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読書日記『Dark Horse 「好きなことだけで生きる人」が成功する時代』

今週読み始めた本がとても終わりそうになく、違う本を手に取りました。
それが『Dark Horse 「好きなことだけで生きる人」が成功する時代』です。
巷の自己啓発本やメンタル系のようなものかと思いきや、とんでもない衝撃的な内容でした。書いてあることはいたって普通、これまで落ちこぼれだった人がある日を境に勢いよく突き進んで成功するというよくある展開なのですが、その転換点になるのが一つの気づきだというのです。
解説者の伊藤羊一氏も「すごい本に出会ってしまった。正直、震えた!」と書いています。
ヤバいヤバい、こんなことしてる場合じゃないぞ、とそわそわしております。

「成功法則」
組織の経営幹部が好きな言葉ですね。
何かと成功事例を共有して全員で目標を達成するのだ!と鼓舞してくる姿はもう見飽きたんですが。
これは標準化時代の名残であり、目的地に向かって懸命に取り組み、コースから外れるな、と個性を封じ込めているので、一番元気なはずの若手社員が既に死んだ魚の目になっている状態です。
今はもう個別化の時代、個性を生かして充足感と成功を目指そうというのがこの本の主張です。
ふんふんなるほど、そうは言ってもね。
この時点ではまだ半信半疑でした。

では標準化時のシステムで成功している人というのはどういう人たちなのか、その現実を知ると一部の特権階級にのみ与えられる称号なのだということが次第に明らかになります。
その中で起こる燃え尽き症候群。
疲れているだけなら休めばいい。
休暇をとったくらいでは回復しないから問題なのに。
つまり、単に休暇が必要なのではなく、「やりたくない」のです。
そうそう、やりたくないのです。
今までなんで、そう口にしてこなかったのでしょう。

著者のトッド・ローズとオギ・オーガスは、そんな標準化のプロセスに合わなくなった時代に生きる私たちの個性と私たちを取り巻く状況が適合することを追求する「個性学」を探求しています。
個性についての理解が深まるにつれて自分自身にフィットする「選択」ができるようになります。

4つの要素

ダークホース

標準化されたシステムにおいての戦略選びの方法は、唯一最善の方法として最初から決められています。
また、成功できるかどうかは確率の問題で、常にゼロサム・ゲームより悲惨な「ネガティブサム・ゲーム」となります。誰かの成功は他の大勢の成功できない人の犠牲の上に成り立っているのです。
組織ってそういうところですよね。
一方、ダークホース的な考え方のもとでは、どのように試行錯誤するかという問題となります。
「少数が成功する社会」から「万人が成功する社会」へ。
誰もが成功していいんだ。

自分に合った戦略を見つけるプロセスは、発見と修正を何度も繰り返すという点で極めて動的である。

その道のりも一直線ではありません。
勾配上昇法、つまり登ったところから見える景色の中からさらに高く登れるところを見つけながら辿っていくのです。

最も重要なことは、充足感の追求となります。
標準化プロセスで成功した時に得られるのは達成感。
それは自らが動くモチベーションにはなりません。
ダークホース的な考え方では、充足感を追求していくことで結果として成功できることになります。

私たちには充足感を追求する「権利」があります。
そして、充足感を追求する「義務」があるのです。
個性を無視され、誰かの示した目標に向かわされて生きる標準化の時代は終わったのです。
自分のしたいことはこれだ!
ということに気づいたら、自ら充足感を求めて上昇すればいいのです。
個性に合ったものであれば、誰もがその個性に応じた最高の機会を受けることができます。

個人的にも、昔ながらの組織にいる人たちには働きがいやパーパスが失われて組織としてもう機能していないのではないかと感じ始めています。
もうこれを読んでしまったからには、そんな組織に居座る理由はなくなりました。
やりたいことはこれだ!
もう、そこに向かうしかありません!


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