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ここが変だよ!?日本の学校(Part1校則について③)

現職の学校の先生と元教師で、現在の学校教育についてディスカッションしながら、新たな教育の可能性を提案していきます。

このプロジェクトを、悩んでいる学校の先生と、将来教員になりたい学生に捧げます。

企画への思い・詳細はこちらをご覧ください。

<メンバー紹介>
*Mさん
中高一貫の私立学校で働かれています。
民間企業や起業も経験されている経験豊富な先生です。

*テキトー教師さん
https://twitter.com/tekitoo_T_cher
若くして、ある都道府県の中学校で「教務主任」を務められている優秀な先生です。

*ながめ
https://twitter.com/mgnjapan
元高校教師で、現在は予備校講師以外にも、速読教室やアイドル活動、大喜利イベント、などたくさんのプロジェクトを運営しています。

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「ここが変だよ?!日本の学校」校則編③

M:謎な校則と言えば、割とあるあるだけど「ツーブロック禁止」はありますよね。

な:一時期Twitterで話題になってましたね。国会議員の方が東京都教育委員会の教育長に「なぜツーブロックが校則で禁止されている学校が一定数あるのか?」と尋ねたところ教育長は「外見等が原因で事件や事故に遭うケースなどがあるため」と答えてネットニュースにもなりましたよね。

https://news.yahoo.co.jp/articles/a47f545a073c3e40b0b852f123b04dd90efa6c6c

な:髪の毛で思い出したんですけど、一時期話題になった「地毛証明」も提出の必要あるのかなと思いますし、そもそも論でいくとなぜ髪の毛を染めちゃいけないのかがいまだにわからないんですよね。でも地毛が茶色い子は黒染めしてこいみたいな話もいまだに聞くし。ツーブロックもしかりで、髪型くらい自由にしていいと思うんですが。

テ:なるほどね。

な:僕個人の考えだと、別に染めたかったら染めたらいいと思うんです。教師やってる時に先輩の先生に聞いたら「髪の毛染めたりして、そっちに気持ちがいってるやつは勉強に集中できてない証拠だ」とかいうわけですよ。髪の毛染めてたら学業に影響が出るっていうんですよ。

テ:あー。あるあるやね。

な:ただ、そんな先生たちに反例として示したい。例えばうちの予備校で髪の毛染めてる・染めてない関係なく難関である獣医学部に合格して行きますしね。ビリギャルだって髪の毛染めてたのに慶應大学に行ってるし。学業って髪の毛の色で決まるわけないと思うわけですよ。見た目で人を判断してはいけませんって教えてるはずの学校が、一番人を見た目で判断してると思うんですよ!

M:見た目的なことを指導するのってやっぱり、さっきも話題になった「社会に出た時」のことを考慮してのことだと思うんですけどね。でも見た目が普通で、全然集中してないやつもいますからね!

な:そうですよね。だから髪の毛が黒いイコール勉強に集中しているとは全く言い切れないですし、逆も然りだと思うんだけどなあ。

テ:そう言えば、自分が2年前に中3の担任してた時めちゃめちゃスカート短くて、ギャルっぽい女子生徒がいたんですよ。お母さんもギャルっぽくてね。でもその子めちゃめちゃ成績いいんですよ。性格も良くて、みんなに慕われて、授業中もちゃんと聞いてるしね。

な:おお。なんか漫画みたい。

テ:その子の保護者から三者面談の時に「何でスカート短くしたらダメなんですか?人それぞれでいいと思うんですけどねえ」って言われたんです。さらに続けてそのお母さんがいうには「私が納得いかないのはスカートは長いけど授業中に話を全く聞いていない子は怒られないのに、スカートは短いけど、ちゃんと授業中先生の話をちゃんと聞いているうちの子が怒られることです。だからうちの子はスカートを短くします」と言ってきて、何も言えなかったんです。

