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国語の授業デザイン「要約のメソッド」その1
「要するに…」って話まとめて次に進められる人って頭いいよね。
こんにちは。私立高校で国語の先生をしています、タイプぶんがくきんにくと申します。
今回は、「国語の先生」はもちろん、「国語教育を志す大学生」、「国語が得意になりたい小・中・高校生」、「国語って何を勉強したらいいかわからないよっていうみなさん」も必見!!
ぼくが3年間やってみて、「これは生徒の学力向上に効果あったわ」と実感できた「要約のメソッド」について書いていこうと思います。
偏差値50以下でも効果あります。はい。実証済みです。
このメソッドを理解できれば、テストにも使えるし、課題で出るレポートにも応用可能だし、社会人になっても勉強したり、報告書まとめたりするときも役に立ちます。
要約ってそれくらい、威力のあるものだと思います。
「先生、要約やってきたおかげで国語好きになった!」
こういう、生徒からの言葉がいちばん教師冥利に尽きますよね涙。
これを見てる中高生!感謝してる先生にはちゃんとその気持ちを伝えなさいよ!
ともあれ今年度はこういうことを言ってくれる生徒がたくさんいて、めっちゃ嬉しかったです。
その中には国公立の推薦に受かった生徒もいました。そうなんです、国公立の推薦入試とか、私立の総合型選抜とかでも、要約ってめちゃくちゃ役に立つんです。
本文があるタイプの小論文試験では、小論文を書かせる前に、その本文を要約させる問題が出がちですからね。
さぁ、そんな要約の方法を伝授するぼくの授業は定型です。
①本文を大きい段落に分ける
②それぞれの段落について生徒にメソッドに基づいて要約させる
③生徒が自分なりにやってみた要約をグループワークで共有させ、話し合わせる
④ランダムに指名し、発表させる
⑤教科書にもりもり線引きながら「メソッド」を土台に解説する
⑥(家庭学習)教科書のコピーを前に同じように線を引けるか何も見ないでやってみる
この繰り返しを高校1、2年生の評論文を扱う単元ではひたすら愚直にやっています。それを3年間やってみました。
教員生活、今年で13年目になりましたが、今まででいちばん生徒の学力が伸びた実感があります。
要約のメソッドって何
要約のメソッドとは、その名の通り、要約をするための方法です。
あとでみっちり説明しますが、例えばいっちばん簡単でわかりやすくてみんな知ってるメソッドは「逆接」です。
逆接
【該当ワード】
「しかし、だが、が」など
【効果】
これらの後には筆者の意見がきやすい
【例】
2024年は日本中が大谷翔平の活躍に熱狂した。しかし、私は一人冷めていた。
【解説】
「しかし」の後の「私は一人冷めていた。」の部分が、筆者の言いたいことになっている。一般的に言われていることと逆のことを言うことで、読者の意識を引きつけてもいるよね。
こんな感じで、注目すべきワードや技法について出てくるたびにひとつひとつ注目させるのです。
そんなメソッドの確認を繰り返すことで、文章の中から筆者の意見の核心を抽出することができるようになるわけなんです。
ご存知の通り、評論文において重要なことは、「筆者の言いたいことを理解する」ことですよね。
そのために、筆者の言いたいことを感情を入れずに「抽出」していく。
これを繰り返すことで、その精度、純度が上がる。
その抽出した筆者の言いたいことに対して、「自分はどう思うか」という「自分の意見」を正確に文章を読んだ上で持つことができるわけです。
そもそも、筆者の言いたい事を正しく理解できていなければ、それを下敷きにした、自分の意見が的を射るものになるはずがありません。
相手の話ろくに聞いてないのに、自分の言いたいことばっかり言ってるなんてダメでしょってことですね。それじゃ評価されない。入試でも、社会でも。
メソッド紹介!
ここからはメソッドについて実際授業で使っている名称で紹介していきます!
まぁ、言ってみれば、現代文の参考書に書いてあるようなことを噛み砕いて名前つけて紹介しているような感じなんですが、それでも実際に教科書の文章読みながら解説することで、生徒は理解しようとしてくれてるって感じです。
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