ここが変だよ!?日本の学校(③部活編PART4)
現職の学校の先生と元教師で、現在の学校教育についてディスカッションしながら、新たな教育の可能性を提案していきます。
このプロジェクトを、悩んでいる学校の先生と、将来教員になりたい学生に捧げます。
企画への思い・詳細はこちらをご覧ください。
<メンバー紹介>
*Mさん
中高一貫の私立学校で働かれています。
民間企業や起業も経験されている経験豊富な先生です。
*テキトー教師さん
https://twitter.com/tekitoo_T_cher
若くして、ある都道府県の中学校で「教務主任」を務められている優秀な先生です。
*ながめ
https://twitter.com/mgnjapan
元高校教師で、現在は予備校講師以外にも、速読教室やアイドル活動、大喜利イベント、などたくさんのプロジェクトを運営しています。
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「ここが変だよ?!日本の学校」部活編4
な:部活動の外部指導員の導入ってずっと議論されてるのに、全然浸透しないのはどこがボトルネックなのかな。
M:僕が思うのは、部活の指導って熱心な人は、自分の出番が減ってしまうのが嫌で、自分で囲いたかったりすると思うんですよね。あとは学校の管理職の方針で地域の人に頼みたくないみたいなケースもありますね。部活動で怪我とか事故とかあったときに外部スタッフしかいなかったら、対応しにくいとかそういう理由だと思うんですけどね。
な:なるほどなあ〜。
テ:いっそのこと部活動の問題をなくすためには「中体連」をなくしてしまうのがいいと思います。つまり「全国大会」をなくしてしまえばいいと思うんですよ。そうすると競争の原理が働かないので学校を上げて強くする必要がなくなるんですよ。学校の部活動は楽しむことに重きをおいて、どうしても競技としてスポーツを一生懸命やりたい子は、民間の連盟主催の大会にどんどん出るようにするといいと思うんですよね。
M:対外試合に出るときに学校を通して出場しないといけないっていうルールはなくしたほうが良いと僕も思いますね。テニスとか個人の大会は学校名とかなくして、個人で出るようにしたほうが良いと思うんですよね。引率とかも教員の負担になるし。
な:うちの予備校にインターナショナルスクールに通っていた子がいるんですけど、部活動はなくて、シーズンごとにやりたい競技をやりたいときにやる学校なんですよ。どっちかというレクリエーションとして楽しむことが目的だそうです。そういう形式にしたら良いのにね。
M:本当にそう思う。もう「お前らやる気あんのか!やる気ないんやったら帰れ!」とか言いたくないし、生徒も言われたくないとおもうんですよ。学校の部活は楽しむメインでやっていこう。
テ:「帰れ!」って言われて、生徒は帰っても怒られるし、帰らなくても怒られるし一番理不尽でかわいそうな状況になる怒られ方よね(笑)
な:じゃあテキトー教師さんは部活動の指導するときって怒ったりどなったりしないの?
テ:最初の頃は周りの先生を見て「怒らなあかんのかな?」と思って怒ってたよ。でもそんな感じで怒鳴り散らす指導をしていたら、試合に出ている生徒が僕の方をチラチラ見て、常に僕の機嫌を伺いながら試合をしていたんです。子どもたちは相手と勝負しているんじゃなくて、顧問の僕と勝負している状況が出来ちゃって。
な:わあ〜よくある光景だね・・
テ:これは絶対にまずいと思って、最近は怒ったり、どなったりする指導は一切やめて「どうする?」「どういう練習したい?」「どこまで目指したい?」っていうのを生徒に問いかけながらやっているかな。
な:めっちゃいい先生やん!
テ:さっき話したサッカー部の先生も同じように怒ったりどなったりしないで、問いかけるような指導をして結果を出しているしね。よその中学校でも最近結果を出している学校は同じように問いかけるタイプの指導をしているし、結果が出てない学校は昔ながらの怒鳴り散らす指導をしている学校が多いかな。
M:怒ったところで、成長スピードは早くなりませんからね〜。
な:うん。間違いない!勉強も同じですよね。特に最近の生徒は厳しく叱るよりも「何か困ってることある?」とか聞いてあげたほうが良いですよね。そういう指導法とかを勉強する場ってないんですかね?
テ:部活動の指導者の交流の場って確かにないですね。
な:自分が教師してるときは、同じ部活動の顧問同士で交流会という名の飲み会はありましたけど、指導方法とかを勉強する会とかはなかったですね。そういうのを大々的にやるよ!ってなったら皆んな来るんですかね。
テ:最近は「部活のオフを多くしてるけど結果出ました」とかいう話だったら皆んな食いつくかも。「週3休みで全国大会に出場した秘密」とかね。
M:たまに「スーパー進学校の野球部で、勉強でめちゃくちゃ忙しいのに限られた時間の中で甲子園出ました」とかはあるよね。それに近い感じの話だね〜。
な:テキトー教師さんの力で全国の部活動をなんとかしてほしいなあ!もっとそういう部活が増えるにはどうしたらいいんだろう〜。
テ:さっきからちょこちょこ出てくる「サッカー部の先生」がちょうど今職員室で向かいの席に座ってるんですよ。だからことあるごとに部活の話になりますね。違う競技だけど、指導の仕方とか生徒のモチベーションの上げ方とか情報交換できているのはとても大きいですね。
な:その「サッカー部の先生」の部活へのモチベーションはどこからでてきてるんだろう?
テ:サッカーが好きで、サッカー部の顧問がしたいから先生になったみたいよ。
な:好きでやれてるなら、とてもいいことだね!
テ:本当にすごいと思う。サッカーって11人でするスポーツなのに部員少なくて12~13人で県大会とかいっちゃうからね!
な:すごいな〜!こういう話聞くとちょっとホッとするわ。部活もイノベーションしていかないといけないね。