ここが変だよ!?日本の学校(Part1校則について⑤)
現職の学校の先生と元教師で、現在の学校教育についてディスカッションしながら、新たな教育の可能性を提案していきます。
このプロジェクトを、悩んでいる学校の先生と、将来教員になりたい学生に捧げます。
企画への思い・詳細はこちらをご覧ください。
<メンバー紹介>
*Mさん
中高一貫の私立学校で働かれています。
民間企業や起業も経験されている経験豊富な先生です。
*テキトー教師さん
https://twitter.com/tekitoo_T_cher
若くして、ある都道府県の中学校で「教務主任」を務められている優秀な先生です。
*ながめ
https://twitter.com/mgnjapan
元高校教師で、現在は予備校講師以外にも、速読教室やアイドル活動、大喜利イベント、などたくさんのプロジェクトを運営しています。
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「ここが変だよ?!日本の学校」校則編⑤
な:話は尽きないですが、そろそろまとめに入りたいと思います。読者の皆さんも学校の校則についての現状はわかっていただけたかと思います。じゃあどうしたら、生徒も学校も地域住民も保護者も納得感のあるルールになるんでしょうかね!
M:僕はそんなに地域の評価を気にする必要ないと思うんですよね。周りの人に迷惑をかけるのはいけないと思うんですけど、そんなに迷惑かかってないとしたら、そんなに地域からの理解を得ることに意味があるのかと思ってしまいます。生徒と学校について最低限必要なルールを作っておいたらいいと思うんですよね。その上で勉学に集中してもらったらいいと思います。
な:なるほどなるほど。
M:基本、学校って学びに行ってるって感覚を自分は持ってるんですけど、学校側の「地域の理解を得るための行事」みたいなのがちょくちょくあって、無駄だなあと思ってしまいます。いうほどそんなに地域の人はうちの学校のこと考えてないと思うんですよね。
一同:爆笑
テ:私立でもそんなのあるんですね!ちなみにどんなことやってるんですか?
M:学校の周りを掃除したりとかですけどね!
な:僕も教師してる時にありました。地域のためのイベント。気使うし大変ですよね。話かわるんですが、生徒と先生が校則について、フラットに意見をぶつけ合った上でうまくお互いの妥協点というか、いい塩梅のルールにしていくみたいなことってできないんですかね。校則の意図とか思いとか生徒と学校で共通認識があった方がいいと思うんです。
テ:自分もそんな感じで思ってて動いてるよ。ただ今はやっぱり教師側が強くて、教師が決めてる感じが強いけど、そもそも子どもたちのためのルールだから、目安箱みたいなものを作って、生徒会と教師が話しあう機会を作れるよう仕組みを作りたいと思っている。
な:おお〜!いいね。
テ:例えば実際あったのは「授業中暑いのにブレザーを着ないといけないのは辛いので、授業中体操着を着たいです」って申し出があった時があって、そんな意見を生徒会に投げて学校と議論させていったら面白いと思う。
な:先生側ももう少し、校則の意図や思いをはっきりさせる必要があるし。伝統や習慣でなーなーにしてるものについては、やめたり見直したりする勇気も必要だと思う。先生たりも忙しいとは思うけどその辺をきちんと精査すれば、結果自分たち仕事も減るしいいですよね。
テ:そうだね。
な:僕が教員やってる時は、自分が納得してないルールを他人に押し付けるのがイヤで、教師やめちゃったんですけど、ルールを整えれば、生徒指導の無駄なストレスも受けなくて済むと思うんですよ。
M:割と本質部分と関係ないところを一生懸命頑張ってる感はありますよね。
な:「教師の言うことを聞かせるのが教育だ!」みたいな思想の人もいますしね。
テ:女子生徒が学内をカーディガンでうろついてはいけないみたいな校則もそういうことよね。必ず上からブレザー着ないといけないんだけど、暑いし、ブレザーって硬くて動きにくいし、かわいそうやなといつも思ってる。
な:あ、このタイミングで思い出したんだけど、バイトが禁止の学校も多いのも不思議だなと思ってるんですよ。僕は働きながら勉強した方がいいと思ってます。高校生が触れ合う大人って家族と学校関係者に限られがちなので、バイトをすることでいろんな大人や仕事に触れることはキャリア教育的な観点ですごくいいと思ってる。
M:そうだね。
な:また教育の出口の一つに「自己実現」があると思うんだけど。その手段として大きいのがお金を稼ぐってことだと思うから、お金を稼ぐ体験って必要だと思う。あとは働く中で学校の勉強ってこんな感じ役に立つんだ!みたいな瞬間もあると思うしね。バイト先に外国人が来て英語ができなくてショックだったからもっと勉強しようとかね。
M:僕もバイトは普通にさせた方がいいと思ってます。私立学校って特に管理したがる部分があってバイトもなるべくさせないようにって風潮ありますねよ。あとバイトだけじゃなくて、サッカーの学外クラブチームで頑張りたいとか、習い事に力入れたいという生徒が活動しにくかったりするんですよね。学校がプライベートな時間に介入しすぎだと思います。そこまでせんでいいやろって思いますね。
な:家の経済状況が苦しいからって、アルバイトの申請書を出しに来た子に対しても、ほとんど許可された例は見たことないですね。
M:確かにないですね。母子家庭で本当に生活苦しそうな家庭の子が勇気を出して、ちょっとでも家計の足しにと思って申請してくるのに教師側が「そんなことないやろ!」って言ってつっぱねるのはよくありますね。
な:お前が決めるなよ!って話ですよね。そうなってくると「何のための申請書ルールだよ」ってなりますよね。
M:間違いない。基本バイトは認めない風潮ありますからね。
な:バイトの話の延長で、これヤバイなと思った事例があります。クラウドファウンディングで、支援がめちゃめちゃ集まった高校生がいて、その子の学校がバイト禁止だから大量のお金を手にしたという理由で、退学処分になったって話です。何でそこまでして、バイトをさせたくないのか、お金を持たせたくないのか理解に苦しみますね。退学はやりすぎだと思う。
M:割とお金って教育現場の人たちからすると、なるべく触れさせたくないみたいなものではありますよね。
テ:確かに!
な:とは言ってもこれから社会に出てお金を稼いでいかないといけないじゃないですか。
M:なんかお金に限らず、生徒に自由にさせたくないっていう「執念」みたいなものはすごく感じますよね。
一同:爆笑