関西弁で理解 闇バイトとはなにか
最近急速に社会問題化している闇バイトだが、不思議なことに手を出す人間が後を絶たない。"ルフィ"による狛江市の強盗殺人事件は、おそらく今後死刑求刑がなされるだろう。横浜の強盗殺人も実行犯は無期懲役以上となる。
実際にゆな先生は、闇バイトの応募をやってみて、そのスクリーンショットを一部だがXに公開した。
しかしもう一度、闇バイトの一連の流れをもう一度理解して、私達ができることを考えてみよう。いつも通り関西弁でわかりやすくいく。
第一章 闇バイトの勧誘
最近よう聞く「闇バイト」。
「闇バイト」っていうと軽い響きやろ? 楽して大金ゲット!みたいな。
"闇バイト"っていうのを、「ちょっとグレーだけど高報酬なバイト」って勘違いしてるアホもおるんや。
でもな、そんなうまい話、あるわけないねん。
バイトは求められる能力と希少性で金額が決まるって考えなあかんで。
医者とかなら時給1万とかあるけど、なんの能力もないやつに時給1万払うやつはおらん。
お前が金持ちとしても、ただの無能に時給1万払うかっていう。払わんやろ?
手ぇ出したら人生詰むからな、ホンマに。
この第一章では、あいつら悪人がどんな風に若者を騙して闇バイトに引きずり込むんか、その手口について詳しく解説したるわ。
まずな、闇バイトの勧誘、ほとんどがSNS経由やねん。
Twitter(X)とかInstagram、TikTokなんかで、いかにもええ感じの投稿に紛れ込ませてん。特にTwitterは多い。
「高額 バイト」とか「高報酬」とか検索して、「最新」の順で並べると、めちゃくちゃ出てくるんよ。
「日給3万!簡単作業!」とか「即日払い!年齢不問!」とか、見るからに怪しいねんけど、なんかこう、軽い気持ちで見てまうやろ?
しかもアカウント名は普通の人の名前だったり、ライトな感じの名前だったりするんや。「佐藤XX」とか人の名前もあれば「あかり」みたいな女性っぽい名前もあるで。
だいたいはDMできるように設定されてて、フォローしなくてもDMできる。
しかし、金欠で困ってたり、将来に不安抱えてたりする若者ほど、こういう甘い言葉に引っかかりやすいねん。
人間、貧しさとか飢えとか、極度のプレッシャーを感じると、判断力が著しく低下する。そういうやつを狙うんや。
金に困ってるやつってのは、金がなくなると誰かに借りるよな。
消費者金融とかな。ひどい場合は闇金とかにも手を出す。
電柱とかに「無担保ローン 090-XXXX-XXXX」とか怪しいチラシ貼ってあるところとかな。判断力落ちるからそういうとこからも借りてしまう。
闇金ウシジマくん見たことある人おると思うけど、金の取り立てえげつないやろ。取り立て業者ってのはめっちゃ怖いで。だって取り立てをプロにしてるやつらやし、消費者金融とか闇金から借りるやつはアホで怠惰なクズやし、そいつらから無理強いしてでも金を回収するんやから、手荒なこともする。
ガンガン毎日「金返せよ」って電話かかってきて、場合によっては闇金なら職場とか家とかにも電話きたり実際にきたり、まともな業者でも赤い郵便で「最終督促状」みたいなの送られてきて、まあ焦ってるんや。
最後は弁護士から最終通告書がくる。
そうすると、「即日払い」とかいうワードにめちゃくちゃ弱くなる。
最近の傾向としては、「高額バイト」とか「裏バイト」みたいなハッシュタグをつけて、SNSで募集するケースも増えてきてるみたいやな。 一見普通のアルバイト募集みたいに見せかける。
「世の中美味しい話があるはず」って信じてるアホっていっぱいおるから引っかかるんよね。
そんで、こういう投稿に反応したら、だいたいTelegramとかSignalみたいな、秘匿性の高いメッセージアプリに誘導されるんや。
なんでかって? 証拠を残さんからや。警察の捜査から逃れるためにな。
