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ここが変だよ!?日本の学校(②授業編PART4)

現職の学校の先生と元教師で、現在の学校教育についてディスカッションしながら、新たな教育の可能性を提案していきます。

このプロジェクトを、悩んでいる学校の先生と、将来教員になりたい学生に捧げます。

企画への思い・詳細はこちらをご覧ください。


<メンバー紹介>
*Mさん
中高一貫の私立学校で働かれています。
民間企業や起業も経験されている経験豊富な先生です。

*テキトー教師さん
https://twitter.com/tekitoo_T_cher
若くして、ある都道府県の中学校で「教務主任」を務められている優秀な先生です。

*ながめ
https://twitter.com/mgnjapan
元高校教師で、現在は予備校講師以外にも、速読教室やアイドル活動、大喜利イベント、などたくさんのプロジェクトを運営しています。

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「ここが変だよ?!日本の学校」授業編4

な:さてさて話変わりますが、ここまで大きい枠組みでルール的なものや仕組み的な部分で「授業」について話してきましたが、もうちょい具体的に1教師レベルで見た時の「授業」について考えていきましょうか。まず聞きたいんですが、皆さんは日々の授業準備ってどれくらいやってますか?

テ:今年は教務主任になって、学校全体のことをやらないといけないから授業は1クラスしか教えてないんだけど、授業をガッツリやってた時は、授業を1時間やる時には30分から1時間程度準備していましたね。パワポとワークシート作ってましたね。

な:お〜ちゃんとしてるねぇ!

テ:1回授業した感触で次の授業を考えていたから、その日暮らしやけど生徒の反応や理解度によって内容を微調整してましたね。評判も良かったですよ。ただ一見いいように見えるけど、このスタイルだと常に締め切りに追われているような感覚になるから大変な部分もあったけどね。

な:とは言っても1回の授業につき30分〜1時間準備しているのはさすがやね。全く授業準備せずに教科書を読み上げているような人も多いから。

テ:ありがとうございます(笑)授業は楽しいからね。自分の肌感覚だと授業をちゃんと準備して、研究しながらやってる人は5%くらいかな。たまたま自分の周りには、いまだにずっと変えながらやってる熱心な先生が他の学校より多いからありがたい環境にいると思ってる。

な:5%かあ。50人先生がいたら2〜3人。100人いたら5人かあ。ちょっと寂しいなぁ。

テ:生徒から「面白くない授業」「わからない授業」と言われている先生はもちろん準備もしてないし、何十年も同じ授業をされてますね。確かに字はきれいなんですが・・・そんなに説明もせずに黒板にびっしり板書を書いて、生徒はそれをひたすら写すという「授業」なのか「作業」なのか、何がしたいのかわからない人も多いなあ。

な:テキトー教師さん的に「頑張る先生」「やる気がある先生」っていうのは年齢と関係あると思う?

テ:年は関係ないかもしれないね。50代のベテランの先生の中にも熱心にいろんなことを学び吸収しながら、ずっと「いい授業」をすることを考えている人もいる。そういう人はなんとなくだけど見た目も若々しい気がする。逆に若い先生でも「効率化」を重視しすぎて「いい授業」より「早く帰る」ことが目的になってしまっている人がいるなあ。そういう人の授業って、子どものための授業に果たしてなってるのかなと疑問に思うよね。

な:ちょっとわかるかも。Mさんどうですか?

M:僕は私立学校にしか勤務したことないんですが、以前赴任した県内トップクラスのバリバリの進学校の時の話をしようかな。そこの学校で授業準備のために「指導書」を見ていたんですね。



な:指導書って、教科書会社が出している授業の方針や単元のポイント、授業の進め方などが書いてある冊子のことですね。


M:そしたら先輩の先生に「指導書なんて見るなあほか!」と怒られましたね。「指導書に頼らずに、自分で国語の文章に向き合い、論文で研究したりして、授業を磨いていくべき」だと。テストを作成するときも「業者の問題を使うな!選択肢から自分で考えろ!」と言われました。そこからは指導書を全くみることはなかったですね。その時の教えが生きていて、今でもとにかく自分で色々調べたり、考えたりして、全体の構成をまとめながら授業を考える感じですね。

な:さすがトップクラスの進学校ですね。その時は1つ授業するにあたって、何時間くらい教材研究やってました?

M:その学校は本当にハイレベルな学校で、一番難しい教科書を使ってたんですよ。だから1時間の授業するのに何時間もかかってましたね!!

