失敗しない!「クレドの作り方②」

トップダウンとボトムアップのバランス

クレドは「社員の、社員による、社員のための」という意識で創造されるもの、という意見をよく聞きます。確かにいわゆる「ボトムアップ」で社員を巻き込み策定した方が参画意識も高まり、策定後の浸透作業も進めやすくなるのは自明の理です。

しかし、一方で私の耳には「社員ボトムアップで策定し、多くの社員が”これは、いいね!”と強く賛同した新しいクレドを経営陣に上申したところ ”ちょっと方向性が違うんだよ”と一言いわれ、策定に参画した社員の気持ちがすっかり折れてしまった」という声も入ってきます。

問題はどこにあるのでしょうか?

経営者の想いは、社員の自主性を重んじ、責任を持たせて自由に策定させようとしたことにあります。

また策定のプロジェクトにノミネートされた社員の想いは、現業の目前に映っている顧客、社員などのステークホルダーのみを想定して文章化をすることにあります。そこには、最も大切な会社のビジョンや価値観、中期経営計画との整合性や連携という広い視野がありません。

どちらの立場にも、これは無責任というよりほかない問題が潜んでいます。

経営者は、前号の通り「方針書」を共に策定し、スタートアップ時の足並みを揃えた上で、社員にプロジェクトを渡すべきことに注力せず、ある意味の”放任”をしました。

一歩の社員側は、ビジョン、過去に制定されていた創業の理念にある価値観、中期経営計画などを確認することなく、自分たちの守備範囲の中で策定のプロセスを始めてしまいました。

ここに多くの企業で起こっているトップダウンとボトムアップのミスマッチが発生しているのです。

私は、「企画は8:2  策定は2:8」であるべきだと教えています。

スタート時の方針や計画づくりには、トップが8割程度は参画しプロジェクトの社員達と共有する。そこで合意が取れさえすれば、策定や文言化は現場を良く知る社員達に8割程度は任せてしまう、というステップでプロジェクトを進めればいいのです。

このプロセスを重視せずに失敗するケースを多数見てきました。是非参考にしてください。





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