こういうアプリは、メッセージが自動的に消えたり、暗号化されとったりするから、足がつきにくいねん。
普通のLINEとかSNSのDMって、自分からは消せても相手には残ってたり、消したとしてもサーバーにログが残ってたり、どこのIPアドレスからアクセスしたのかサーバーに記録が残ってたりするんやけど、TelegramとかSignalは全く残らへんのよ。
この、サーバーに全く残らん通信をエンドツーエンド暗号化っていうんやけど、それができるから、たとえTelegramとかSignalの運営会社でも見られへんわけや。
もともとTelegramはロシア政府の弾圧に対抗するために検閲されない通信手段を作ろうとして開発されたんやけど、秘匿性が高いので、例えばイスラム国とか、中南米の麻薬カルテルとかでも使われてて、ついには日本の反社(反社会的勢力)にも使われるようになったわけや。
今回の関東の一連の事件は、Signalが使われてる。
Signalは、米国の電子フロンティア財団が認定した、米国で上院議員向けの利用も推薦されてるほどの出来栄えで、財団が作った暗号化通信アプリ評価項目7項目にすべて合格した非常に高度な暗号化通信アプリや。
で、メッセージアプリでやり取りが始まるんやけど、最初のうちは、めちゃくちゃ丁寧な言葉遣いで、親切そうに接してくんねん。
「ご興味ありがとうございます!」とか「ご質問等ございましたらお気軽にお問い合わせください!」とか、まるでまともな企業の求人みたいやんか。 でもな、騙されたらあかん。中身は真っ黒けっけやから。
具体的な仕事内容について聞いてみても、最初ははぐらかされることも多い。
「詳細は面談で」とか「セキュリティ上、ここではお伝えできません」とか言うてな。
それでもしつこく聞いたら、「荷物を運ぶだけ」「簡単なデータ入力」とか、一見簡単そうな仕事内容を提示してくるねん。
でもな、その「荷物」の中身が違法ドラッグだったり、偽造クレジットカードだったりするんや。 「データ入力」も、フィッシングサイトの構築だったり、個人情報の不正入手だったりするわけや。
一方で明確に犯罪をやるっていうのを伝えてくるときもある。
明確に「受け子です」(オレオレ詐欺で金を受け取る役目のこと)とか、「キャッシュカードのすり替えです」とか言ってくるとかな。
場合によっては「高所得者の節税のバイトです。現金を受け取って運んでもらいます」とか、よく考えれば怪しいっていうのもあるで。
そんで、いよいよバイトの具体的な話になるときに、免許証とか身分証の写真を送れって言ってくるんよ。
それでまず1つ目のフィルターをするんよ。
相手が本当にやる気があるのかどうか、実在するのかどうかの確認やな。
現状警察は、身分証の偽造をしてまでの捜査を法的に認められてないから、偽造しての捜査ができへんのをわかってるからな。
それで確認が取れると、「あなたの電話番号と住所などを送ってください」とか「緊急連絡先を教えて下さい」ってことで実家の親の名前、住所、電話番号とかも出せと言われる。
親の情報を出せっていうのは、そいつが逃げたときに親を殺すぞって脅すためやで。
さらに「身分証を手に持って顔が写るように自撮りした写真を複数枚送れ」とか、「道路から家の中に入るまでを動画で撮って送れ」「最近家に届いた郵便物を住所の面が見えるように送れ」とか言うんよ。
前者は後で脅すため、後者は実際にそこに住んでるかの確認と、逃げようとしたときにそいつの家にまた誰か闇バイトの男を襲撃に行かせるためとかいろいろ目的があるで。
ここから先は実際に身分証とかを出したあとの話やが、(この先はメンバーシップ初月無料にしています)
頂いたサポートのお金は、取材や海外の文献の調査などに使わせていただきます。サポート頂けるのは大変うれしいので、これからも応援いただけるとうれしいです! ゆな先生より