石丸伸二の応援演説が白々しい件

国民民主党の応援演説に石丸伸二が登壇した動画がTwitterにあった

色々気になったので、全文書き起こす。

以下、引用。

さて、皆さんに、国民民主党の応援ではなく、大事なメッセージをお贈りします。

こういう選挙の時には、勝ち負け、当落、という言葉が出てきます。

でもよく言われる勝ち負けは、本質じゃないんです。

その候補、その党にとっては、勝ちも負けもあります。

が、しかし、有権者にとっては、どっちでもいいんです、究極。

ただ唯一「負け」があるとするならば、投票に行かなかった人が居る、この状態です。

今回の選挙、ちょっと、盛り上がりを欠いているかもしれません。

ちょっと投票率、下がるかもしれません。

これが負けです。

そこで!

今日お集まりの皆さんに、作戦を伝えます。

今日この後、多くの方は、電車やバスで帰られるでしょう。

その際に、気持ち大きめの声で、

「明日選挙だねえ!盛り上がってるらしいよ!ワクワクするよね!」

と30分から1時間、話し続けてください。

その声が、多くの勝者を産みます。

この国のむ、未来は!他でもない!皆さんに懸かっています!

皆さんの力で!この国をォ(*声が裏返る)!動かして見せてください!

皆さんに!国民に!期待します!

引用、終わり。

▼解説:

相変わらずの中身が薄っぺらい、胡散臭い語り口調が鼻につく。

こんな自称政治家のYouTuberを今でも応援したり心酔したりしてる人が多く存在するという事実が非常に嘆かわしく、残念である。日本には、雰囲気だけで判断する人がいかに沢山いるのかよく分かる。…まあ人口1億人の国だから、1%の超少数派でも100万人を超えるので、SNSでは余計大人数に見えるよね。

危機感に気づいて欲しいので敢えて極端な例を出すが、新興宗教の教祖様の言葉を本気で信じる信者や、ネットワークビジネスにハマる詐欺被害者や、第二次世界大戦の前にヒトラーの演説に心酔していたドイツ国民と、心理的なメカニズムはあまり変わらないよ。(*私は石丸伸二が犯罪者や独裁者であると言ってるんじゃなくて、石丸伸二を信じてる人達の思考回路がそういうカルト信者と一緒になってると言ってるだけなので、そこは履き違えないでね)

石丸伸二を支持したい人達は「石丸さんは選挙に行く大切さをアピールしただけである」と擁護コメントをするが、彼がそのメッセージの周辺で色々詐欺師のような弁論テクニックを使っているので、そこを整理しておきたい。

以下、石丸伸二の演説の中で特に気になったフレーズを確認する。

>国民民主党の応援ではなく、大事なメッセージをお贈りします。

いや、その言い分は無理よ。(笑)

選挙カーに登壇しておいて「これは応援じゃありません」で通せるわけが無かろう。

飲食店に入って料理を注文して食べておいて「私は客として食事しているのではなく、これは料理の研究です」と言ってるのと同じくらい無理がある。飲食店に入って注文して食べたら、それは客観的に見て、立派なお客様である。

パチンコ屋の近所に、たまたま特殊景品を高額で買い取ってくれる質屋が存在した、、、と同じくらい胡散臭い。(笑)

風俗店に行ったら、たまたま男性客とソープ嬢が自由恋愛したので、提供サービスに含まれない性行為をした、、、と同じくらい胡散臭い。(笑)

石丸伸二「国民民主党の街頭演説をたまたま見に行ったら、党の関係者が挨拶していいよと言ってくれたので、みんな選挙に行こうね、とだけ言いました」

いやいやいやいや。(笑)

石丸伸二は真正のバカなのか、致命的に常識が欠けている無知なのか、それとも本当は理解してるくせに「愚民」を騙すために詭弁を使っているのか、判別はつかない。ただし言ってる内容が間違っていることだけは確実に言える。

このように「間違っていることをさも正しいことのように語る」テクニックを、私は「詐欺師(嘘つき)のような弁論」と形容している。

そして演説の最後で、すぐに判るが、この発言部分はやはり嘘であった。

>勝ち負けは(中略)有権者にとっては、どっちでもいいんです、究極。

何を言ってるんだ、コイツは?(笑)

テレビ番組『そこまで言って委員会』でも少子化対策の打開策を訊かれて「究極の論理」を披露してたけど、今回も発動か?

