【大化け株を見つけよう!】オニールの成長株発掘法②
前回は、オニールの投資法(CAN-SLIM手法)の、C,A,Nの部分を説明しました。前回の記事はこちら↓
今日は、後半のS,L,I,Mの部分について説明していきます。
今回参考にした動画はこちら↓
S:株式の需要と供給
株式の需要と供給とは、
需要:買いと売りの出来高
供給:浮動株式数
の事を言います。浮動株式数とは、企業が発行している株式の数から、大株主が保有している基本的には手放さない株式の数を引いた、マーケットで日々売買される株式の事。
株価というのは、この需要と供給のバランスで成り立っています。
オニールは、この需要と供給について3つのポイントを述べています。
1,自社株買いをしている銘柄
これらの銘柄は、EPSが上昇するからです。EPSは、企業の純利益を発行株式数で割ったもの。自社株買いをするという事は、過去に発行した株を買い戻す=マーケットに流通する株式の数が減ります。(通常、業績が良い時は、企業は自社株買いをすることで、1株当たりの配当は大きくなるのです。)
自社株買いは、経営者が自社の業績が今後良くなる事を示すという意味合いもあり、投資家に交換を持たれ、それが更に株価の上昇を引き起こすからです。
2、過度な株式分割をする銘柄は避けよう
株価が高くなりすぎると、個人投資家は株を買いづらくなるため、企業は株式分割を行って株価を下げるという事をします。(さっきの自社株買いの逆ですね)
これにより、流動性が増え、機関投資家は一気に売りに出す事で、株価が下落する可能性があります。
また、そうする事で、成長株であっても、株価の上昇を抑制してしまい、下落傾向になってしまう可能性があります。
3,需要と供給を見極めよう
ここでは、3つのサインについて説明していきます。
①株価の下落に伴う出来高の減少
これは、機関投資家の売り圧力の出尽くしを示しています。特に、出来高が少なくなっているところが、売り尽くしのポイントです。
②株価の上昇に伴う出来高の上昇
この場合、機関投資家の買い集めを示しています。これはさらなる株価上昇のサインです。
③基本のベースをブレイクアウトしたポイント
これまでの平均出来高より50%以上上昇したチャートの事。
これらについては、次回のチャート編で詳しく説明します。
L:主導銘柄か、停滞銘柄か
これについて、オニールは、業界内で、上位1位~3位の主導銘柄を狙おうと述べています。
この上位というのは、時価総額や、知名度の高さで大きい企業の事ではなく、
四半期または通期EPSがその業界の中でTOP3に入る事です。オニールは、この上位3つの銘柄が、マーケットにおいて最も活力がある銘柄だと言っています。
その理由の1つは、株価が継続的に上昇しやすいから。こういった銘柄は、機関投資家も注目しており、買い集めが進む傾向にあります。そのため株価が継続的に上昇しやすくなります。
理由の2つめは、相場の転換期に最初に反発するという事。企業の業績に関わらず、相場の下落によりこれらの株価が下落した時、多くの投資家が、この銘柄を割安と判断し、買いが集まります。このことから、相場が下落した時に、株価が反発し、最初に戻しやすいという傾向があります。
では、その主導銘柄の見分け方を紹介します。
主導銘柄の見分け方
RSI(相対力指数)が80%以上。相対力指数とは、マーケットにおける活きの良し悪しを現わすもので、1~99で表されます。
たとえば、
100銘柄が上昇している相場に、RSIが95のX社があったとします。
この100銘柄全てが上昇したとします。それを、小さい順に並べたときに、
RSIが95のX社というのは、RSIが94の会社の次に上昇幅がある銘柄という事。つまり、相場全体の値動きに対して94%の企業を上回った値動きを示しているという事。
マーケットは、美人投票と似ており、注目が集まる企業は、株価が上昇しやすくなる傾向があります。
オニールは、相対力指数が40~60の銘柄は避けようと言っています。そういった銘柄は、株価の下落が見えると、他の注目されている銘柄にすぐに資金が流れやすい傾向にあるからです。
I:機関投資家が保有する銘柄を選ぼう
株価を大きく引き上げる原動力は、機関投資家による買いです。日本のマーケットでは、機関投資家の売買がなんと70%を占めているのです。
つまり、株価を大きく上昇させる銘柄を選ぶには、機関投資家が保有する銘柄を選べばいいのです。
では、どうやって見つければいいのかというと、四半期ごとの機関投資家の数の変化の数を見る事。機関投資家の数は、決算短信の中で、株主という欄があります。その株主の欄で、機関投資家の数を見る事が出来ます。
ここで、「機関投資家が買った後だと遅いんじゃないの?」と思うかもしれませんが、大丈夫です。
機関投資家は、多額の資金で運用するため、流動性の観点から、少しずつ買い増していく傾向があります。そのため、機関投資家が買った後でも、株価は上昇していく傾向があります。
M:マーケット全体の方向性を把握しよう
どんなにいい銘柄でも、マーケット全体が下落傾向にあれば、株価は下落してしまいます。そのため、銘柄を選定するためにも、マーケット全体の方向性を把握しておきましょう。
ここでは、株価と出来高から、マーケットの天井を見極める方法と、マーケットが下落から上昇に転換する時の「ためし」が失敗する時の3つのサインについて紹介します。
1,マーケットの天井を見極める方法
①相場の価格と出来高を見る
例えば、株価が上昇し、横ばいになった時に出来高が急上昇していれば、それは機関投資家の大量売りを示しています。これをきっかけに下落トレンドに移る事があります。
②主導株の値動きを見る
主導株は、マーケットの中でも注目されている銘柄なので、株価が上昇トレンドから下落トレンドに移る最も遅い銘柄と考えられています。
そのため、主導株が下落トレンドに入ったという事は、マーケット全体が下落していると考えられます。主導株を見る事で、本当に、マーケット全体の方向性が下落しているかどうか確認する事が出来ます。
2,上昇の試しが失敗する時のサイン3つ
上昇の試しというのは、下落トレンドから上昇に転換して、直近の高値付近で上昇するか、下落するかという分岐点を現わします。
この上昇の試しが失敗する3つのサインについて説明します。
①株価が上昇するのに出来高が増加しないチャート
株価が上昇しているのに出来高が低い場合は、上昇の試しが失敗したと考えられます。
②日経平均株価の上げ幅が前日より少ない
日経平均株価が上昇している間、この上げ幅が前日より日々少なくなっていれば、上昇の試しが失敗したと考えられます。
③直近の高値・安値の値幅の半分を超えない
上昇しているのに、直近の高値と安値の半分を超えないというのは、下落トレンドに入る可能性が高いと考えられます。
次回はチャート編!
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。