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オーストラリアで永住権をとるには①
はじめに
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オーストラリアに来て、ワーホリや学生ビザで生活を始めたものの、だんだんとこの国が好きになり、気づけば「もう少しここで暮らしていたい」「将来的に永住したいな」と考えるようになっている方も多いはず。
そんな時に耳にするのが、「永住権」という言葉です。
オーストラリアの永住権は「オーストラリアのパスポートを持っていなくても、オーストラリア人とほぼ同じ条件で住むことができるビザ」です。
つまり、普通に働いたり勉強したり、健康保険を受けたりと、オーストラリアでの生活が安定するのです。
このビザを取得すれば、日本にいる時と同じように、オーストラリアで日常を送ることができます。
オーストラリアで「本当に長く住みたい」と思っている人にとっては、まさに魅力的なビザ。
今回は、そんな永住権を手に入れるために永住権取得への道にはどのようなものがあるか2回に分けて紹介していきます。
オーストラリアの永住権の種類
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オーストラリアの永住権にはさまざまな種類があり、目的や状況に応じて最適なビザを選んで行く必要があります。
ここでは大まかな概要を紹介します。
※ジャパセンはビザエージェントではないため、ビザに関する保証はできませんが、あくまでイメージとして参考にしてください。
1. 配偶者ビザ
配偶者ビザは、オーストラリア人またはオーストラリア永住権保持者と結婚する、もしくはデファクト(事実婚)関係を築くことにより取得できるビザです。
これにより、学歴や職歴、英語力などの厳しい条件をクリアする必要がなく、比較的シンプルに永住権を取得することが可能です。
重要なのはお二人の関係性が真実であることです。
オーストラリアの移民局は、カップルの関係が純粋で継続的であることを確認したいと考えています。
そのため、出会いからその後の関係がしっかりと証明できることが求められます。
例えば、一緒に住んでいることの証明、旅行に行った時の写真、家賃や光熱費を共同名義にしていること、そしてそれらが一年以上あることなどの証明をします。
この点さえクリアできれば、配偶者ビザは学歴や職歴のような条件がなく、非常にスムーズに永住権を取得できます。
もちろん、お二人の関係が真実であることが前提ではありますが、永住権を目指す上で有力な選択肢だと言えます。
2. 投資ビザ
このビザは、オーストラリアまたは特定の州に一定の金額を投資することによって取得できるものです。
投資額や期間などによって、具体的な要件は異なりますが、最低でも約2億5千万円程度の投資が必要な場合が多いです。
そのため、資産に余裕があるお金持ちの方に向けたビザと言えます。
一般的なワーキングホリデービザや学生ビザ保持者には、少し現実的ではないかもしれません。
3. ポイント制のビザ
ポイント制による永住権(技術独立永住権など)は、年齢、英語力、学歴、職歴など多くの条件が関わってきます。
この条件をいきなり最初から満たすことは難しく、少しずつポイントを積み上げていく必要があるため、簡単に取得できるビザではありません。
特に、オーストラリアで現在不足している職業(IT、エンジニア、看護師、配管工・ペインター・家具職人)に関連した学歴や職歴が求められています。
さらに、英語力も必要で、例えばIELTSで7.0以上のスコアが求められるため、かなり高いパフォーマンスを求められます。
ポイント制のビザには、「地方での生活」によって加算されるポイントもあります。
また、地方の学校で勉強することでもポイントがもらえます。
オーストラリアではシドニー・メルボルン・ブリスベンが「メジャーシティ」とされ、それ以外の地域はすべて「地方(田舎)」に分類されます。
地方に移住することで、永住権の取得がスムーズになる可能性もあります。
少し細かい話になりますが、ポイント制ビザのうち189ビザ(独立技術ビザ)では地方ポイントは関係ありません。
一方で、190ビザ(州指名ビザ)や491ビザ(地方特化ビザ)を狙う場合、地方に住んでいることがポイント加算の対象になります。
オーストラリア政府は、人口を地方に分散させる政策を進めており、このポイントシステムもその一環となっています。
つまり、ポイント制ビザを取得するためには、オーストラリアが求める職業スキルを持ち、かつ生活を地方に移すなど、さまざまな戦略を駆使することが求められます。
それでも、このビザを取得するためには高いスキルや努力が必要であることは間違いありません。
4. 雇用主指名ビザ
オーストラリアの永住権を取得する方法の中で、最も可能性が高いと感じるのが「雇用主指名ビザ」です。
雇用主指名ビザは、オーストラリアの企業から「指名」を受けることで取得できる永住権です。
通常、この指名は特定の職種で必要とされるスキルや経験を持つ人材に対して行われます。
つまり、オーストラリアに到着してから、雇用主から指名されることで永住権を目指せるわけです。
特に、オーストラリアでは労働力が不足している業種があるため、特定のスキルを持った労働者には高い需要があります。
雇用主指名の永住権は、Employer Nomination Scheme visaと呼ばれ、通称、その頭文字を取ってENSビザ(サブクラス186)と呼ばれています。
文字通り、雇用主に指名をされて取得する永住権ですが、細かく言うと3種類あり、その内、Temporary Residence Transition streamというのが、自身が働いている会社に指名され(スポンサーされ)、取得できる永住権のビザです。
まとめ
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永住権を取得するためのプロセスは人それぞれ異なります。
雇用主指名ビザを選ばず、ポイント制を利用して永住権を申請する方法や、働いている間に配偶者ビザで永住権を取得できる場合もあります。
最終的にどの方法で永住権を得るかは人によって異なりますが、次回はワーホリや学生ビザを持つ方にとって一番可能性のある、雇用主指名ビザを通じて永住権を取得する方法に特化して詳しく紹介したいと思います。
少しでも永住権に興味がある方はぜひお楽しみに!
また、永住権を目指しているお友達がいれば、ぜひこの記事をシェアしてあげてくださいね。
それでは、また!