選挙の勝ち負けは有権者にも重要である。

有権者は自分の意見を民意に反映させるために投票するのであって、その結果である勝敗は最も重要な事項である。

いざ負けた時にその結果を受け入れる態度は必要だが、最初から意味がないと思って勝負に臨むものでは決してない。

これは石丸伸二自身が、安芸高田市長(第二期)でも東京都知事でも、選挙に勝てなかったことの負け惜しみであり、論理のすり替えである。もしかしたら石丸伸二のコンプレックスの発露かもしない。…それでも熱狂している石丸信者はまんまと乗せられてこの発言を称賛するのだろうが。

冷静になって考えて欲しい。勝つために頑張ろうと盛り上げてる集会で、勝ち負けに意味はないと言ってるんだぜ?これは応援演説で「この政党はどうせ勝てない」と言っているのに等しい。

要するに、有権者(特に国民民主党の支持者)にも政党(国民民主党)にも失礼な発言であり、喧嘩を売っていると解釈できる。

この時点で石丸伸二は、もし国民民主党が議席数を大幅に伸ばしたら「自分の応援演説で効果があった」と、自身のYouTubeチャンネルのLIVE配信でファンに向けて吹聴する腹づもりだったのだろう。そう、勝ち負けはどっちでもいいと言ったけど、いざ勝ったらそれをネタに自慢できるのである。

もし負けたら、もちろん「そんなのどっちでもいいでしょ」と言って責任を逃れるのに使える。「ぼく最初からそう言ってましたよね」とドヤ顔をしながら。ああ、なんて卑怯で胸糞悪い作戦なのだろうか。

石丸伸二は、支援者も政党も侮辱しておいて、自分は逃げ道を確保しつつ、美味しい所だけは持っていくつもり…という声が上がってもおかしくない。(←これ石丸伸二が有名な「恥を知れ演説」で使ったレトリックやで;笑)

自分の保身と売名ばかり考えているから、こういう集会に登壇させてくれた人達(国民民主党の議員たち)に対してまで、ナチュラルに失言できるのではないか。

>今日お集まりの皆さんに、作戦を伝えます。

「作戦」という、あまり政治の話に聞こえない、ゲーム性のあるキーワードを使うのは、普段政治に興味がない人やゲームに馴染みの深い若者を巻き込むための、効果的なテクニック。特にSNS利用に長けている人達とゲームは相性が良い。

石丸伸二が漫画やアニメをよく引用するのと、本質的には似ている。

石丸伸二のこういう言葉選びのセンスやテクニックは優れている。まあ方法論としては常套手段だから彼が「偉大なる発見者」とかではないけどね。でも、こうして「当たり前を当たり前に実践できること」は評価できる。これは私が石丸伸二を(政治家としては疑問だが)インフルエンサーとしては優秀だと評価する理由でもある。

>皆さんの力で!この国をォ(*声が裏返る)!

ここで石丸伸二が、感極まったように声が裏返っていることに注目したい。

いかにも感情的になっているように見せて、大衆を扇動するのは、ヒトラーもそうだけど、小泉純一郎もよく使っていた演説テクニック。詐欺ビジネス集団やブラック企業や新興宗教が、メンバーをマインドコントロールする時にも使われる。

小泉純一郎「痛みに耐えてよく頑張った。感動した!」(2001年5月)
https://www.sankei.com/article/20181013-DXAT4RUARJPJFB3U5ECJNGP7H4/

石丸伸二は、自分の選挙でもないのに、あんなに熱を帯びた言い方をして、ああ白々しい。眉唾、眉唾。

ちなみに石丸伸二は著書『覚悟の論理』の中で、「感情に囚われてはいけない」と力説している。一体どのクチが言ってるんだ?(笑)

実は相手を感情でコントロールしてるのに、相手には「自分は理性で判断している」と思わせるのも、洗脳をかける時に重要なテクニック。

ここに書いてるのは私の分析と感想だけど、石丸伸二がそれを使っているかどうかは、視聴者の皆さんが各自で判断してね。

>皆さんに!国民に!期待します!

