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「 夜、樹木、朝 」

 夕暮れの公園にて。
 木を挟んで左に夜、右に朝のような風景。
 それがなぜなのか、不思議に調和している気がした。

@杉並区

●撮影ノート
「NIKKOR Z 40mm f/2.0」+「Nikon Z6」
焦点距離:40mm
FNo:4.0
シャッター速度:1/100
合成ISO:3200
合成露出補正:-0.5EV
 与謝蕪村の句に「菜の花や、月は東に日は西に」ってのがありましたが、現場ではそれをなんとなくイメージしていました。

 この風景、左側は人工照明と厚雲りの暮れ時の日のミックス光源で、右側は都会の夜の光。そして右側は典型的な都会のマンションバックなのに、左側は鎧張りの木造住宅という、ケヤキの木を挟んで二重に対比っぽい構造になっていました。
 こういう風景では、普段の私なら真ん中に木を置いた左右の構図にしちゃうところです。
 が、EVF越しに風景を眺めていて、それはなんか違うなと感じちゃったからさあ大変。
 右目(EVF)で眺めたり左目(肉眼)で見たりを繰り返しつつ、ああこれは不安定だけど安定するような“感じ”で撮ればいいのかもなあと思い、木を微妙に真ん中から外し、木が左にのしかかりそうになるところを街灯に支えてもらってるような構造とし、右の重りになっているような人ともバランスする。
 一方で光の具合はというと、右上のミックスした変な当たりかたの光が面白かったので、それをいわゆる1/3の位置に入れて少し目立つようにしつつ、左下の「夜」の部分と対象形とする。
 こうすると明るい部分と暗い部分が対象形になるだけでなく、面白みを感じた現代と昭和みたいな部分も同じ対象形になるので、見やすい(気付きやすい/感じやすい)のかなあと。
 あとは目で注目していた部分がギリギリ入る画角を選びつつ、木と人と左の家の存在感が大きさ的(パース的)に丁度良くなる焦点距離を模索して、ついでにブランコを漕いでいる子供がいい位置にまとまる瞬間を狙って、一枚の写真にまとめたのでした。
 私としては珍しく、スナップというよりは作品を撮るような時間を掛けて(と言っても撮ると決めて10秒くらい?)撮った一枚ではあります。

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