現時点で最も早くシステム開発できるツールセットの紹介 [2023年7月]
はじめに
弊社はシステム開発会社です。システムの受託開発は何か商品があるわけではないため、誰の目からも分かりやすい差別化を作ることに苦労します。
弊社は競合差別化として、世界の最新ツールをできる限り調査して、それらツールを組み合わせて日本のレガシーなシステム開発会社よりも品質・納期・コストを上回ることを掲げています。
そのため、多くのツールを調査して実際にプロジェクトで使えるかどうかを検証しています。2023年7月現在で弊社がお勧めするツールセットについてこの記事で紹介します。
前提として開発対象は、Webサイト・Webアプリケーション・スマホアプリケーションです。
ツールセット
デザインツール:Figma
設計ツール:Figjam
デザインからコーディング:Locofy
DB/APIなどのバックエンド:Xano
APIのインテグレーション:コーディング
サーバー:Vercel or Netlify
上記ツールセットで、特にお勧めしたいのはLocofyとXanoです。LocofyはFigmaからコードを出力できるツールです。対象はWebとモバイルを選ぶことができます。これによって、デザインからコードに起こす作業のほぼ全てを省略できます。またWebの場合はレスポンシブも対応します。
Locofyについては以下の動画がわかりやすいです。
次にバックエンドのXanoです。
Xanoはノーコードバックエンドがコンセプトであり、DBやAPIを作成することができます。また、作成したDB・APIから自動的にSwaggerのドキュメントも生成されます。
CRUDのAPIはDBを定義するだけで作成され、テーブルのカラムを変えるとそれに合わせてAPIとSwaggerドキュメントが更新されます。
LocofyとXanoを組み合わせることで従来であれば、フロントエンドとバックエンドで分けていましたが、フロントエンドで少しバックエンドも分かるエンジニアを採用すれば、全域を対応できるようになります。
Locofyを使うことで、エンジニアはコーディング作業がほぼ無くなり、APIとのIntegration作業がメインとなります。
また、API Integrationを無くせば静的なWebサイトだけを作成することもできます。静的なWebサイトであってもFigma → Locofyで作成できます。
まだノーコードはプロダクションには早い。
早く開発をすることについて、ノーコードもあらかた調査して実際に検証してみました。現時点の結論としてプロダクションにはまだ早いと感じます。要因としては以下です。
コーディング開発よりも、パフォーマンスが悪いケースが多い。
仕様変更の際に、ノーコードでは実現ができない拡張性のリスクが少し付きまとう。
デザインの制約が付きまとうケースが多い。
私としては、上記を納得して使ってもらえば良いと考えていた。
しかし、LocofyやXanoが十分使えるレベルであることが分かった。
そのため、開発速度と上記3つの問題の解決を両立できる。
終わりに
システム開発はグローバルな競争になっている。そのため、開発効率化ツールは使いやすければどの国で生まれてもすぐに世界中に広がる。新しいサービスが出るサイクルもどんどん早くなってきており、毎週・毎月の新サービスの確認や、実際のPJで使えるかの検証は必須である。
今回紹介したツールを使いこなせば、以下のような開発手法を取っている開発会社には理屈上は多くのケースで勝てるはずである。(もちろんケースによっては勝てないケースもある。)
デザインからコーディングを行っている
APIをプログラムで開発している
サーバーをインフラエンジニアに依頼して、EC2で構築する。→見積もりを誤り、アクセス増加でサーバーが停止する
もちろん全てのプロジェクトをXanoやLocofyで行えば良いとは思っていない。しかし、まずこれらツールを使ってみてどうもこのPJに合わないと感じたら別の方法を探す、もしくは従来の方法に戻すことをお勧めする。
一番やってはいけないことは、前回と同じ開発手法でこのプロジェクトも行うことである。
なぜなら、数ヶ月前・1年前とはツール・サービスの環境が全く変わっているからだ。そして、数ヶ月後・1年後も今と同じ開発手法では競合に勝負にならないぐらいの見積もりで市場から徐々に撤退する圧力をかけられることになるだろう。