明治ヨーグルトR-1の受験広告が素晴らしかった。
こんにちは。
大学入学共通テストが、1月15・16日に実施され、
伴って、↓↓↓↓↓の明治R−1広告が話題となりました。
駅から会場に向かう時と、会場から帰る時でメッセージが変わるというアイデア広告です。
今回はこの広告をデコン(deconstruction=脱構築)していきたいと思います。
(あくまで1つの解釈ですし、現役の受験生の方々は別の感じ方をしていると思います。ぜひ忌憚なきご意見をいただけるとありがたいです。)
早速ですが、この広告のポイントは、大きく2つあると思います。
①受験生の不安への寄り添い
カロリーメイトに代表されるように、受験を応援する広告というのは世の中に数多くありますが、
根本は「受験生の不安に寄り添う」ことが目的にあるように思います。
私も受験は浪人期も併せて2回経験しましたが、
学校や予備校の仲間がどれだけいようとも、勉強するときも、受験するときも結局は一人で戦わないといけません。
どれだけ模試で良い点数、判定が出ていても、当日の自分がどんな結果を出せるかは誰にもわかりません。
それでも、最後は自分がやってきた努力を信じるしかなく、不安と戦い、勝たないといけません。
そんな受験生の「受験前の」心に寄り添い、商品とともに応援メッセージを打ち出す、
それが受験広告の大きな役割だと思います。
ただし、そんな受験広告にもデメリットはあります。
受験前後で、受験生の気持ちが大きく変化するということです。
②受験後の不安にも寄り添える広告
うまくいったとしても、失敗したとしても、
受験が終わった後は、受験前とは全く違う不安におそわれます。
「あの問題解けなかったけど、みんな解けたのだろうか」「平均点はどれくらいだろう」「マークミスしてないよな?」「2次試験に切り替えなきゃ」
などなど、共通テストが終わったとて、受験生の心の不安は続きます。
それでも、
まずは1つの関門を終えた受験生たち。
彼ら彼女らに対して、
「まあ気楽にやったらええけん」
というような受験前の気持ちに巻き戻すような広告は逆効果です。
うまくいかなかった人たちからすると、「ほっといてくれ」という気持ちになり、最悪の場合企業にとって逆効果にすらなりえます。
そんな受験生の心の機微に対して、
「角度によってメッセージが変わる」という手法で寄り添ったのが今回の広告です。
・受験前後で気持ちが変わる
ということも
・角度によって見え方が変わる素材がある
ということも、
どちらも一般的に知られていることであると思いますが、それを掛け合わせたことで生まれた素晴らしいアイデアだと思います。
メッセージの世界観も「R-1」のやさしさを体現しており、商品のイメージをしっかり受験生に伝えられていると思います。
また、単発のOOHとして終わるのではなく、
施策としても非常に立体的で、「悩める親目線」でのエールの言葉集もまとめられていました。
「受験は受験生だけの戦いではない」というのは、実購買をする層にも響く良いフレームだなと思いますし、
受験生からみても「薄っぺらい応援メッセージをしているのではないんだな」という納得感に繋がる気がしました。
ちなみに、昨年のカロリーメイトのCMでは、
受験生、その親というところからさらに拡がり、教師目線も取り入れられていました
コロナによって色々な夢が破れ、学生たちは涙し、教師の方々も非常に歯痒い想いをしてきたことがひしひしと伝わります。
まとめ
昨今、価値観の多様化(厳密には「元々多様だった価値観を顕在化できる世の中」)がどんどん進み、
一方通行なメッセージはなかなか受け取ってもらえない風潮があります。
ですが、
今回の広告は「受験生は受験前後で気持ちが変化するのではないか?」という寄り添い方をしたことで、
より受け取ってもらえる広告に昇華できたのだと思います。
テクノロジーや手法が進化し、届け方が無限にもある今日ですが、
「人の気持ちにどれだけ寄り添えるか」
という根本の部分を突き詰めていくことで、ベストの届け方を生むことができる、
そんな学びが得られる素晴らしい広告だったと思います。
お読みいただきありがとうございました。
ぜひみなさんのコメントもよろしくお願いします。
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