サニチャンフェスタ ティーチングスタッフレポート
私、2024年9月1日(日)に開催されたイベント『サニチャンフェスタ』でティーチングラボ出張所のスタッフとして稼働しておりました。
そこで大変貴重な体験をさせて頂きましたので、記録を残そうと思い記事を書くことを決めました。
貴重な体験とは、一言で言えばポケモンカードの人気が継続的に高まり続けている中でさらに、コンテンツ自体がさらに昇華する可能性を見せつけられた、というものです。
私が体験したことを紹介させて頂く前に、私がスタッフとしておりましたティーチングラボとは何をやっている所なのかについて簡単に解説します。ご存じの方は、読み飛ばして頂いて構いません。
私が担当させて頂いた参加者の方は、
一般的にはとうに定年退職を迎えられたであろうご年齢の女性の方でした。
(以下、Aさん)
ポケモンカードのプレイヤー数が年々増えているという事は当然認識していますが、それでもこの参加者の方は私の知る限り最年長のプレイヤーです。
Aさん「〇〇と申します、どうぞ宜しくお願いいたします」
Aさんの穏やかな言葉遣いと品性を感じさせる立ち振る舞いに、こちらも慌てて本職のスイッチを入れました。丁寧さに面食らった、というよりもAさんの期待と楽しさいっぱいの柔らかく明るい表情が印象に残っています。
・・・そうなれば、事前のヒアリングにも自然と熱が入ります。
最初に、どうしても気になった事を尋ねました。
私「どうやってポケモンカードの存在を知ったのですか?」
Aさん「サーニーゴさんの動画をたまたま見て、なんだか面白そうだな、と思って!」――――――シマダダイチ選手、凄い。凄すぎる。
その後もう少しヒアリングをさせて頂いた所
ルールは不安があるが何となくわかるとの事だったので、
おさらいしながらバトルする事にしました。
そして、Aさんがカバンから取り出したのは、公式からグッズとして発売されているデッキケース3つ。ん?3つ?
そしてここからは、衝撃の連続でした。
私「ルールは何となく覚えていらっしゃるんですね。ポケモンカードは、普段どなたと遊ばれているのですか?」
Aさん「人と対戦をするのは、今日が初めてです。」
私「!?・・・ルールはどうやって覚えたんですか?」
Aさん「動画を見て、何となく覚えました。あとは、ここに来るまでにガールズバトルのコーナーで3回対戦してきました。3回とも負けてしまいましたが(笑)」
私「対戦を3回こなせただけでも十分凄いです・・!カードやデッキは、どうやって揃えられたんですか?」
Aさん「カードは家族に頼んで買ってきてもらい、デッキは動画でレシピが紹介される部分で一時停止して、写真を撮って作りました。」
ちなみに、シャッフルも手馴れており、理由を尋ねると
なんと”一人回し”&”デッキ2個用意して右手vs左手対戦”もされているとの事。
あまりのAさんの熱量とポテンシャルの高さに、自身の中にあるシニア層の概念が完全にひっくり返っていました。
Aさんのデッキは、リザードンex+エンテイV。
私の選択したデッキは、古代のコライドンexデッキ。先行は私。
私のバクガメスvsAさんのヒトカゲという対面からバトルスタート。
Aさん、バトル場ヒトカゲ、ベンチにかがやくリザードンとヒトカゲを並べ順調な滑り出し。
1ターンの間に出来る事 をおさらいしていると、早くも先を見据えたプレイが見える。
Aさん「サポートはあるけれど、今は使いたくないんです」
慌てて”サポートは確かに1回の番に1枚しか使えないのでつい使いたくなりますが、手札次第であえて使わないという選択を取れるのは非常に理解が深いです。”とフォローしました。ギリギリ。びっくりして固まる所でした。
Aさんは次のターン、その次のターンでヒトカゲをリザード→リザードンexへと進化させ、私がアドバイスするまでもなくリザードンexの特性”れんごくしはい”を宣言、山札から基本炎エネルギーをリザードンexとベンチのかがやくリザードンにつけて流れるようにワザ"バーニングダーク"を使われました。詰まることなく、特性使用→後続の準備、ワザ宣言まで・・・ほぼ完ぺきな動きです。私のバクガメスが気絶し、お互いの残りサイドは6-5。
私の方はエネルギーがうまく溜まらず、もう1匹ポケモンを倒されサイドは
