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家族からの要望に応えない

あえて書きます。家族から「ぬりえをさせて欲しい」「歩行のリハビリをさせて欲しい」「植木に水をあげるなどやらせて欲しい」など言われても素直にケアプランに盛り込まない。

この件では過去に失敗があります。

「おばあちゃんは寒がりだから温かい格好をさせて欲しい」「少しでも車イスで足こぎさせて欲しい」

という家族からの意向がありました。そのままケアプランに入れたら、「本人が上着や膝掛けを要らないと言う」「足こぎをなかなかされずすぐ止まる」という記録が続く。

「本人が拒否しても温かい格好をさせるのか?」と現場からは聞かれる始末。

ニーズの取り方を間違っていたのです。

家族はああ言うが果たして現実はどうだろう?という確かめを怠って安易に盛り込んだ結果でした。

ケアプランが実行できないのには必ず理由があります。

「家族が望んでも本人が望んでない」

「人手がないから一対一でついていられない」

「本人がもうそこまでのレベルではない」

などです。

だからこそ、家族からニーズがあったとしても本人からしてそれはどうなのか、必要なことか検討しなくてはいけない。

(もちろん、家族と本人のニーズが一致するときもある)

そして、家族の要望にプランで応えない理由は「あくまでもプランであって、実行できない状態が発生する可能性もあるから」です。家族、そして職員さえも「ケアの仕様書」と勘違いしやすい。

できない状態もありうるのが「計画」(プラン)

かと言って、できていることばかり並べるのも違います。

ケアプランとは「方向性を決めるもの」だと私は思っています。家族の要望に応えることとは切り離して考えています。

とは言え、家族の要望との「おとしどころ」がなければ家族にしては「ならどうして『意向』を聞くんだ!?」と疑問を持たれるでしょう。

家族の要望をどうするか?

要望を全て聞いた上で施設で、できること、できないことを説明する。

なぜそのような要望が出るのか、現場を見て確かめる。ケアプランで対応することか?もっと施設全体で検討することか?判断する。

要望を聞いてもらえない不満が苦情にならないように、丁寧に対応していくしかないと思っています。

おとしどころを作って家族の力をお借りする。

ふさわしいものを持って来ていただく、一緒に考えていただく。家族をお客様でなくて協力者にし、できないことはどうしたらできるかを一緒に工夫できる関係性にしていく。

とは言え私もそこはまだまだ修行中です💦

(人を巻き込むのが苦手な性格)

ケアプランは誰のためのものなのか

改めて考えさせられます。