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二元論を超えて

人はしばしば自己正当化や自己欺瞞に繋がる思考を無意識のうちにしてしまう。

人権や平等を追求する姿勢が、実際にはその実践で矛盾を孕んでいることが多いことをこの数年で見てきた。

例えば、「多様性を尊重する」や「平等を実現する」といった理念を掲げながらも、実際には他の意見や視点を排除することが多々あって、「自分たちの正義」を絶対視し、異なる立場や意見を軽視することに繋がる時、表面上はキレイな言葉で飾られていたりする。

この矛盾は、「自分たちの考えが正義である」「自分たちは間違っていない」という前提を持つからだ。他の考え方を軽視したり、時にはその立場を強要することに結びつく。

誰もが自由や平等を唱えつつも、社会的に「異端」とされる立場に対して極端に批判的だったり、理解しようとしないことがあるけれど、自分たちの価値観が優れていると信じるあまり、逆に他者の自由や選択を尊重出来ないという矛盾が生じる。これは、社会全体を二元論で見ていて、「正しい」とされる価値観に適合させようとする際に、見えない形で起こる問題だ。

誰もが反対できそうにない、キレイな言葉を語りながらも、自分たちの立場が絶対的に正しいという内面化された自己欺瞞に繋がる理由は、他者の異なる価値観を受け入れる余裕を無意識のうちに欠き、その価値観に対してバイアスを持ちやすくなるため。真の意味での多様性を尊重する姿勢というのは何なのか。わたしはずっと自答出来る人間でありたいと思っている。

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