ここが変だよ!?日本の学校(Part1校則について④)
現職の学校の先生と元教師で、現在の学校教育についてディスカッションしながら、新たな教育の可能性を提案していきます。
このプロジェクトを、悩んでいる学校の先生と、将来教員になりたい学生に捧げます。
企画への思い・詳細はこちらをご覧ください。
<メンバー紹介>
*Mさん
中高一貫の私立学校で働かれています。
民間企業や起業も経験されている経験豊富な先生です。
*テキトー教師さん
https://twitter.com/tekitoo_T_cher
若くして、ある都道府県の中学校で「教務主任」を務められている優秀な先生です。
*ながめ
https://twitter.com/mgnjapan
元高校教師で、現在は予備校講師以外にも、速読教室やアイドル活動、大喜利イベント、などたくさんのプロジェクトを運営しています。
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「ここが変だよ?!日本の学校」校則編④
M:あ!もう一個謎ルール思い出したの言っていいですか!
な:もちろん!
M:うちの学校ね。8:30のチャイムの時点で教室にいなかったら遅刻扱いになるんですよ。
な:え。じゃあ明らかに学校に来てて、カバンも机に置いてあるのにアウトってことですよね。
M:そうそう。めっちゃおもろいでしょ!
な:それはかなり厳しいですね。別に会社に入っても、出勤してから必ずしも自分のデスクのところにいるとは限らないじゃないですか。他のところに行くことだってあるでしょ。冒頭で出た「社会に出るためのシミュレーション」って観点で考えると微妙ですね。
テ:これは完全に担任の先生のためのルールですよね。管理は間違いなくしやすいので。
M:僕が前に勤めてた学校はいわゆる「底辺」と呼ばれる荒れた学校だったんですけどね。そんな中でクソどうでもいいことなんですが、「チャイムが鳴った瞬間出席を取るのか」「チャイムが鳴り終わってから出席を取るのか」みたいなことで教師同士で言い合いになるんですよ。
テ:わあ〜!うちもそんなことあるわ〜!
M:確かに荒れた学校なので、遅刻するかしないかによって進級に関わる子も多かったんですよ。それにしてもそんなしょうもないことを真剣な顔で、職員会議で長時間一生懸命議論してるんですよ。僕は時間の無駄なのでずっと寝てたけど。
テ:それと似てるのですが、給食を食べ終わった時に「全員が食べ終わってみんなで”ごちそうさま”の挨拶をしてから食器を片付ける」のか。それとも「食べ終わった人から食器を片付けて最後に挨拶をする」のか。それを決めるための職員会議とかありましたね〜!
一同:爆笑
な:どっちでもええやん!ていうかそれ社会に出てから、旅行とか行った時にそこまで考える?!
M:ほんまにおもろいなあ!
テ:そんなくだらないことをみんな真剣に議論してるので、いつも遠くから見てました。
M:あの時間本当に無駄ですよね!
テ:こんな感じの「どうでもいいルール」がなくなればなくなるほど、いらん話し合いが減るから教師の「働き方改革」にはめちゃくちゃ効果あると思う!
一同:爆笑
な:確かに、無駄な生徒指導にさいてた時間が浮いてくるもんね。
テ:そうそう!スカートも茶髪もチェックせんでいいしね!生徒との無駄な言い合いもしなくていいしね!
M:その観点面白いよね!子どもの自由が増えれば増えるほど、働き方改革になるっていうね!
な:おもろいなあ〜。あ!さかのぼると自分が小学生の時に鉛筆を絶対使わないといけなくて、シャープペンを使ってたら没収。何ならシャープペン持ってるだけで没収で、今振り返ると「大麻かよ!?」ってツッコミ入れたくなりますね。
M:あった!あった!
な:鉛筆の単純所持NGとか大麻と一緒ですよ!ほんとに。そんな感じなのでクラスの女子が木でできてるシャープペンを買ってきて、ノックするボタンのところにキャップをつけてバレないようにコソコソ使ってるわけですよ。
テ:自分が小学生の時も女子がやってたわ〜!
な:で、時は流れて何年か前に小学生が通う個別指導塾で働いてる時にびっくりしたことがあったんですよ。なんか塾の先生である僕たちに対しても、シャープペン使ったら怒られると思ってたみたいで、同じようにキャップつけてこそこそ怯えながら問題を解いてる子がいたんですよ!まだその文化、根強く残ってたんやと、もはや感動すら覚えました。笑
テ:Bか2Bしかダメとかの謎ルールもあったよね!
