「顕在意識」と「潜在意識」の話
顕在意識と潜在意識を考えてみたので紹介します。
自分は心理学や認知科学の詳しい知識はありません。ここで解説することはあくまでも自分の解釈です。
Q.顕在意識とは?
顕在意識を言い換えると「有意識」です。つまり、自分が気が付けている意識のことです。
Q.潜在意識とは?
潜在意識を言い換えると「無意識」です。つまり、自分が気が付けていない意識のことです。
この2つの意識がどうトレードと関係してくるのかを考察していきます。
まずは顕在意識(有意識)です。
基本的にトレードをする際は何かを意識してエントリーを行います。例えば、移動平均線(以下MA)の反発を狙ったエントリーをしたとします。
このトレードの根拠はMAの反発のみです。つまり、レートがMAを下抜けた時点で損切りを行うのが正しい判断と言えます。しかし、多くの人はMAを下抜けたとしても損切りを行いません。根拠が崩れたにも関わらず、次の根拠を探し始めます。
今まで意識していたものは過去のものとなり、次に意識するものへと容易に書き換わるのです。
このことから分かるのは顕在意識とは容易に書き換えが可能な意識ということです。
では「なぜ」書き換わったのか?
その原因は潜在意識(無意識)です。
潜在意識は「欲求を満たすこと」「危険を回避すること」を目的に生存本能レベルで活動しています(非常に強力)。
潜在意識は容易に書き換えが出来ません。
潜在意識(無意識)>顕在意識(有意識)
このような力関係が成り立ちます。
しかし、ここでひとつ疑問が生まれます。
損失を確定させることで結果的に危険を回避出来るのに「なぜ」潜在意識は損失を無視して別の根拠を探すよう活動するのか?
その理由は潜在意識は未来ではなく、現状の問題を解決するための意識だからです。つまり、現状の危険(損失)を回避し、欲求(利益)を満たすための行動をとるのです。
この2つの条件を満たすために、まず損切りする理由を排除し、利益に得るための新たな理由を作り出します。要するに自己正当化です。勿論、これでは上手くいく筈がありません。
ではどう対処すれば良いのか?
3つのステップに分けて解説します。
①顕在意識で常に行動する
有意識は「言語化」が可能です。つまり、事前に「認識・解釈・行動」を言語化しておくのです。こうすれば潜在意識による書き換えを防止出来ます。
また、結果的に問題が生じたとしても「何」が問題だったのか追跡調査が可能です。そして「認識方法」「値動きの解釈」「行動方針」に内在する問題をひとつずつ改善すれば良いのです。
この段階は「有意識的無能」と言い、意識してるけど出来ない状態です。
②顕在意識を正当化する
顕在意識で常に行動し続けることで「認識・解釈・行動」は改善され、徐々に成績も向上してきます。
自分自身が理解した上で成り立つ成績の向上は自信に繋がります。そして成功体験を得る機会が増えてきます。
この段階に来ると「有意識的有能」となり、意識すれば出来る状態になります。
③潜在意識を書き換える
有意識下で成功体験を積み重ねると、潜在意識は徐々に書き換えられていきます。潜在意識が求める2つの条件を体現することが理解出来たからです。
この段階まで来ると「無意識的有能」つまり、何も考えす出来る(勝てる)状態になります。この段階が最終目標です。
ここまで書いて来ましたが自分はまだ有意識的無能と有能を往復している状態です。少し気を抜けば、潜在意識の書き換えによって損失を膨らましてしまうからです。
今でも常に問題提起を行い、自問自答し続けています。決して簡単な道のりではありませんが手応えは感じています。
そして、自分の些細な成長に気が付くためにもアウトプットを繰り返しています。その些細な成長が今の自分のモチベーションを保ってくれています。
まずは「認識・解釈・行動」を「言語化」することから始めてみて下さい。アウトプットすることで自分の弱点が見つかります。勿論、強みも見つかります。
今の自分と向き合うことでしか、今の自分がやるべきことは見えてきません。最大の敵は自分自身であるということを忘れないで下さい。
あなたの学習を少しでも加速させる一助になれれば光栄です。最後まで読んで頂き有難うございました。