Dify アップグレードに伴う、障害対応レポート
概要
2024年12月18日に発生したDifyサーバーのアップデート失敗による障害について、その対応経緯を詳細に記録しました。このレポートでは、発生した問題の原因、解決までの手順、そして再発防止策をまとめています。同様の問題が発生した際の参考資料として活用してください。
今回は,ChatGPTとのやり取りで、対処療法的にトライ&エラーで対応をしました。ある程度、先に進んだように感じましたが、今回の解決の糸口だった、Xserverの記載記事を早く気が付けばと思いました。
なお、昨日時点の状況はこちらでまとめています。
1. 障害発生の経緯
1.1 トラブルの発生
日時: 2024年12月18日
障害内容:
アップデート実施後、Difyサーバーにアクセスできなくなる問題が発生しました。
サイトURLにアクセスしてもブラウザ上でエラー表示となり、システムが利用できない状況でした。
1.2 初期調査の結果
Dockerコンテナの確認
docker ps コマンドでサーバー内のコンテナ状況を確認したところ、複数のコンテナがエラー状態にありました。特に以下の問題が確認されました:Redis、PostgreSQLコンテナが再起動を繰り返している。
ssrf_proxyコンテナで必要なファイルが見つからないエラー。
Dockerログの詳細分析
以下のようなエラーメッセージが記録されていました:Redis: 'wrong number of arguments for 'requirepass'(パスワード設定の不備)。
PostgreSQL: directory "/var/lib/postgresql/data" exists but is not empty(データベース初期化失敗)。
ssrf_proxy: 'cannot stat '/docker-entrypoint.sh'(スクリプトファイルの欠如)。
2. 初期対応
2.1 問題の切り分け
全体確認
Dockerの全コンテナの状態を確認し、エラー発生箇所を特定しました。特に、PostgreSQLとRedisに焦点を当て、問題の根本原因を分析しました。情報収集
Xserverの公式サポートサイトを調査した結果、アップデートに伴う既知の障害が掲載されていることを確認しました。サポートページには回避策も記載されており、これを参考に修正作業を進めることにしました。
参考URL: Xserver サポートページ
3. 設定変更と修正
3.1 問題の特定
.env ファイル内の CODE_EXECUTION_ENDPOINT 設定値が不適切であることが判明しました。この値は、コード実行用のエンドポイントを示す重要な設定項目です。
誤った設定: http://sandbox:8194/health
正しい設定: http://sandbox:8194/
誤設定の背景
ChatGPTとのやり取りで、http://sandbox:8194/health が推奨される設定値として提案されたため、これを適用しました。しかし、この設定値はサービスの状態を確認するためのもので、コード実行には適していませんでした。
3.2 修正手順
.env ファイルを編集し、以下のように正しい値に修正しました:
arduino
CODE_EXECUTION_ENDPOINT=http://sandbox:8194/
4. 修正後の手順
ファイルの内容を戻したのち、Xserver記載の処置をしました
5. 再発防止策
本番環境とテスト環境の分離
本番サーバーとは別にテスト環境を用意し、アップデートや設定変更を事前に検証する運用を確立します。
バックアップの重要性
重要な設定ファイル(例:.env)やデータベースを事前にバックアップし、障害発生時に迅速なリカバリーを可能にします。
公式情報の定期確認
Xserver公式サイトやDifyのリリースノートを確認し、潜在的な問題や修正方法を事前に把握します。
設定変更時の慎重な検証
外部からの提案や自動生成された設定値については、公式ドキュメントや信頼できる情報源を参照して確認する。
まとめ
本障害は、設定ファイルの誤設定およびアップデート手順の不備が原因でした。今後は、本レポートで提案した再発防止策を徹底し、同様のトラブルを回避するための運用改善を進めていきます。