な:まあ、お母さんの言ってることわかるよ。

テ:後日談で、自分としては、その子の人間性をみて、生徒会長になってみないかと打診をしてみたけど「スカート短いまま生徒会長できるならやります!」と言われてしまって。自分はやって欲しかったし、本人もまんざらでもなかったけど、結局周りの先生の猛反対にあって他の子が生徒会長やることになったんですよ。そんな感じで保護者の人も「もっと見た目より、中身をみた指導をしてほしい」と訴えてくる保護者は多いし、それに反して学校は見た目を重視してるよね。

な:僕が教師やってる時に思ってた謎な校則は、休日の部活動にくる時に部活のジャージで学校に来たらダメで、必ず制服で来て着替えて、部活して、最後は制服に着替えて帰らなきゃいけないってやつですね。

テ:ええっ!!まじで。

M:うちもそうですよ。「制服があるんだから」みたいな感じで、絶対着させてる。

テ:部活ごとのジャージって、学校名入ってるでしょ?だからうちの学校はそれでOKってことになってる。それじゃあかんのですか?

M:うちは絶対ダメ。ながめさんのところもダメだったんだよね?

な:はい。本当にあれは何だったんだろう。だから遠征に行く時も、遠征の時なんてただでさえ荷物いっぱいあるのに、わざわざ制服で来て、部活のジャージは別で持ってきて、制服はどこかにおいといて、試合して、制服に着替えて帰るみたいな感じでしたよ。本当に生徒がかわいそうでした。

テ:そういうのって「地域の目」があるからちゃんとしてみたいな風潮から来てるのかなあ。

M:あ〜!そうそう!

テ:地域の人の価値観として、学校に文句言ってくる人って、だいたいその土地に昔から住んでて、古い考えの人も多いからね〜。そういう人たちって世代的に今よりもっと校則ガチガチの時代の人だから言いたくなるんだろうね。また、そういう世代の人がだいたい地域のご意見番になってたりするから、その人たちの顔色を伺って、何も言えない管理職。みたいな構図にはなってるかなあ〜。

M:でもそういう時って言ってくる人限られてきません?「みんな言ってる」とかいうけど、文句言ってくるの同じ人ばっかりだし。笑

テ:こないだは「なんで生徒にマスクさせないんだ!」って文句を言いにきた人がいたなあ。いやでもね。この炎天下の中だと熱中症の方が怖いから文部科学省が直々に「マスクはしなくてもいい」という通達を出してきてるんですけどね。

な:そうだね。

テ:あ!校則があることのメリットはもう一個あったわ!地域の人に管理職が対応しやすい。

M:ああ!確かにそうですね!

な:えっ?!どの辺が?

テ:えっと、地域の人に説明する時に、校則として明文化してあると説明しやすい。

M:「学校としてはこんな形で指導してるんで〜」と言えますしね!

テ:だから、力のない管理職がきた時ほど「校則をちゃんと文章にして残しといてくれ」って言われますね。笑

M:ははは!めちゃおもろいな。

テ:校則にも「グレーゾーン」ってあるじゃないですか。解釈の仕方は家庭にもよるし。先生にもよるし。立ち回りが上手な管理職はそういう「グレーゾーン」をうまく使ってやってるんですけどね。でも力のない管理職は、明文化して「グレーゾーン」の範囲をどんどん狭めていく。結果、地域への説明責任や教員の指導内容の均一化というところはうまく行くけど、そうなってくると校則がガチガチで生徒が息苦しそうですね。今のうちの学校はそんな感じですね。

M:あ〜1番あかんやつや〜!笑

な:そうなってくると校則って「何のため」ってなってくるよね〜!

テ:うん。やっぱり生徒のためのルールというよりは、学校のため、管理のためっていう風になってる気がするなあ。

な:校則を守ることで、生徒自体が守られたり、よかったと思えるルールだったらいいと思ってて、例えば僕は「スカートを短くしたらダメ」って校則については一理あると思ってます。



M:それは僕も思いますね!

な:確かに年頃の女の子だから、おしゃれしたい気持ちもわかるんだけど、露出が多い格好をすることで、変な気を起こす人が一定数いて、生徒がイヤな思いをするリスクもあるよねってことは伝えたいとは思ってましたね。


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