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江口祐司

SUPER DARTS 2007の優勝をはじめ、多くの輝かしい戦績を持つ江口祐司プロの名前は、日本でダーツをプレイする者なら誰もが知っていることだろう。そんなダーツ界のビッグネームである江口プロは、今シーズンのTHE WORLD、そしてJAPANの初戦でともに準優勝を果たし、好調な滑りだし。
 
ただ、それは同時に、江口プロの実力を持ってしても“勝ちきれない”という側面があることを示している。自身の周りで起きた環境の変化を経て、江口プロは今、どんな未来を見つめているのか語ってもらった。

プロダーツプレイヤーとしての固い決意

今年の3月いっぱいで経営していた店を閉めることにした江口プロ。これまでと環境が変わり、プロのダーツプレイヤー一本で生活することを決意した。現在、どのような心境でいるのかを訊いた。

「自分の行く道が決まったという感じです。プロに専念するからには、結果を残さないといけない。自分で決めたからには、言いわけもできない。あえて、ツアーに集中するために自分自身を追い込んだという部分もあるんです。とにかく、これからも努力するだけです」

THE WORLD、そしてJAPANでともに準優勝を果たしたことについて、どう考えているのだろうか。好調の要因は?

「実は、ダーツの調子自体はあまりよくないんです。THE WORLDもJAPANも“結果を残さなきゃいけない”という気持ちだけで、決勝戦まではいけました。そこから先は、まだまだ自分に弱い部分があるということです」

徹底的に自分を追い込む

江口プロは、じっくりと言葉を選びながら答える。
 
「もちろん、準優勝という結果に満足しているわけではないです。だからといって、今までのプレイスタイルを変えようとは思っていません。スタイルについては、自信を持ってプレイしていますから。とは言っても、技術的にも精神的にも足りてないことは確か。自分自身に課題を与えて、強化したいと考えています」
 
あくまでもストイックに自身の置かれた状況を把握し、追い込む姿勢を崩さない江口プロ。シーズン中に辛い時期もあるはず。そういうとき、江口プロはどうやって乗り越えるのか。
 
「いつだって辛いですよ(笑)。とくに結果が出ないときは、ずっと応援してくれる人に応えられないことが悔しい。だけど、そこで腐らずに、ひとつずつ積み重ねていけた人だけがいい結果を残せるのではないでしょうか。ある程度のレベルになれば、技術面はみんな変わらないと思うんです。あとは、強い気持ちで目標を立てることが大切。そこに向かって、日々どれだけのことができるかだと思います。今、自分を追い込んだ結果も少しずつ見えてきているので。プレイヤーとして、もっと、よりよくなっていきたい」

世界の舞台を見据えて

もっとアグレッシブにダーツにトライしたい。そう考える江口プロにとって、負けたくない相手とは誰のことをさすのだろうか。

「普段一緒に仲良く練習しているプロは、たくさんいますけどね。ダーツをプレイするときに、見るべきは相手じゃないと思います。自分のダーツに専念して、しっかりとしたプレイを心がけること。そうすればおのずと結果につながると思いますよ」

プレイヤーに集中するということは、新たなる挑戦への視野も広がる。例えば、ハードダーツの最高峰であるPDC Tourへの挑戦を考えるのは自然なことだ。

「挑戦する資格が自分にあるなら、次のステップへ、より大きなステージへとチャレンジしたいです。目標はPDCに出ることではなく勝ち上がることなので、自分はもちろん、周囲に対しても自信を持って挑戦できる環境を整えたい。そのためには、まずJAPANでぶっちぎりの年間1位になることが理想です。将来的には、日本のダーツ界をリードしていきたいから、日本から誰かが世界へ行くのであれば、それが自分でありたいです」

今後のプレイヤー生活の目標について、控えめに「理想ですよ」と前置きをしつつも、江口プロは力強く語ってくれた。彼にとって、新たな“挑戦”が待ちうける今シーズン。これからの日本のダーツ界を担う江口プロの闘志に火がついている。


-Profile-
江口祐司(千葉県)
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