な:ハイレベルの子を満足させるのって大変ですよね!でもやっぱり時間かけた分、生徒の反応はよいんですか?

M:時間かけて、生徒にない視点とか与えられた時の反応はよかったですよ。ただね、基本的に自分よりも賢い子が多いから、逆に僕が彼らのぶっ飛んだ視点とかに驚かされることも多くて。頭が追いつかない時もあってそういう意味での指導の難しさはありましたね。

な:僕も東大・京大めざすクラスの生徒に教える時は生徒が賢すぎて「自分いる?」と思ったことあります・・・

一同:爆笑

な:本当にできる生徒には、内職していても何も言えなかったですもん。むしろ「ぜひ内職して!簡単なことばっかりやらせてごめん!」とすら思ってました。その時のMさんの学校は、バリバリ進学校だからすごい先生も多いような気がするんですが、実際どうなんですか?

M:実は公立学校から流れてきた先生も多くて、割とゆるい感じの先生も多かったんですよ。「コイツ!楽したいだけだな!」みたいに感じる先生もいたし。ただ、すごい先生は本当にすごかったです。

な:「すごいな」って思う先生と「大丈夫か?」っていう先生の比率はどれくらいなんですか?

M:ん~。まあでも普通の学校よりちょっといいかなってくらいですよ。半分は普通の先生で、2割くらいはやばいなっていう感じです。でも3割はすごい先生がいましたね。

な:3割も「すごい先生」がいるってものすごいことですよ。なかなかそんな学校少ないと思いますから、さすが有名進学校って思っちゃいました!

M:まさに下克上って感じ。「若くても俺はすごいって思うやつは飛び抜けろ!」っていう雰囲気が漂っていました。

な:へ〜。すごいなあ。今の学校はどうなんですか?

M:今の学校は中堅の進学校なので、そこよりは学力ランクは落ちちゃいますかね。学校の先生のレベル的には普通が8割・すごい人1割・やばいやつ1割って感じですかね。

な:それでも、普通の人が8割もいるって全体のレベルが高いですよね!それはだいぶ恵まれてる!

M:まあ、そうですね!

な:テキトー先生はどんな感じ?!

テ:8割普通ってめっちゃすごいなあ。今の学校は結構いい人多いけど、半分くらいヤバイ人の集まってる学校も実際あるからなあ(苦笑)

M:まあ仮にいい先生とヤバイ先生の全体的な「割合」は私学と一緒でも、公立学校はそもそも母集団の人数が多いから、ヤバイ先生の「人数」は必然的に増えちゃうもんね。シャッフルの仕方が偏ってしまうとそういう学校ができちゃうのかもね。

な:なるほどなあ〜組織が大きいと大変だな。ちなみに皆さんの言う「やばい先生」って具体的にどれくらいやばいの?笑

テ:ちょっと、特定されたりしたらまずいから、文字起こしはせんといて欲しいねんけど・・・(やばい教師エピソードを語る)

一同:・・・

な:これは、載せれんわ。ちょっとびっくりした(笑)

M:やばい教師エピソードってTwitterでもよくみますよね。新人の教師や非常勤の教師に対して、ベテランの教師が昔のブラック企業かよっていうくらいのノリで、パワハラしまくって辞めさせちゃうとかね。

な:あ〜みたことあるかも。確かに非常勤講師って僕も経験あるけど、結構職員室にいづらいというか、雑に扱われるというか。非常勤の自分とは目も合わしてくれない先生もいたし。なんかもっとね、寛容になってもらって、みんなで生徒をみていくチームなんだぞって感じが欲しいなとは思いましたね。他にやばいエピソードある人いますか?

テ:やばいエピソード載せれないが多すぎてどうしようかな(笑)う〜んライトなやつで行くと例えば、ずっと座りっぱなしで何にもしないやつとかはいるなあ。

な:え?どういうこと?

テ:例えば、授業始まった瞬間に「お前ら、教科書の何ページから何ページまでを読め!」っていう一言を発して、本日の授業終了!みたいな人がガチでいるのよ・・・

な:やばっw

M:あ〜自分も過去、同僚で似たような人はいたなあ。その人は黒板は書くけど、一生座りっぱなしで授業してる感じ。生徒からは「お経」って言われてました(笑)

な:そう考えると「立って授業ができる」ってすごいことなのかもしれないねw


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