2021年の理念① 「利他」

2021年に入ると、クレド企業の皆さんから「今年はどんなことに気をつけて社内に情報発信すべきか?」「浸透の新しい施策は?」といった質問を受けます。

それについては、年末年始にかけて読んだ書籍から、ヒントを得た話をしています。以下の書籍は参考にさせて頂いた本です。

・料理と利他 (土井善晴、中島岳志著)
・人間復興の経済Small is Beautiful (EFシューマッハー著)
・汚穢(おわい)と禁忌 (メアリ・ダグラス著) 
・人新世の「資本論」 (斉藤幸平著) 
・未来への大分岐 (マルクス ガブリエル著)
・小僧の神様 (志賀直哉著)  
・世界のエリートはなぜ「美意識」を大切にするのか  (山口周著)

最新の本もあれば、古い本もありますが、これらの本から私が考え、クレド企業の皆さんに伝えた価値観は以下の3点です。

①利他と信頼 ②美しい経営 ③環境も成長も

今号では、①利他と信頼を解説してみたいと思います。

東京工業大学…日本を代表する理系大学がなぜか「利他プロジェクト」という活動を2020年から始めました。

東工大利他


理科系とは対極にある人間臭さ、生き方に向き合おうとする面白い学問的な試みです。

「利他」と言えば、クレドはステークホルダーへの責任であり貢献の宣言と捉えることが出来ます。コロナ禍の今、決して新しくはないこれらの価値観が見直される流れとなっていることは何か時代の大きな変化を示唆しています。

では、「利他」とはもっと具体的な行動レベルではどんなことなのか?  図で書けば以下のような理解でしょう。

利他

上から目線で貢献する、助けることが利他ではなく、「他者に対して敬意を払うこと」。もっと言うならば「他者から学ばせて頂くこと」とさえ言えます。私たちの仕事の現場では、「仲間」「お客様」「取引事業者」「地域の方」に対しての態度がそれに当てはまります。

その結果として、「信頼」がフィードバックされます。信頼を得ることで”誇り”を実感し、円滑な「つながり(connectivity)」が醸成されていきます。

利他と信頼は、新しい経営手法でも何でもはありません。しかし就活学生の常に人気上位である伊藤忠商事が昨年2020年に理念を「三方よし」に変えたことも、利他をベースにした経営が「強い企業の骨格」として今だからこそ必要とされていることを示唆していると考えるのです。

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