働き方改革と「エンゲージメント」
2016年(平成28年)から始まった「働き方改革」。内閣府や厚労省が旗振りし、コロナ禍を迎えテレワークなどが推進されるに至り、ますますその役割が重要視されるはずです。
しかし、残念ながらその「働き方改革」は鳴りを潜めている感があります。それは飽きやすい日本人の問題というだけではない側面を露呈しているからと言えます。
改革の3つの要素は、筆者がシンプルにまとめると①時短②生産性、そして③エンゲージメントです。この3要素を一つ一つ順番に達成させることが重要なはずですが、同じ目線での解決手法では難しく、それが推進を阻んでいるのではないかと考えるのです。
というのは①②は「数値」が解決すべき課題。③は「品質」が課題だからです。つまり私たちが得意とする「改善」は①②。一方で不得意とされがちな「創造(私は「向上」と呼びますが)」が③と言えるのです
①②は「どのようにするのか?」が問いかけの出発点です。どのように時間を減らすのか?どのようにコミュニケーションを深めるのか?という文脈です。比較的取り組みやすいのです。
一方、行き詰まりがちな③のエンゲージメントは「なぜするのか?」を深めていくことが解決のチカラになります。つまり「どのようにエンゲージメントを高めるか?」では答えは見つかりにくく、「なぜ、この業務をする必要があるのか?」「なぜ、私たちはこの仕事をすべきなのか?」という意味や目的を問いかけ、議論することで創造の糸口が見えてきます。
さて結論です。私達リーダーは部下や仲間に対して今後「この仕事はなぜやるべきなのか?」、もっと言うならば「なぜ私たちの会社は存在しているのか?」という一見すると書生臭いと思われがちな言葉を堂々と口にし、それに対する自分なりの答えも持たねば、働き方改革の課題でもあり、日本が世界最低水準と言われるエンゲージメントは向上して行かないのではないかと考えるのです。
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