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【モアナ2】のポスター

各ポスターを見比べて語ってみます。

通常版

こちらが通常板で、全ての基本になります。要素としてはモアナとマウイの主要キャラ2人に加えて、第一作から登場しているサブキャラの豚と鶏を描いています。

また注意深く観察しないと見逃しやすいですが、ヨットのマストには新キャラのカカモラ(ココナッツ小人族?)も描かれています。モアナが島から連れて行く3人の仲間はオミットされています。

遠景には物語に登場する巨大な貝(このポスターを見るだけでは動物には見えませんね;劇中で印象的に描かれる眼球が描いてありません)と、さらに遠くにはナロがかけた呪いの嵐が見えます。

IMAX版

被写体との距離を近くすることでIMAXの臨場感を表現しています。

モアナが掴んでいるロープが上に飛び出していることで上下の広がりを意識させて、巨大なIMAXスクリーンを想起させる良いデザインです。

登場人物も時間帯も通常版とほぼ同じですが、こちらにはカカモラが描かれておらず、ナロの嵐もありません。「映画を観るんじゃなくて、その場に居る感覚を重視する」というIMAXの思想によく合致したポスターだと言えるでしょう。その場に居るだけだから、映画内のものが映画内現実の通りに配置されている必要があるわけです。それをたまたまカメラでパシャリと一枚の写真に収めたというニュアンスですね。

ドルビーシネマ版

ドルビーシネマ版は本編には使われない色彩で、異なる写真をスクラップしたようなデザインとなっています。描いてある要素は通常板ポスターと全く同じなのですが、サイズ感がバラバラなので、異なるカメラで撮った写真を切り貼りして作った大きな一つのアート作品、という感じですね。IMAXとは全く逆の方向性だと言えるでしょう。

ドルビーシネマは構図や色彩に趣向を凝らしたポスターが多い印象があります。もちろんIMAXや4DXなどでもデザインの変更は加わるのですが、ドルビーシネマでは特に変化球になっているというか、通常板ポスターの迫力をそのままアップさせるのがIMAX版で、異なる視点を提供するのがドルビーシネマ版というのが多い印象があります。

上段:通常版ポスター
下段:ドルビーシネマ版ポスター

日本版

米国の通常板と構図などはよく似ていますが、日本版では3人の新キャラも描かれています。意思を持つ「海」も描かれていますね。

しかしモアナのキャラ解釈が全然違っています。

並べて見比べると判りやすいですが、米国版の勇ましいポーズと表情に対して、日本版はかなり大人しいです。モアナのオールの持ち方が違いますし、何よりも表情が全然違います。

全体的に海外版でのモアナは自立した強い女性として描かれているのに対して、日本版では勇ましく見えすぎないように工夫していることが見て取れますね。

(了)

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まいるず
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