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旅行記 ハネムーン戦記 #43

Hi, this is Japanese AKI.

浮き輪とゴザ

自分たちのゴザに戻り、私と夫は苦労して浮き輪を膨らまし海に入りました。夫が「うわ!しゃっけぇ!ハワイの海は温かいんじゃないの???」「いくらハワイでも冬は水が冷たいよ。」『しゃっこい』とは道産子弁で冷たい、の意味です。

この日は凪だったので私は波を求めてずんずん進んで行きました。ワイキキビーチは遠浅です。胸ぐらいまで深さが来たとき夫が「アキちゃん、あそこで海の色が変わってるよ。これ以上はダメ。」と注意されてしまいました。

(えー... あそこまで行けば大きな波がくるのに...。)と思いながらしぶしぶヨットやボートが通って波を起こしてくれるのを待っていました。夫は寒いと海からあがったので浮き輪を独り占めして楽しんでいましたが、ほどなく私も寒くなりました。

真っ直ぐビーチに向かって歩いたつもりだったのですが、やはり潮に流されていたようでどこが自分のゴザかわからなくなりました。波打ち際を右に左にうろうろしていると夫が迎えに来てくれたので、ゴザに戻りバスタオルにくるまりました。

「浮き輪、持って帰っても使わないね。」「うん、このゴザもスーツケースに入らないしね。ホテルの人に捨ててもらう?」夫が海を眺めていて、遊んでいる女の子を見つけました。「あの子、浮き輪をもっていないんじゃない?」「そうだね。あげようか?」こう言って私は女の子目指して歩きはじめました。

でもふと(いきなり子どもに話しかけるのはよくないかもしれない。)と思い、女の子の向かいのほうに座っていたご夫婦に話しかけました。

"Hello. Is she your daughter?"
こんにちは。彼女は娘さんですか?

"Yes?"
「そうですけど?」

浮き輪を差し出して

"How about this?"
これ、要りますか?

"Sure!! Of course!!"
「ええ!もちろん!」

私から浮き輪を受け取ったお母さんは、すぐに娘さんに渡しに行きました。あとはゴザです。ちょうど私たちのうしろに、息子さんを連れた一人のお母さんがバスタオルを敷いて荷物をのせました。私たちの横で砂遊びを始めたので

「こんにちは。私たち帰るんですけど、よかったらこのゴザ使いますか?」

「え、いいんですか?」

「ええ、よかったら。どうぞどうぞ。」

こちらも喜んでさっそく荷物を移していました。こうして私たちは手ぶらで帰ったのですが、歩きながら私はこころの中で息子さんを連れて一人だったさっきのお母さんにむかしの自分の姿を重ねていたのでした。

Thank you for listening. I hope you like it and follow me.

音声でもどうぞ→Face Book, Aki Chiba

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