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ゴルフ: ティーチングプロの探し方

ゴルフを始めて見てわかったことは、とにかく楽しく遊べるのに時間がかかるスポーツであるということだ。

まず、全ての結果は自分の責任である。ミスショットやパットで、どんなにフラストレーションがたまっても、誰のせいにも出来ない。(もしすれば、あなたと再びラウンドしてくれる友人はいなくなるだろう)

同じコースを回っても同じライは二度となく、同じ風も吹いていない。そんな中で、14本もの特殊なゴルフクラブを適切に選択して、球技のなかでも随一の飛距離を正確に飛ばし、止め、出来る限り少ない打数でカップへ転がし入れることが出来て、初めて楽しいのである。

もちろん、圧巻のドライバーショットを放ったり、15mのロングパットが一発で入ったり、奇跡的なチップインを決めた瞬間は、とろけるほどの快感ではあるのだが、コースを後にしたときに残る後味がいいことは、それほど多くない。

そうなると、ゴルフを独学でうまくなって楽しく遊べる人は、よほど勘と運と頭のいい人なのだろう。

筆者は過去の記事に書いたように、逆球に悩んでいた(いる)。教科書に出ているようにスライスを打とうとすればフック、フックを打とうとすればスライスする。これでは、コースがどんなに広くても安全圏というものがない。安全圏を作るために、球の曲がる方向を高い確率で一方向に揃えたいと願っていたのである。

私は、本を読むのが好きなので、まず様々な本と格闘し、練習場で課題に取り組んだが、どうも上手くいかない。それでも少しは良くなったと自分では思っていたところに、石岡ゴルフ倶楽部へコンペに出かけてしまった。そう、あのジャック・ニクラウスが設計し、彼自身をして「日本のゴルフ場の中では最高」と言わしめたコースである。

結果は118か117か。忘れてしまう程の無残なものだった。帰りのクルマを運転しながら悔しくて涙が止まらず、本当にゴルフが楽しくなくなってしまった。そこで、もう独力でやろうとするのはやめよう、信頼できるティーチングプロを見つけ、その方に教えを請うて、それでもゴルフが上手くならなければ、やめてしまおうと真剣に考えた。

私がティーチングプロに求めた条件は以下のごとくである。
1. 個人レッスンをしてくれる
2. ポジティブフィードバックが上手
3. 最新のスイングの研鑽を続けている
4. とにかくアマチュアを教えることが好き!

1. については絶対条件である。ゴルファーの一人一人が抱えている問題は全く異なるので、処方する薬も当然異なる。ところがグループレッスンでは、どうしても隣を指導している声を聞いてしまい、自分にも取り入れようとしてしまう。風邪を引いているのに腹痛の薬を飲んでしまうようなもので、かえって害にすらなりえる。もう一つ、一般的にグループレッスンは安価だが、一人あたりの指導時間は短くなるので、その点も考慮する。

2. これも自分にとっては非常に大切である。最近は少なくなったようだが、日本のスポーツ界には「けなして精神力を強靱化する」という考え方が依然として存在する。日本語にはもともとフィードバックに相当する単語がないようで、そのまま使われているが、フィードバックに「前向きな」を追加したポジティブフィードバックが上手なコーチこそが、優秀なティーチングプロである。

日本でも、褒めて育てるという言葉はよく聞くが、それはどこか生徒に媚びたり、無理にでも褒めちぎるというニュアンスを感じるが、ポジティブフィードバックは決して、生徒に媚びることではない。あくまで、対象が、自分の欠点や課題に対して、真正面から向き合いたくなるように勇気づけるのである。

3. これはゴルフ道具の進化を考え、プロのスイング変遷を見ていれば、昔の理論がそのまま通用する時代では無いことは明らかである。学ぶのであればやはり、今のクラブにあった新しいスイングを学びたい。ただし、流行に乗って最新の理論を節操なく解説すればいいというものではない。あくまで、その生徒の上達に必要なものを提供するという姿勢がほしい。往々にして、生徒は「流行のスイング理論」に飛びつきたがるものだが、それが本人のためにならない時は、キッパリとフィードバックすることが大切である(これはレッスンフィーの損失リスクを考えれば相当に勇気がいることである)

4. 最後に、やはりアマチュアゴルファーを教えることが好きでなければ、生徒にはすぐにわかってしまう。プロやプロの卵は、「できる人」である。しかし我々アマチュアの大部分は「できない人」なのだ。そうした人に、根気よく付き合い、少しの上達をともに喜べるティーチングプロが理想である。

次回、私が今教えていただいているプロの紹介をします。


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