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新年最初の授業
皆さま、こんばんは。
三連休初日の土曜日、いかがお過ごしでしょうか?
私は現在、舞台衣装を専攻する学生にバレエ衣装製作を教える仕事もしていますが、本日は勤務先の服飾専門学校で、2025年最初の授業を行いました。
年が明けての1月~2月、服飾専門学校は「卒業コレクション」のシーズンとなり、学生はそちらにかかりっきりで、なかなか他の授業の課題に本腰が入らない…という時期でもあります。
しかし!
半年15回の授業でバレエ衣装を1着作り上げるというカリキュラムの都合上、学生のスケジュールに合わせて「今日は卒コレの作業していいよー」と授業内容を変更するわけにはいかず、気もそぞろな学生たちを尻目に、着々と授業は進めなくてはいけません。
教える仕事は、主宰するCostume Lab.(コスチュームラボ:バレエ衣装製作講座&研究所)でも行っていますが、そちらは、バレエ衣装の製作経験があったり、バレエを長年学んでいて衣装にも馴染みがある人達ばかり。
一方、専門学校では、バレエはもちろん衣装に触れたこともない学生が大半。そのため、授業では予期せぬところで驚きの声が上がったりして、こちらが改めて気付かされることも多々あります。
また、中には子どもの頃からずっとバレエを続けている学生もおり、自分が着る衣装を作りたいとか、友達のために作りたい、という人もいて、デザイン画を元に「バレエ衣装として美しく、バランスが取れた形にするにはどう作れば良いか」という深い部分まで話すこともあります。
他の舞台衣装も同様ですが、バレエ衣装は「客席から舞台を見た時にダンサーが美しく見えること」を目指さなくてはいけません。ですので、作っている最中も、手元で今見えている状態だけなく、舞台に上がった時の状態を想像しながら作ります。これはとても難しい作業で、経験も必要。
さらに、ダンサーが気分よく舞台に立てることも衣装の役割の一つ。ですので、客席から見えることの無い「衣装の裏側」もダンサーのストレスにならないよう作ります。これもまた難しく、手間のかかる仕事。
華やかに見える衣装の仕事は、実はそんなに華やかではない。
それでも、自分の作りたいものに対して疑問点や課題を見つけ、それを解決する方法を自ら考えたりアドバイスを受けようとする。そんな「高い問題意識」を持った人ほど、吸収力もあり、上達も早いように感じます。
学生や社会人といった社会的立場は関係なく、伸びようとする人たちを目の当たりにできる「教える仕事」の尊さを、毎回の授業で実感し、何物にも代えがたい幸せを感じる。この年になって天職に出会った気さえしています。
教える仕事は、正直「大変」ですが「非常に面白い」。
そんなことを考えた新年最初の授業でした。
皆さん、「今年学びたいこと」は何かありますか?
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