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ウクライナ戦争はそもそもなんで始まった?第1話「ソ連崩壊〜ブダペスト覚書」
ウクライナ問題が過熱をしているが、そもそもの問題を理解するためには、長い歴史を学習する必要がある。
長い長いロシアとウクライナの歴史をすべて学ぶのは難しいが、その中でも特にソ連崩壊後の核兵器の取り扱い、ブダペスト覚書、そしてその後のウクライナ国内の混乱、クリミア半島問題、そしてウクライナの中の親ロシア派と西側ヨーロッパ派の争い、そしてNATO拡大と地政学的な東側と西側の対立についても知っておく必要がある。
今回は1991年のソビエト連邦崩壊から1994年のブダペスト覚書作成に至る経緯を解説する。
この期間には、核兵器の管理と不拡散、そして新たに独立した国家の安全保障という、非常に重要な国際政治の課題が複雑に絡み合っていた。
ソ連崩壊直後の核兵器を巡る状況
1991年12月にソビエト連邦が崩壊した際、旧ソ連の核兵器はロシア連邦、ウクライナ、ベラルーシ、カザフスタンの4か国領土に分散して配備されていた。
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ベラルーシとウクライナはロシアと欧州西側諸国の間にあり、
緩衝地帯であり、戦略的要衝であった
ロシア以外の3か国は、自国領土内にある核兵器の管理権は持っていたものの、発射に必要な制御システムはモスクワに集中しており、物理的な管理権のみを有する状態であった。
しかし、国際社会、特にアメリカ合衆国をはじめとする西側諸国は、これらの国々が核兵器を保有し続けることに対して強い懸念を抱いていた。
理由は以下の通りである。
核兵器の拡散リスクの増大: 新たに独立した国々が核兵器を保有することは、核兵器不拡散体制を大きく損なう恐れがあった。
核兵器保有国が増えれば、核戦争リスクも高まる。核兵器管理の不安定性への懸念: ソ連崩壊直後は、政治的・経済的に不安定な状況であり、特に独立したばかりの小国が核兵器の管理体制が十分に確立されているか怪しく、テロリストへの譲渡の可能性も出てくる。
ウクライナの戦略的重要性: ウクライナは旧ソ連の中でも、特に欧州地域の国としては国土も広く、ロシアと西側諸国の間に位置する戦略的に重要な位置にあり、ヨーロッパにおける安全保障の要となる国であった。
ウクライナが核兵器を保有し続けることは、ロシア自身にその脅威が向けられる可能性もあり、周辺地域のパワーバランスを大きく変える可能性があった。
ウクライナ、ベラルーシ、カザフスタンの核兵器放棄
このような国際的な圧力と、それぞれの国内事情から、ウクライナ、ベラルーシ、カザフスタンは最終的に核兵器を放棄する決断をした。
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