2. 立ち会い出産
「まだ子宮口、ぜんぜん硬いよ」
激痛なのに生まれてくる気配はない。
普通ならいったんご帰宅のパターンだ。
この病院に勤務しているお義母さんの顔で、
このまま滞在できることになった。
「散歩しといで!」
キツめの看護師さんに病院内を歩いてこいと言われ、暗い病院の廊下を旦那に支えてもらい、お腹を抱えて歩いた。
あらゆる陣痛逃しグッズを用いるも、どれもあまり変わらない、痛みで気が遠くなってきた。
気がついたらベッドの上で寝ていて夜が明け、神々しい太陽が顔を出した。
あれ?あんなに痛かったのに痛みか引いている。陣痛が止まった。
診察してもらうと、
「ん?なんだこれ、指か?」
赤ちゃんの手が頭の上にあるらしい。
「この手を下ろしてくれないと、手から出てくるわけないんだから帝王切開になるけど…もう少し様子みましょう」
頭から手を下げてくれるのを待つ。
その間、陣痛が引いて穏やかな時間が流れた。
1時間後、エコーで確認すると手は下がっていた。
「じゃ、誘発しましょうね」
ここから最大の痛みが到来!甘くみていた。
出産は鼻の穴からスイカが出るほど痛いとは、
このことだ。悲鳴を上げていたことと、
旦那の腕を爪が食い込むほど掴んで、力が入っていたことは覚えている。
陣痛が始まってから17時間、難産に入るのかな?無事に生まれて来てくれた2850gの元気な女の子、これが長女。