読書日記『80歳の壁』和田秀樹
なんだかなあ。
もちろん80歳までまだ少しありますので自分のために、というより老親に読み聞かせでもしようと思っていました。
ところが、途中からだんだん「?」と思うことがちらほら。
例えば、高齢者の癌は切らなくてもいい、というところで近藤誠医師の名前が出てきます。今書くだけで信者と間違われないかビクビクしてしまうのですが、あまり現代医療を過小評価するのもどうかと思ったりしました。
薬も勝手にやめてはいけません。
いくら(この薬効いてないんじゃないか?)と感じても、投薬の是非を確かめるプロセスは省かないでいただきたいと思うのです。
確かに、医者は病気を診てもその患者の健康や幸福度には関心がないように見えることがあります。でもそれは、病気を診断して治療するプロだからなのです。決して、患者さんのことを考えていないわけではないはずです。多くの人は、若くて健康な時にはそれほど医者にかかることもなかったけれど、今不調だから病院に行くのです。今70代、80代以上の方は、若い時に自分の健康を考えるなんてことができなかった世代です。そのツケまで本人にとらせることはないのではないかと思うのです。
ただ、80歳まで生きていたら「幸齢者」だぜ!
もっとラクに考えていこう!
という考え方は健康に長生きするには必要なことだと思います。
そんな「幸齢者」のための提言をカルタ形式にしています。
その中でも、これはいいなと思ったのがこちらです。
あ 歩き続けよう。歩かないと歩けなくなる。
い イライラしたら深呼吸。水や美味しいものも効果的。
き 記憶力は年齢ではなく、使わないから落ちる
こ 孤独は寂しいことではない。気楽な時間を楽しもう
さ サボることは恥ではない。我慢して続けなくていい
つ つきあいを見直す。嫌な人とはつきあうな
ま 学びをやめたら年老いる。行動は学びの先生だ
み 見栄を張らない。あるもので生きる
や 役に立つことをする。自分の経験を生かせばよい
り 「リラックスの呼吸」で老い退治
この本、今週の新書ランキング1位になってましたが、自由奔放な自称「幸齢者」が蔓延らないことを祈ります。若い年代をますます苦しめることがありませんように。
死生観については、死を前にしてなお自由に生きることを貫いた『これでおしまい』(篠田桃紅)の生き方が断然かっこよくて憧れますね(あくまでも個人の感想です)。
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