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玉木はなぜ女性問題で叩かれないのか

国民民主党の党首、玉木雄一郎氏の不倫報道が出て1日が経過した。
結果として彼は党首の立場に残るのであるが、玉木雄一郎は今回の女性スキャンダルが出ても驚くほどに叩かれない

彼の支持者のおそらく大半が彼の続投を願っているし、むしろ彼が誰かに狙い撃ちされたのではないかと財務省や自民党などを疑い、彼を応援する姿勢が加速しているのは注目に値する。

これまで政治家の女性スキャンダルというのは、議員辞職したり、役職を降りたりするのが当たり前であった。ましてや党の代表である場合は、なおさらである。

しかし今回の事象で玉木氏は叩かれなかった。
むしろネタにされ、

"チン上げしてる時間があったら賃上げしろw"
"夜のトリガーより昼のトリガーだろw"
"タマキンがタマキンに支配されんなよw"

などと言われつつも、むしろ"財務省に負けるなよ"などと応援されている。
なぜ叩かれないのか、考察してみよう。

彼が今回叩かれなかったのは、以下の6つのポイントがあると考える。

  1. 手取りを上げるという政策により当選し勢力を伸ばした。好感度で売ってこなかった

  2. 彼が自分で政党を作り、拡大させてきた

  3. 日本人の生活が苦しくなり、スキャンダルを叩くより実利を取りたい人が増えた

  4. 国民民主党が、キャスティングボートを担っている状態である

  5. 女性の就業率が高まり、手取りに対する関心が高まった

  6. 彼がお金を払って買春したわけではなく、単にモテたし結構相手が男性から見てそこそこ可愛かった


それでは1つ1つみていこう。

(1)手取りを上げるという政策により当選し勢力を伸ばした。好感度で売ってこなかった

まず手取りを上げるという政策一本足で衆院選で大きな勢力を伸ばした彼は、全く好感度で売ってこなかった。
玉木氏の支持層は、彼の政策に同調していたのであって、彼自信の好感度に投票をしたのではなかった

多くの政党が高齢者向けの過度な社会保障政策を重視してきた中で、国民民主党は一貫して「手取りを上げる」という、現役世代の政策を重視した。現役世代向けにフォーカスを当てたのは、国民民主党と日本維新の会の2つである

彼の支持層は現役世代であるし、実際に納税をする「金を預けている立場」であり、高齢者から搾取をされてきた被害者たちの集まりが国民民主党の支持者である。
彼ら現役世代を救おうとする政党はこれまでなく、自民党も民主党も公明党も共産党も、皆高齢者に媚びへつらって若者を搾取してきた。

そろそろ怒りの限界に達しようとしていたのだが、社会的に抹殺されるのが嫌で何も言えなかったのだが、若者の声を代弁してくれたのが玉木氏である。
そして具体的な政策を掲げていて、それを実現したいと思って彼に投票をした。そう、彼は若者にとって最後の希望である救世主に見えているのである。

救世主・玉木が女を作ろうと何人とセックスしようと、手取りを搾取し高齢者に渡してしまう政治家のほうが若者にとって悪魔に見えるはずだ。
よって、何人とやっていようとどうでもいいから、手取りを増やす政策を実行してほしいのだ。

(2).彼が自分で政党を作り、拡大させてきた

彼が自分で国民民主党を作り拡大させてきたのも、叩かれない理由である。
自民党や民主党、例えば共産党というのは昔から存在し、代々引き継いできているわけで、党内には様々な人間関係が存在する。
足を引っ張りたい人もいるし、同じ政党内でも意見が統一されているわけでもない。

例えば自民党であれば、総裁選でも明らかになったように人の足を引っ張りたいと思う人間が多くいる
第1党を取れることを前提として政党が存在しているし、党内での序列が実際の社会での権力に影響することになる。
他の政党を追い抜かそうとか、この政策を実現するために政権を取ろう、というコンセンサスは存在しない。

一方の国民民主党は、「この政策を実現しよう」という団結力が強い
新しく玉木氏が作った政党であるから、玉木氏がトップに君臨しているわけであるし、リーダーは明確になっている。
政党の中でトップになっても政権を担えるわけでもなく、第二党ですらない。
よって、他の政党を追い抜かしていくために内紛している場合ではないわけで、政党内で足の引っ張り合いをする意味が議員らにほとんどないのである。これは玉木氏が引きずり降ろされない大きな要因である。

(3)日本人の生活が苦しくなり、スキャンダルを叩くより実利を取りたい人が増えた

かつて日本国が世界2位の経済大国となり、または米国の60%~70%程度のGDPまで勢力を拡大した時代があった。
今や中国や、人口が少ないドイツにも抜かれ、来年にはインドにも抜かれる体たらくである。
国民の多くは貧しくなったのだが、今の若い世代からしたら、かつて日本人の多くがハワイ旅行に行っていたとか、女子高生でも高級ブランドを持っていたなどと聞いてもとても信じられないものである。

豊かだった時代には、ただどうでもいいことで論争している時間も余裕もあったわけであるが、明日食っていく余裕も怪しくなってきたら、そんな議論をしているわけにはいかない。
例えば、日米安保反対と言いながら学校内で暴力を振るってみたり、憲法9条により自衛隊は違憲だとかなんとか議論したり、空港の近くに一坪運動とかいって土地を分筆して買って空港建設の邪魔をしたりした時代は、経済が発展していき豊かになっているいい時代であった。
彼らには上の世代が少なかったから、搾取されることもなかった
そんな活動をしていても飯も食えていたのだ

よって、現代の現役労働世代は、そんな余裕がない上に、稼いだ金を高齢者に強制搾取されて明日食っていくのもつらいという状態である。
よって、どうでもいいことを議論している余裕はない。
そう、実利重視になっていくのは当然なのだ。

(4)国民民主党が、キャスティングボートを握っている状態である

国民民主党が、自民党と民主党の間にたち、キャスティングボートを握っている状態というのがまた影響が大きい。
国民民主党が勢力を拡大できていなかったら、おそらく玉木ではない他に人間にやらせろという意見も出てきたと思う。

しかし今や国民民主党は政権に大きく影響する立場であり、国民民主党が(また維新もだが)どう動くかで、自民党と民主党、どちらの政策が通るのかが大きく左右される状態にいるのは、玉木氏に辞任要求が出ないことに繋がっている。

国民民主党がキャスティングボートを握れる状態というのは、下記のような珍しい状態が重なった時にしか起きない。

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