【今こそ知っておきたい!】半導体の知識とメーカーについて
投資といえば、最近よく聞くのが半導体。株価が上がっているから投資したいけど、実際どういうものなのか良く分からない。
今日はそんな方の為に、小学生でも分かるように、半導体製作を、ケーキ作りに例えて説明します。
半導体も、今では一般常識化してきています。ですので、基本的な事はきちんと覚えておきましょう!
今回参考にした動画はこちら↓
この方の説明が、ケーキ作りの工程を例に説明してくれていて、本当に分かりやすかったので、この方が使っていたケーキ工程の説明を使ってまとめてみました!
半導体とは?
半導体とは、電気を通す事も出来るし、通さない事も出来る物質の事。(絶縁体は、電気を通さないもので、導体は電気を通すもの。半導体は半なのでその間)
具体的に言うと
半導体の代表的なものにシリコンがあります。シリコンは基本的には電気を通しませんが、ある条件下では電気を通す性質に変わります。
蛇口をひねると水が通り、閉じると水が止まる水道管のような感じ。
水道管だけだと使えないので、蛇口にあたる電子部品などを付け加えて使える機能を持たせたものが、ICチップになります。(1㎝角に700億もの部品が乗っているそうです)
ややこしいのが、このICチップ自体をさして、半導体と呼ぶこともあるそうです。要は、”水の通り道を水道管と呼ぶが、蛇口やそのシステムすべて含めて水道管と呼ぶ”みたいな感じです。
ですので、半導体業界といった時には、この物質の事だけではなく、ICチップの製造にかかわる全ての企業を指すと思ってください。
余談ですが、
コンピューターは、すべての計算や記録を0と1の数字で表現する2進法を使っているのは何故か分かりますか?これは、コンピューターが電気信号を使うからなのです。電気は、付くか、消えるかの2通りなので、指が二本しかないようなもの。電気が通ったら1,通らなかったら0と表現するのが最適なのです。
このとき、電気を通す事も通さないことも出来る、0にも1にもなれる物質というのが半導体。半導体は、コンピューターの指の様なものなのです。そこに色々な電子部品を付け加えて、コンピューターの脳にあたる、ICチップになるわけです。
半導体製作の流れをケーキ作りに置き換えてみる
本来なら20工程以上あるのですが、ここでは簡略化して説明します。
1,ケイ石などを加工
ケーキ作りに例えると、丸いスポンジケーキを作る工程。
2,超高純度の薄いシリコン
ケーキ作りに例えると、スポンジケーキをスライスすること。
3,電気回路を焼き付け
これをケーキ作りに例えると、生クリームやイチゴを乗せること。
4,検査
これをケーキ作りに例えると、味見をする段階。1~4を前工程といいます。
5,チップの形にする
これをケーキ作りに例えると、一口サイズに切って箱詰めをする段階。5を後工程といいます。前工程の方が、付加価値は高いと言われています。
材料メーカーまとめ
まず、ケーキ作りにおいて、色々な生産者さんが関わっていますよね。例えば、
材料の、苺農家さん、小麦農家さん
泡だて器などを作るメーカーさん
ケーキを作るパティシエさん
がいます。
半導体製造も同じで、
材料メーカー
製造装置メーカー
半導体の製造・開発メーカー
の大きく3つに分けられます。
装置メーカーまとめ
では、苺農家さんにあたる、材料メーカーの紹介をします。
1,シリコンウエハー
シリコンウエハーは、基盤に使われます。円盤状にしたシリコンで、ケーキにおいては、スライスした状態のスポンジにあたります。
以下が、世界の有名なシリコンウエハーの企業です。
1位 信越化学工業
2位 SUMCO
この2つが、それぞれ世界の3割ずつ占めています。つまり、シリコンウエハーの会社の約6割は、日本の企業です。
3位 グローバルウエハーズ(台湾)
4位 シルトロニック(ドイツ)
5位 SKシルトロン(韓国)
2,フォトレジスト
ICチップは、写真の現像の様に回路を焼き付けるのですが、フォトレジストとは、その時に使う薬品の様なものです。
ケーキでいう、苺をくっつけるための生クリームのような存在。
このフォトレジストのシェアは、日本が圧倒的で、8割以上を占めています。
1位 JSR
2位 東京応化工業
・信越化学工業
・住友化学
・富士フィルム
3,フォトマスク
フォトマスクは、回路を現像する時に使用するマスクで、ケーキ作りの時に、ココアパウダーでハート形を作りたい時にクッキングシートでマスクを作るようなものです。
こちらも日本のシェアが強いです。
