ここが変だよ!?日本の学校(③部活編PART3)
現職の学校の先生と元教師で、現在の学校教育についてディスカッションしながら、新たな教育の可能性を提案していきます。
このプロジェクトを、悩んでいる学校の先生と、将来教員になりたい学生に捧げます。
企画への思い・詳細はこちらをご覧ください。
<メンバー紹介>
*Mさん
中高一貫の私立学校で働かれています。
民間企業や起業も経験されている経験豊富な先生です。
*テキトー教師さん
https://twitter.com/tekitoo_T_cher
若くして、ある都道府県の中学校で「教務主任」を務められている優秀な先生です。
*ながめ
https://twitter.com/mgnjapan
元高校教師で、現在は予備校講師以外にも、速読教室やアイドル活動、大喜利イベント、などたくさんのプロジェクトを運営しています。
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「ここが変だよ?!日本の学校」部活編3
テ:あと、部活動の指導としてよくわからないなって思う文化で思い出したんですけど、遅刻とかケンカとか「生徒指導のトラブル」があったり、「提出物出せない」とかミスがあったりしたら部活動の顧問がめちゃくそ怒るみたいなのありますよね。
M:あ〜あるある。指導上問題がある生徒で重めの学校から重めの処分受けたときも、学校から処分を受けて反省してるのに、顧問が気持ちよくなりたいがために「お前は試合に出さん!」みたいな感じで、わざと干したりするケースも良くありますよね。
な:あと部活動のメンバーが一人でも何か指導に引っかかったりしたら、全員を連帯責任とらせたりとかもよくありますよね。なんでそんなに厳しくしなダメなんだろうってずっと思ってた。まじで軍隊やん!
一同:爆笑
な:僕も部活の顧問している時は、部活が盛んな学校で週6~7でやるのが当たり前でした。厳しくするのも当たり前。ルールも知らないから、メイン顧問の先生の補佐みたいな感じでずっと見てるだけ。そんな感じだけど、厳しい雰囲気はださないといけないから、体育館においてある机とか椅子とかバチバチに蹴りちらかして怒鳴ってましたよ(笑)
テ:意外!今はすごい穏やかそうな感じやのにね!そんな時期もあったんやね。
な:そういうの苦手だったんですが、先輩の先生たちから「怒ったり怒鳴ったりするのができないなら演じろ!」って言われてやってました。
テ:まじかあ!
な:あと休日練習も朝9時から21時とか22時くらいまでやらされてたしね。ほんとに早く帰りたかった。
M:長時間やる美徳があるよね。
な:なんで体育館で座ってるだけのために、休日を潰さないといけないんだろうと思ってました。長時間やっても疲れるだけだし、効率もわるいと素人ながらに思ってましたね。プロは効率よく短時間でやっているんだからそういうところは見習ったらいいのにと思ってました。
M:練習効率とか効果の話でいくと、地味で基礎的な練習とか筋トレとかだけを何回も何回も繰り返しさせたり、とにかく長時間走らせるみたいな練習が好きな先生っているじゃないですか。昔サッカー部の顧問をしているときに僕はそういうのがちょっと違うなあと思っていたので、外部講師の人に頼んで「ボールを蹴りながら動きの中でトレーニングをさせる」っていうメニューをやってたことがあります。ボールを蹴らせながらやるのでテクニックも上がるし、その中で体も鍛えられるのでとても効率的で、効果的にトレーンングできました。生徒からの評判もよかったですね。
テ:まったくその通りで。効果的に部活動はやっていくべきだと思うんでね。遊び感覚で楽しくできるように競技をしながら筋トレとかいいと思うんですよね。そうすることで時間短縮にもなるし、空いた時間に別のこともできるし、やっぱりその分結果がでやすいから生徒もモチベーションが上がるし。
な:しっかり考えてるんだね〜!そんな週2回のオフと、楽しくて効率的なトレーニングの結果、テキトー教師さんは部活で結果出しているんですよね。
テ:そうなんですよ〜!県大会を勝ち抜いたので、今度地区大会に出ます!全国大会もいきたいなあ!
