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40代、ゼロから統計検定2級に合格した方法と受ける理由

2020年11月28日の試験で統計検定2級に合格。40代で突然統計の勉強は始めて約4か月。何をやったのか記録。誰かの役に立つといい。

自身の背景・勉強を始めた動機

私もnoteの記事を読むにあたり、ある程度自分と似た背景や動機を持った人の記事でないと参考にならないことが多いので、私も記載する。大学は千葉大学大学院で理系。であるが、年齢のほどは40代。就職は2000年で、そこからはITと会計の世界でご飯を食べてきた。いつの間にか英語が話せるようになり、そうこうしていたら、外資系保険会社で働くことになった。運よく、するする役職も上がり、給与も働く人口の上位には入ってると思われる。が、40代に入り不安が。あと、定年まで20年弱、このままで食べていけるのか?明日肩を叩かれて、「明日から来なくていいよ」と言われたときに、「はい」と即答できるスキルが俺にはあるのか。微妙。であれば、付けるしかない。IT、会計、英語にもう一つ。あと、20年弱を生き延びる強めのカードが欲しい。「そうだ、アクチュアリー試験受かろう(←突然安易)」。では、何から始めればいいのか?「そうだ、統計検定受けよう」と、今に至る。

大学院を卒業してから20年を超え、講義で統計学と名のつくものは受けたかどうか不明。それどころか、授業をとった記憶自体が無い。ITの世界にはいたが、数式に触れることはなく気合で業務プロセスをコードに落としていただけ。会計の世界も、統計とは全く関係ない。
要は、なんも事前知識がないどころか数学的素養にも乏しい状態で始めたということになる。さすがに微分積分の式の意味は分かる。が、確率統計は完全に忘れている。これが私のスタート地点での状態。

ちなみに、保険会社でさらに会計に近いところで仕事をしていると、アクチュアリー試験を乗り越えた猛者と仕事することも多い。正直、仕事内容にあこがれてはいない。ただ、今のスキルと組み合わせて、手札が強そうにみえればそれでいいのだ。

勉強法


統計の勉強は、「勉強してなくても理解できるもの」→「勉強したから理解できるもの」という順番を大事にした。当たり前と思うかもしれないが、意外とここを徹底している人は少ないのではないか。急ぐがあまり、難しいテキストからスタートする。結果、理解は進まず さらに苦しい勉強はモチベーションを下げる。何もいいことはない。その点私は、まったく無理せずに勉強を進めた。その代わり使ったテキストは人より多いかもしれないが結果効率が良かったと思う。その上で、「七回読み勉強法」を実行した。

以下、読んだ本とコメント

■東大首席が教える超速「7回読み」勉強法 (PHP文庫)

☆☆☆☆☆
まず勉強したのは、勉強方法そのもの。実は私は大型資格受験経験もなく、今回のチャレンジは、これまでの厳しいビジネス社会を生き抜くために磨いてきた「理論・実体験を繰り返す」という勉強方法が通じないと感じた。なぜなら現時点で仕事に直結しないから「実体験」しようがない。そこでこちら。正直化け物みたいな著者並みのスピードは出せないが、7回を経る中での知識の定着度合いは、そのまま私にあてはまり、結果とても参考になった。今後の統計検定準1級、1級、アクチュアリー試験と使う予定。

■完全独習 統計学入門

☆☆☆☆☆

統計をはじめるすべての40代(そんなにいない)に進めたい。Google Booksの書評が言いたいこと言ってくれてた。文句なし☆5つ。

使うのは中学数学だけ! 確率の知識はほとんど使わない。微分積分もシグマ(∑)も全く使わず、予備知識がない状態から「検定」や「区間推定」という統計学の最重要のゴールに最短時間で到達できる、画期的な一冊。(Google Books)

■改訂版 日本統計学会公式認定 統計検定3級対応 データの分析

☆☆☆☆

まず初めに、1月かけて統計検定3級をとった。何からやればよいかわからなかったため、公式テキストからスタート。結論、よいテキストだった。7回読み勉強をするなかでしっかり仲良くなれた。「統計学入門」と、このテキスト1冊で3級と統計の基礎は抑えられた。とはいえ、冒頭の「統計学入門」を読んでいたからこそ理解が進んだ点も多々あり、☆4つ。

https://amzn.to/39mrStu

■BellCurve 統計WEB『統計学の時間』

☆☆☆☆☆
https://bellcurve.jp/statistics/course/

3級合格後に2級対策として、このサイトに着手。このサイトにある内容を完璧にすれば、8割完了と言って過言ではない。わかりやすさも、「背景」に記載した私がいきなり取り組んで問題ないレベル。☆5つ さらにタダ。

統計学の基礎から応用までを丁寧に解説しています。「Step1. 基礎編」は、大学で学ぶ統計学の基礎レベルである統計検定®2級の範囲をほぼ全てカバーする内容となっています。最後まで読み進めることで、統計検定®2級に合格できる力がつく(引用:「統計学の時間」)