一同:あったわ〜!
な:そこで納得いかないのが、シャープペンって中学行った瞬間OKなるでしょ!?
M:確かにその境目何なんや!ってなるよね〜
な:小学校卒業した瞬間に何か急激に体の発育が変わってシャープペンが使いやすい手の構造になったりするんでしょうかね?!
M:僕も当時シャーペン使えるようになって、大人の階段登ったような気持ちになりましたわ!
な:あとね。僕はスマホは禁止にする必要ないと思うんですよ〜!
M:むしろ、使わせてほしい!
な:そうですよね!確かに金銭的事情などでスマホ持ってない生徒がいたら具合わるいところもあるかもしれないけど、そもそも今の生徒はみんなスマホ持ってますよね。あとはスマホ持ち込み反対派の意見としては「授業に集中できない」ってのがあると思うんです。でもね、スマホに負けるような授業する方もわるいと思うんですよね。
テ:むしろ、スマホを活用して行く視点もあっていいと思うんだけどね!
な:そうですね。自分が働いている予備校は、スマホをめちゃ活用してます。生徒とLINEの交換もして、授業ごとにグループを作って、問題の解答とかをデータで一斉に送れるようにしてます。印刷の手間とコストがカットできるし、エコにもいいんですよね。
テ:すごいな。
な:あとは授業中理解が追いついてない生徒に、Youtubeに上がってる動画のリンクを送って、その場で見てもらう個別対応も効果的で、もううちの予備校はスマホなかったら運営できないですよ。
M:僕、国語の教員ですけど、授業中にスマホもタブレットも使ったらいけないことになってるので、調べ物を宿題に出す時があるんですよ。でもね、宿題にするってことは、いったん間が開くってことじゃないですか。今、調べたらいいものを後回しにする意味ある?!って思っちゃうんですよね。
な:わかるわ〜
M:スマホ持ってきてもいいけど、授業中出したらいけないルールになってるから、調べれるのに調べられないというお預け状態になってて特にモヤっとしますね。僕から言わせれば「武器があるんだから使えよ」って思ってしまう。
な:授業中調べる時に、本だったらOKみたいなのも謎ルールですよね!
M:そーそー!どんだけ時間かかるねん!って思う。
な:生徒の中には「じゃあお前ら教師も、調べ物する時、絶対インターネット使うなよ!」って思ってる子もいる気がする。さらに特に国語とか、情景描写とか大事だと思うので、例えば百人一首を勉強している時に『大江山いく野の道の遠ければまだふみも見ず天橋立』って出てきた時に「天橋立」ってどんなのか調べてみようってなってその場で調べたら、盛り上がるし、印象にも残っていいことしかないと思うんですよね。
M:ちょうど、この前、授業中に昔の人が近畿から福岡まで歩いて行ったっていう文章を扱ったんですね。今だったら新幹線で3時間くらいで行けてすごく早いけど、歩いて行ったらどれくらいになると思う?みたいな話になったんです。でもそんなのGoogle マップあったら一発で調べられるじゃないですか。単にそれを調べさせるのに何で持ち帰らなあかんのって思いましたね!
な:あと、学習効果の観点で見た時に、こちらから「近畿から福岡まで歩いたらどれくらいかかるか調べてこい」って言って調べさせるのと、「近畿から博多まで歩いて行ったなんてすごい!どれくらいの時間かかったんだろう!」ってなってその場で生徒が自主的に調べるのでは全然違いますよね。
M:そうそう!リアルタイムで調べるって大事だと思うんですけどね。その時は面白いと思っても家帰った瞬間に、忘れてしまってるからね!
テ:確かに!そのラグ何なんだってなりますよね!
M:営業さんが、まずいと思った時に「一旦持ち帰っていいですか?」っていう時だけにしたいですよね。持ち帰るのは。
一同;爆笑
テ:文部科学省は「Bring Your Own Device」ってスローガンを掲げて携帯電話・スマホの持ち込みは歓迎してるのにね。コロナウイルス対策として、各自のスマホやタブレットなどのITを活用してうまくやってくださいっていう意図の通達です。さらにスマホを持ってない子がいたら、予算を出しますので文部科学省に問い合わせてください、まで言ってくれてる。
な:へ〜すごいな文部科学省!
テ:そうやって文部科学省は言ってくれてるのに、学校はやらないところ多いよね〜
M:意外と文部科学省って、柔軟に対応しようとしてること多いけど、ハードルを勝手に上げてるのは、学校現場ってケース割と多いですよね。