な:すごいよね!!
テ:うちの部活が学校で一番休みとっているけど、学校の中で1番残してるかな〜。うちの学校のサッカー部の先生もすごくて、うちの部活と同じくらい結果出してるけど、サッカー部も休みが多いなあ。しかもサッカー部はさっきMさんが言っていたみたいに競技の中でトレーニングするスタイルも導入しているし、生徒のモチベーション管理も上手やねぇ。
な:すげー!!
テ:サッカー部の様子を聞いて、さらに自分でもテニス部で結果を出して思うのが、どれだけ練習量やらせるかよりも、結局生徒のモチベーションをどう管理するかが大事なような気がしますね!
な:例えば、モチベーション管理のために、テキトー教師さんとかサッカー部の先生はそういうことを大事にして部活動の指導をしているの?
テ:まず、楽しめることが大前提かな。トレーニングの仕方もそうだけど、勝たせるための必要なことだけ教えて、それ実践させて小さな成功体験をたくさん積ませることかな。そうやって少しずつ勝てるようになるとやる気が出てくるよね。勝てるようになってきたら、生徒たちが勝手にテニスの戦術やテクニックのYouTubeなどを見て調べ出すんよね。そこまでいったら勝手に伸びるかな。今の学校ではそれが仕組み化できてて、先輩が後輩に教えてともに成長させている感じかな。
な:自立学習的して教え合いが文化みたいになっているのか。すごいことだね!
テ:だから、もう生徒たちは県大会は出て当たり前みたいになってるし、それだけ自信が付いてるし、やる気にもなってるんよ。
な:テキトー教師さんは自分がずっとやってきたテニスの顧問として、上手にやってきたみたいですね。逆にMさんは自分の専門外の部活動の顧問をずっとされてたということですが、指導するときに苦労したこととか工夫したこととかありますか?
M:苦労したことといえば、ルールとか戦術とかは全くわからないんで、はじめのうちはめちゃくちゃ調べましたけどね。戦術とかも他のスポーツを参考にしながら自分なりに考えて生徒に伝えていました。
な:めっちゃ勉強されたんですね!すごいなあ!
M:その競技しかしていないと、思考が固まっててアイディアが湧かないとこを素人だからこそ、できる発想でポンポンアイデア出して、ユニークな攻め方をしたりしていましたね。
な:なんかテキトー教師さんとMさんは指導のために勉強されていてすごいなと思いました。僕、バレーもラグビーも興味ないし、部活自体が嫌すぎてルールや戦術について1ミリも覚えてないんですよ!
一同:爆笑
な:でも顧問はしないといけないし。生徒と関わるのは好きだけど、成功体験とか良い思い出は作ってあげたいなとは思ったけど、部活動においてはやり方がわからないし、そんな感じだからモチベーションもわかないし、どうやって部活動の指導者としてのモチベーションをコントロールしたら良いんだろって思ってずっと悩んでましたね。正直、僕は部活動が嫌で教員やめたっていうのは大きい理由の1つとしてあるんですよね〜。
M:それはわかりますね。
な:部活の指導って好きな人ならいいけど、休みもとられるし、手当てがたくさん出るわけでもない。でも保護者からの期待も強かったりして責任も重くて大変。まあ生徒は好きだから頑張ってたけど、とにかくしんどい記憶しかないんですよね。僕みたいに部活で悩んでる先生っていっぱいいると思うんですけど、そんな人たちはどうしていったらいいのかなぁ?
テ:現在の部活動の仕組みで部活を指導したくない先生が部活の指導を好きになるとか指導したい気持ちになるのは正直無理ちゃうかな〜と思う。やりたくない人がやらなくても良い仕組みを作った方が良いんじゃないかな。教員OBで部活動の指導をやりたい人とか一定数いると思うんよね。そういう人に任せるのがいいと思うなあ。そうなれば、ながめさんみたいに部活動をやりたくない先生への「働き方改革」にもつながると思う。