コロナ禍でのショップ移転
初めまして。" januka(ヤヌカ)"というジュエリーブランドのデザイナー兼代表の中村穣と申します。
まずは自己紹介を
NY、オランダでプロダクトデザインを学び、帰国。マーブル状に色付けした陶磁器の器を発表したことをきっかけに陶磁器でジュエリーを作ることを思いつき、2012年に"januka"を立ち上げました。その年のroomsの新人ブースに出展することで世の中へお披露目となり、その後しばらくして台東区デザイナーズビレッジに3年間入居しました。その3年目に伊勢志摩サミットのラペルピンをデザインする好機があり、その後は西荻窪にお店を構えたりしているうちにブランド9年目を迎えました。
移転
そして突然ですが、2016年に縁があって西荻窪に構えた直営店を2021年2月(来月!)の予定で南青山に移転します。
今まで苦手意識からブランドについてなど長い文章を書くことを避けてきましたが、今回の移転はブランドにとって大きな意味があるので、苦手意識を取り払い、移転の経緯や想い、内装のデザインなどについて、ダイアリーとして文章に残していこうと思います。
初回は、移転を決めた経緯についてお話しします。
緊急事態宣言
政府からの要請を受け、2ヶ月間お店は休業。予定していた百貨店でのイベントは全て白紙に。これまで特別なブランディングなどは考えず、作りたいデザインを作って、色々な場所で販売してきたのですが、突如、ポッカリと時間が空いてしまいました。
こんなことは滅多にないことだし、忙しくて後回しにしてきたものについてじっくり考えるいい機会にしよう。そう考えました。
8年目のブランドロゴ変更
まずはjanukaをスタートした時から使ってるロゴを思い切って変えるところから始めました。
ちなみに、前のロゴはブランドコンセプトの「お手本から少しずれる」を表していて、筆記体の練習用に使われる点線のフォントに、横にずらした実線の筆記体を合わせたデザインでした。
思い入れはありましたが、
・点線が多いゆえ刻印にしづらいなどの実用面での欠点があった
・今現在の自分のデザインしてるジュエリーとロゴの持つ雰囲気が少し離れてきたと感じていた
この2点に加え、変えるなら今だということで変更することに。
新しいロゴを作るためにグラフィックデザイナーに頼むことも考えたのですが、初期ロゴの時と同じく、自分で形を決めていく方がらしさが出るかなと、在宅勤務のスタッフとリモートで話し合いながら今のロゴをデザインしました。
スタート当初から考えると、扱う素材が陶磁器やシルバーから天然石やゴールドになり、どんどん“ジュエリー”になりました。janukaの特徴である「構造が装飾となる」ようなイメージをロゴにも反映させることに。何度も調整し、1ヶ月以上かかり決定。
小文字のjの上の点を取って「少しのずれ」をさりげなく表しました。分かりにくいのですが、「Januka」ではなく、「januka」を表現しています。
そしてロゴと同じく、ショッパーもウェブサイトも皆で話し合って大幅リニューアルしました。
お店にまで来てもらうということ
緊急事態宣言が終わり、世の中を見渡してみるとあらゆるものがオンラインで買えるということがコロナで加速した実感がありました。
同時に、利便性やスピードを差し置いてまで実店舗へ赴いて買い物をしてもらうってすごいことだと気がつきました。そして、こうした買い物体験は、今までよりもさらに特別な時間になっていくのではないかなと。
改めて西荻窪のお店を見てみると、お店を構えてから3年が経ち、商品のシリーズが増えたことで手狭になってきたことが気になりました。ビルの新築時から入居し、西荻窪という特色のある街で直営店をスタート出来たことには思い入れたっぷりです。ですが、ロゴと同じように今のjanukaを表現しきれていないなとも思いました。
いろいろな考えを巡らせ、出した答えが「コロナ禍でのショップ移転」でした。
次回に続く。
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