その通り!実際、「統計学の時間」で「7回読み勉強」を完了後、過去問を6回分解いたところ、5回はCBT試験の合格点(60点)を超えた。ググっても「統計学の時間」の評判はとてもよく、書籍化をお願いしたい。

■日本統計学会公式認定 統計検定 2級 公式問題集[2017〜2019年]

☆☆☆☆
過去問。「統計学の時間」を「7回読み」したあとに取り組んだ。多分「統計学の時間」だけで合格点である6~7割はとれる。つまり、まだ3~4割は間違う。この3~4割の弱点つぶしに最適。結果合格確率がぐんと上がる。「統計学の時間」がとてもよく出来すぎていて、「もう自分は完璧じゃないか」と感じてしまう。そのような慢心も正してくれた。

■改訂版 日本統計学会公式認定 統計検定2級対応 統計学基礎


統計学初学者、および統計検定3級合格者、並びに何人たりとも見る価値は基本無い。「統計学の時間」と「統計検定2級 公式問題集」を終わらせたあとに、手違いで試験日まで間が空いたときに、各章末の問題を解いてあげてもいいかなぐらい。

モチベーション

私の場合モチベーションは「理解が深まる楽しさ」から来る。だからこそ、どのサイト・テキストをどの順番でやるのかには人一倍気を遣う。ポイントは「時間をかければ確実に理解できるもの」を勉強すること。すると、やればやるほど上達が実感でき、いくら勉強しても疲れなくなる。楽しくなる。その点、私の提案する勉強順はぜひ参考にしてほしい。

「40代の不安」と「40代で統計を勉強する意味」

限られた時間

学生の時分と違い、社会人の勉強時間は限られている。さらに子育て世代ともなるとなおさらだ。限られた自由な時間を、家事・育児・プライベート休憩・勉強 に振り分ける。だからこそ、勉強に対して迷う。

40代の私が、今から統計の勉強をして何の役に立つのか?

40代に限らず、自分の限られた時間を何に使うのか迷うことは珍しくない。このような場合は、目的に立ち返る。私の目的はシンプル。「生き残る」である。

前提としては、会社は信用していない。どんなに仕事を頑張っていても、切る時は切る。調子が悪けりゃ会社が生き残るためには何でもしてくる。人は信用しても会社は信用してはいけない。

つまり、ここでいう「生き残る」は会社の中で。ではなく、社会人として「生き残る」ことを指す。明日オフィスに行って、上司に急に肩を叩かれて「明日から来なくていい」と言われても、即答で「はい。お世話になりました。」と言える力を持つことである。給与を下げず、すぐに転職・独立できる力である。

20代であれば、何も努力してなくても「若さ」と「伸びしろ」がある。給料も安い。肩を叩かれてもダメージはゼロだろう。

30代。「即戦力」。仕事も脂がのってきて、「伸びしろ」もまだまだ十分。どこの会社も一番欲しい年代だろう。ここでも何も怖くない。

40代。ここからが勝負だ。給与レンジもいい加減上がり「高給」、「役職」も上がる。「子供にお金がかかる」時期でもある。では、40代で肩を叩かれて、「はい」と即答できるスキルとは何だろう。「生き残る」ための「手段」は何か。ここがポイント。

私は、5年に1つ強みを伸ばす戦略をとっている。会計だけならすごい人は世の中に一杯いる。英会話だけならネイティブにかなうわけがない。ITでのプロセス改善でも、その道のプロはうじゃうじゃ。100の専門分野があったとしたら、各専門分野のトップ席は100個しかない。この100のトップ席に座ることは、まあ不可能だろう。

では、組み合わせで戦えばどうだろう。例えば、「会計」と「IT]のように2つの組み合わせであれば、100個の専門分野に対して、4950個のTOP席が生まれる。「会計」「IT]「英語」と3つの組み合わせであれば、100の専門分野に対して161,700個のTOP席が生まれる。今の私は正確に言うと「保険会計」「会計分野のIT]「英会話」と、この3つの組み合わせであれば同年代の誰にも負けないといえるスキルを付けるよう意識してきた。「生き残る」ための「手段」としてである。ここに「統計」を付ける。さらに専門性に磨きをかけて、人材としての市場価値をあげる。職を失うリスクを低減し、給与低減のリスクも回避し 結果、生活に安心をもたらす予定(ただの心配性)。あなたの専門性の「組み合わせ」に「統計」がフィットしそうであれば勉強を開始してもいいかもしれない。

今後の予定

2020年8月 統計検定3級 🌸

2020年11月統計検定2級🌸

2021年6月統計検定準1級(予定)

2021年11月統計検定1級(予定)

2021年12月アクチュアリー数学(予定)

2021年12月アクチュアリー何かもう一つ(予定)

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