定にしがち。現地の実情を加味した余裕設定が必要。

  • 結局のところ、最終的な“人間の目”による修正が欠かせない

9.3 今後の展望

  • AIモデルがさらに進化すれば、リアルタイムの営業時間や混雑情報も学習し、ほぼ自動で最適化できるようになる可能性がある。

  • ただし当面は、ChatGPT/GoogleGeminiいずれも補助ツールという位置づけで、ユーザーが主体的に判断するのがベスト。


10. 付録 / 参考資料

  • プランA~C(ChatGPT提案)およびプラン1~3(GoogleGemini提案)の比較表

  • 各スポットの公式サイトリンク(営業時間・休業日等の確認用)



おわりに

本レポートでは、2泊3日の韓国旅行に際して、ChatGPTGoogleGeminiの双方を使い分けながら複数のプランを作成し、最終的に「ノックアウト条件(開店前到着・乗換時間不足など)」を修正して現実的なプランに落とし込むまでの経緯を示しました。AIは強力なプランニングツールとして活用できる反面、人間による最終的な確認と補正が必須である点に留意が必要です。

今後、さらに多くの旅行者や企業がAIによるプラン作成を導入する中で、どのようにAIと協働し、スケジュール策定の手間を省きつつ精度を高めるかが課題となるでしょう。本事例がその一助となれば幸いです。

別添1. プラン比較表

1-1. プランA~C(ChatGPT提案)

1-2. プラン1~3(GoogleGemini提案)

別添2. 各スポットの公式サイトリンク一覧

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