(2)「価値の言語化」 星野リゾートさん、流石!
先日、ネットコンテンツを見ていたら、星野リゾートの星野社長のお話が出ていて、星野リゾート社さんが、リゾナーレ八ヶ岳の運営をやることになって、閑散としているこのリゾナーレ八ヶ岳をどうやって再生しようか、と思ったときに、
当時ぜんぜんイケてなかったリゾナーレ八ヶ岳にでも、なぜかちょろちょろっとお客様(ファミリー)が来られている。
これはなぜなんだ? なぜ来てくれるんだ? と思い、
何組かのお客様にヒアリングしたところ、
「子供が車移動で我慢できる2時間以内に来れるファミリーリゾートがここしかなかった」
という言葉が共通して出てきたそうです。
この言葉にピンときた星野社長は、この言葉をコンセプトにリゾナーレ
八ヶ岳の再生をはじめられたとのことで、
流石!なるほどなあ~と。
何がなるほどなのかというと、企業側や運営社側が勝手に想像して考えた
提供価値 or 強みではなく、
「お客様が実際に感じている感受価値を言語化している点」
がとても流石だなあと思うわけです。
これはマーケティングあるあるなのですが、
企業側の自社商品やサービスの価値や強みの定義(=思い込み)と、
顧客が実際に感じている感受価値がずれてることは相当多くあります。
①「顧客が実際に感じている感受価値を言語化」
②「その価値を喜んでくれる人は誰で、いつ購買意欲のフラグが立つのか
= ターゲティング (状況 + 契機の定義) 」
上記2つの定義が、マーケティングの基本中の基本だと思うのですが、
この2つの定義をキチンとできている会社はとても少ないです。
ちなみにですが、日本には370万社前後の企業があるらしいのですが、
この1%でも3万7千社なわけで、3万7千社の企業がこの2つの定義がキチンとできているかといえば、そんなことはあり得ないので、日本の企業の99%以上はマーケティングの基礎工事が未完のまま走ってるんだなあ、とよく感じます。
弊社は、大中小様々な企業のマーケティングのご支援をする仕事をしているので、プロジェクトが始まるときに、クライアント社さんのメンバーの方々に、
「御社の商品 or サービスに対して、お客さんが実際に感じている
良い所(=価値)は何なんですか?」
といつも最初にお聞きするのですが、ちゃんと答えられるご担当者の方は
とても少ないです。
社内で、自社の商品やサービスのコンセプト or 価値 or 便益 or 強み等々を
定義している場合はあり、こちら側の質問に対して、社内定義の内容をお答えいただくことはあるのですが、
実際に顧客にヒアリングすることなく、社内の思い込みで定義して、顧客の実際の感受価値とチューニングできていない形になっていることが多いので、この社内定義でマーケティング戦略、施策を検討実施しても、まぐれ当たり以外は上手くいくことはあまりなく、手詰まり感を感じておられる企業担当者の方はとても多いな、といつも感じます。
これはWEBマーケ界隈あるあるなのですが、
この社内の思い込みの価値定義で、バナーのクリエイティブはこうで、コピーライティングはこうで、LPのファーストビューはこうで、といった感じで広告メディアを制作しても、一歩目からドボンしている状態なので、
どうあがいても、CVR1.0をどうにか上げようとする不毛な戦いから抜け出せない、という状況は変わらないかな、とは思います。
10年前ぐらいまでは、
この感受価値定義とターゲット定義があいまいでも、
グーグルやSNS広告のアルゴリズムでごまかせていたのですが、
ここ数年は、この「お客さんをGETできてる感のごまかし」はほぼ効かなくなってきてるのではないでしょうか。
リピートになり恐縮ですが、星野リゾート社さんの場合、
自分たち社内だけで「リゾナーレ八ヶ岳の強みは何だ? 売りは何だ?」と考えず、イケてなかった当時でも、来てくださっている顧客が実際に感じている、
「心がポジティブに膨れるポイント = 感受価値」
をキチンと顧客からお話を聞いて言語化しているところが
とても良いポイントだと思います。
これ何がいいかというと、(良いことはいくつもあるのですが)
この実際に感じてくれている感受価値を基本コンセプトに、広告メディアを制作すると、
広告がフックし始めるんです。
ターゲットの顧客が実際に感じている価値を言語化し、
それを基本コンセプトにする形になるなるので、
ここ何年もずーと空き枠が多くなっている交通広告でも、
ロードサイドの立て看板に
・ここから車で1時間50分で行けるファミリーリゾート
(子供の車の移動限界時間内で行けます!w)
・ここから下道(したみち)で1時間55分以内で行けるファミリーリゾート
(高速使えば、1時間30分!)
といった、素人感満載の広告コピーでも、効くんです。
効果が出るんです。
これとは反対に、顧客の実際に感じている感受価値をスルーして、
社内&代理店さんの内輪の想像力だけでマーケティング施策を実施すると、
3億5000万円で渋谷ジャックしても、
「CV(売上)=0」
ということになってしまう、という事例を次のnoteコラムでご紹介できたらと思います。
弊社のコーポレートサイトにもいろいろと掲載しております。
ぜひご覧ください。
前回のnoteコラムは下記です。
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