6-4。その後の私コライドンexのカイザータックルで応戦、リザードンexを倒します。残りサイド4-4。
しかし、Aさんはかがやくリザードンを後続として出し、ヒトカゲをふしぎなアメでリザードンexに進化、再び特性"れんごくしはい"でかがやくリザードンとヒトカゲを育て、私のコライドンexをかがやくリザードンの”かえんばく”で難なく倒します。残りサイド4-2。
全てが想像以上の為、こちらはなけなしの策でボスの指令でエネルギーのついていないエンテイVをバトル場に引っ張り、ルガルガンのワザ”ターボエッジ”で後続アタッカー(コライドンex)を育てる作戦に出る。
しかし、ここでもAさんは手札からすぐに”ポケモンいれかえ”を使用し、
エンテイVをベンチに下げる事に成功。かがやくリザードンの”かえんばく”で私のルガルガンを倒しサイドを残り1枚に。
私は後続を複数立てることができず、何とかコライドンexでAさんのかがやくリザードンを倒しましたが、Aさんはかがやくリザードンを倒された返しでリザードンexの"バーニングダーク"を使用し、勝利されました。
私「ありがとうございました、Aさんの勝ちです!
初勝利、おめでとうございます!!」
その後、少し時間が余っていたのでオーガポンex(みどりのめん)のデッキの
改造をお手伝いさせて頂きました。
ここでもAさんは「オーガポンがサイド2枚ずつ取られてしまってすぐに負けてしまう」と仰り、負けに繋がる理由まで見えている事に再び驚かされました。
これまでカードゲームというものに触れたことのない、一般的なルール覚えたての初心者の方であれば、ここ辿り着くのはもう少し後のはず・・・。
exやVポケモンのようにサイドを2枚取られなくて、それなりにダメージの出るポケモンという事でヤバソチャと、フィニッシャー用にヤバソチャexを紹介しました。入れるカードと抜くカードが決まった所で、時間的にちょうど良い感じになりました。
すると、サーニーゴさんがいらっしゃり、Aさんにインタビューされていました。
イベントに参加しての感想、デッキ何個持ってるのか、など
色々お話されていましたが、何を尋ねられてもAさんはとてもとても楽しそうでした。この時のAさんの「今日一番楽しいです!」という一言が輝いていました。
インタビューの後は、イベントの検索の仕方をお伝えし、お見送りしました。
こうした体験を通じて、冒頭で触れた「コンテンツ自体がさらに昇華する可能性」を見せつけられた、というわけです。
私が初心者向けのティーチングイベントに携わっている理由は、
裾野を広げることと、参加してくれた方に”ポケカって楽しい”という”原体験”を与えたいからです。
サニチャンフェスタでのこの体験を経るまで、この”原体験”というのは
子供時代に得るものだと思っていました。実際私も幼少期ポケモンやポケモンカードに触れていたからこそ、今があると思っています。
でもその認識は、この日で完全に新しくなりました。
ポケカって楽しい、という”原体験”を得るのに、
早いも遅いも、年齢や性別も全く関係無いんだという事を強く感じました。
そうなれば、いよいよポケカが誰しもの身近にあるという未来も、
あながち空想ではない気がしてきました。
私が定年退職を迎える頃には、
ジュニア、シニア、マスターに加えて、
エルダーリーグが出来ているかもしれません。
高齢者介護施設に、将棋盤やトランプ、花札と並んでテキストサイズ200%ぐらいのポケモンカードエターナルセットなるものが置かれているかもしれません。
そんな笑っちゃうような未来を呼ぶには、
裾野を広げる活動と、誰しもがポケモンカードを楽しいと感じて貰えるような場づくりが欠かせないと思いますし、その為に自分が出来る事はこれからも続けていきたいと思います。
最後に、サニチャンフェスタは、主催サーニーゴさんの思いの強さと、
参加者の熱量、スタッフの前向きな姿勢が感じられるとても素晴らしいイベントでした。
このようなイベントに関われた事を、とても誇らしく思います。
もし次回があれば、喜んで参加したいです!
長文にお付き合い頂き、ありがとうございました。
またどこかでお会いしましょう。
じゃら
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