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あるデザイナーと交わした「約束」

Public Mindのロゴをデザインしてもらうことになりました。その制作をしてくれるデザイナーとのやり取りの中で、ある素敵なストーリーがあったので、是非、皆さんにご紹介させて下さい!

20年前のイタリア留学

そのデザイナーはDaisuke Nasuと言います。学生時代からの友人です。今から20年近く前の2002年、彼がイタリアの有名なデザイン学校に留学することになりました。彼からは、そのイタリア留学はどうしても叶えたい夢だと前から折に触れて聞いていたので、ついに「夢へのチケット」を手にしたのだと喜びましたが、金銭的にハードルがありそうな感じでした。

壮行会で起こった「事件」

そんな彼をイタリアへ送り出そうと、仲間たちで「壮行会」を企画して、正確な人数は覚えていませんが、20名くらいで飲み会をやっていた最中にその「事件」は起こりました。

彼が壮行会の最中、レストランの中で、突然立ち上がり、事前に用意してあった紙を一気に全員に配ったうえで、プレゼンを始めたのです。

「僕に投資をしてください!将来、きっと、ちゃんとしたデザイナーになって、みんなに恩返しをします!約束します!!」

彼がそう叫んだのです!

要するに、彼は留学資金のカンパを呼びかけたのですが、今の言葉で言うと「ひとりクラウドファンディング」のような感じですね。僕は、迷わずその場で財布を開いて、心ばかりの少額でしたが、彼にカンパをしました。有名デザイナーの卵への投資ということではなく、もちろん友人として、夢をつかもうとしている彼の留学を応援する気持ちからです。

Public Mindロゴ制作でまさかの!

その後、彼は無事にイタリア留学を果たし、帰国後に有名デザイン会社に勤め、その後、独立してデザイン事務所を立ち上げるという形で、デザイナーの道を順調に歩み始めていきました。数年に一度くらいのペースでしたが、彼とは「ご縁」が途切れることは無く、今でも大切な友人です。

そんな彼に久しぶりに会い、近況報告をした上で、Public Mindの理念や活動内容を熱く話をした上で、ロゴ制作を依頼しました。僕からは正直に「僕たち、手弁当でやっているから、申し訳ないんだけどお金をお支払いすることができないんだ、、、。」と内情を打ち明けました。それに対して、彼が言ってくれた言葉が衝撃的なものでした。

「岩崎さん、イタリア留学のときの話、覚えてますか?僕、今回のロゴは、、、あの時の恩返し、ということで無料で作らせてもらいます。」

ガーン!!!

僕から彼に対して、イタリア留学のときに交わした「約束」を口にしたことはありませんでした。彼からも僕に対して一度もありませんでした。でも、ずっと心の中で覚えてくれていたことが分かった瞬間でした。

実現した20年前の「約束」

20年前、彼がイタリア留学を控えてチカラを貸してほしいときに、僕が少しだけ手を差し伸べられたのかもしれません。しかし、まさかこのタイミングで、僕が一番チカラを貸してほしいときに、「約束」を持ち出してきて、手を差し伸べ返してくれるとは思わなかった!彼との「約束」が20年の時を経て実現したことが、今はとってもとってもうれしい。

いや~、人生って過去の出来事が本当に全部つながっていると感じたし、本当に僕にとって友人、仲間との「ご縁」ほど大切なものはない!と改めて思いました。

昔、祖父がよく言っていた「友だちとの付き合いには、時間もお金もしっかり投資しなさい」という言葉が、妙に鮮明に頭によみがえってきた月夜。素敵な夜になりました。

ちなみに、Daisuke Nasuのデザイン会社はこちらです!
https://www.terrace-designconsulting.com/about/


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