・大日本印刷
・凸版印刷
上の二つがかなりの割合をしめています。
4,マスクプランクス
上のフォトマスクを作るための材料をマスクプランクスといいます。
・HOYA
・信越化学工業
こちらも、この2つの日本企業が世界シェアの9割を占めています。
5、封止材
封止材は、ICチップを保護するためのパッケージ。ここでの有名企業は、
・住友ベークライト
・昭和電工マテリアルズ
・イビデン
ちなみにインテルのCPUにはイビデンのマスクが使われています。
材料だけでも、日本の企業の凄さが良く分かりましたね。
半導体メーカーまとめ
では、半導体を作るための装置を作る企業を見ていきましょう。
日本は今では世界シェアが低下していますが、それでも世界ランキング2位と、日本が強い分野です。
1,主な製造装置メーカー
世界シェアランキング
1位 アプライドマテリアルズ (アメリカ)(ほぼ全ての製造工程で使われる装置を作っています)
2位 東京エレクトロン(回路を現像するような工程で使うフォトレジストを均一に塗布するコータデベロッパという装置で世界シェア9割を占めています。:ケーキ作りの生クリームを塗る装置)
ちなみにこのコータデベロッパは、数マイクロメートルの単位の薄さで塗布されるそうです。
3位 Lam Research(アメリカ)(ケーキ作りの、不要なおこげを削る装置を作っています。実際は、酸化膜や薄膜を削る装置です。)
4位 ASML(オランダ)(露光装置:現像する際に光を当てる装置。この装置の世界シェア9割がこの企業。残りは、ニコンとかキャノンが続きます。)半導体は、微細化がビックトレンドで、いかに小さくできるかがカギ。そのカギを握るのが露光装置。つまりとても重要な装置なのです。
5位 KLA(アメリカ)(ウエハーの検査装置の世界シェア1位)
2,その他の製造装置メーカー
・レーザーテック
世界シェア100%、投資家にはとても有名な企業です。
先ほど、半導体は、微細化がビックトレンドといいましたが、そこでカギを握るのが光を当てる工程。ナノメートル単位の小さいチップに回路を現像するので、照射する光もそれに合わせないといけません。
そこで、新しい技術として、登場したのが、特別なUV、いわゆるEUV(Extreme UV)。このEUV露光装置に使われるマスクブランクス(フォトマスクを作るための材料)を検査するための装置は、なんとレーザーテックしか生産できないのです。だから注目されているのです。
ちなみにEV露光装置のシェア100%なのが、先ほど話した、オランダのASML、そこで使うマスクブランクスのトップシェアがHOYAと信越化学、そしてそのマスクブランクスの検査装置でシェア100%なのがレーザーテックというわけです。
・SCREENホールディングス
洗浄装置で有名な企業。現像の時に使うフォトレジストという薬品は、現像が終わったら洗うのですが、その装置で世界シェア50%近くあります。
・ディスコ
ケーキ作りにおいて、ケーキを一口サイズに切る工程にあたる、ダイシング装置などで世界シェア7割近くあります。
3,ニッチな領域だけど知りたい人向け
・東京精密
プローバと言って、シリコンウエハーを検査するための装置で
世界シェアトップ
・日本マイクロニクス
プローバで使われるプローブカードという製品の世界シェア3位
・フジミインコーポレーテッド
シリコンウエハーをいかに平らにするかを担うCMP装置に使われるスラリーという研磨剤の様なものがあるのですが、そこの一部製品群で世界シェア90%
・扶桑化学
上のスラリーの材料に高純度クロイダルシリカというのがあり、その世界シェア8割以上
・山一電機
ICチップを検査する時に検査装置とICチップを繋ぐ必要があり、その時に使われるバーンインソケットという消耗品のようなものがあり、その世界シェア40%くらい
・エンプラス
高機能向けのバーンインソケットに関しては上の山一電機同様。この2つが世界シェアの殆どを占めています。
・KOKUSAI ELECTRIC
ここは上場していませんが、シリコンウエハーに薄膜を付ける装置で世界シェア50%ほど。
日本勢が輝かしい活躍を見せていますね!
長くなったので今日はここまで!
次回は、いよいよ、半導体メーカー(ケーキでいうパティシエ)を紹介します。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました!
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