狡猾なテクニックの言い回しである。

国民民主党の選挙カーに登壇して「国民」と発言したら、それは国民民主党の略称だとも聞こえるし、そう解釈する方が一般的な感覚として普通だ。表立っての応援は立場上できなかったのだけど、この政党を応援していることを「わかる人だけにはわかる秘密のメッセージ」として発言した。そう解釈するのが文脈を読むということである。

石丸伸二は、後からいくらでもすっとぼけて言い逃れできるように「国民」とだけ発言したと推察できる。

たぶん本人は「しめしめ上手いこと言えたぜ」くらいに考えてそうで辟易する。(*全然上手くない)

最初に「国民民主党の応援ではない」と宣言してから、わずか1分後に石丸伸二はその言葉を嘘にした。これは政治家がついた嘘としては世界最速記録でギネス認定も狙えるのではないだろうか。(笑)

▼国民民主党の事後対応:

一方で、突撃された(?)国民民主党の玉木代表は火消し(?)に追われていた

記者「朝日新聞のマツイです。石丸さんにマイク演説を依頼されましたが、どういった経緯で(石丸さんは)参加されたのですか?」
玉木「いや、知りません」
周囲(笑)
玉木「全く知りません。はい、あの、来たら…着いたら居たので。で、あの、まあ、事務型から、来た…居るんで、一言挨拶貰っていいですかって言われたんで、そりゃ、ダメって言うわけにいかないんで、まあどうぞ、ということだけでしたんで。事前の、あの、話も連絡も打ち合わせも一切してないんで。…はい。以上です」
記者「ふーん」
周囲(笑)
玉木「本当に。(笑)本当に知らなかったので」

なんか、本人も周囲もヘラヘラした感じなのが気になる。これが石丸伸二の演説から何分後の映像なのか判らない。しかし、今ではほぼリアルタイムでSNSで現場の状況は拡散されるし、それに対する反応もすぐに集まる。それを踏まえると、この時点で玉木代表と現場スタッフは石丸伸二登壇を受けてSNSが炎上していることを把握してて、マスコミに向けた答弁で些細な笑い話のように見せて、ネット炎上を沈静化させようとしているようにも見える。

この珍事は投票日前日の夜に起きたので、日付が変わる前に玉木代表はTwitterを更新して釈明した。24時を回ると何も発言できなくなるからね。あまり推敲する時間は取れなかったと思われるが、なかなか乱暴で危なっかしい文章となっている。党の代表の公言としては、かなり無責任だと私の目には映る。

街頭演説が連日続いて現場は指揮系統が混乱し、ここまで票読みも良い数字が出てきて、国民民主党の選挙関係者もある種のハイな状態になっていたのではないかと推察できる。

しかし、それにしても「現場を盛り上げたいという判断」だけでゴーサインを出したのは、思慮が浅はかな行為だったと反省するべきだろう。

なんなら、この玉木代表の認識に虚偽が一切無いなら、国民民主党のネガティブキャンペーンとして内ゲバか、敵対勢力からの刺客として石丸伸二が特攻を掛けてきたのではないか、とさえ私には思えるよ。(笑)

ああ、でも国民民主党の幹事長は石丸伸二を高く評価してるんだっけ。ネット世論がどんなに集まってマイナスを叫ぼうが、都知事選165万票というリアル世論の実績に鑑みればプラスが大きいという算段だったのかもしれないわね。

何にせよ、代表が党をコントロールできてない印象を残してしまったのは悪手だったと私は感じた。

▼総括:

さて、ここから先は玉木代表の言葉が真実を述べていると信用した上での、私の感想だが、、、

石丸伸二はアポなしで特定政党の街頭演説に突撃して、そのまま選挙カーに登壇して喋るという、やってることがマジで迷惑系YouTuberと完全一致してて爆笑ものである。

これは2020年頃に有名人にアポなし突撃してメントスコーラを強要して売名行為していた頃のへずまりゅうと本質的には同じである。

石丸伸二は自分で選挙に出馬できない(政党の支持を得られない;資金集めができない;魅力的な政策を提示できない)ので、話題の政治家にネットで噛みついたり、人気政党の街頭演説をジャックするなどしたりで、なんとかトレンドに居続けようと努力しているだけに見える。

迷惑系YouTuberはもう絶滅したと思ったが、まさかの政治ジャンルで復活するとは。

もっとも、へずまりゅうは今はすっかり改心して、奈良公園シカ保護とか靖国神社警備とか川口クルド問題地域パトロールに転向したから、実際に社会の役に立ってるけどね。

今後社会の役に立つかどうか未知数な石丸伸二には、へずまりゅうの爪の垢を煎じて飲ませたい気分だ。

(了)

関連記事


最後まで読んでいただきありがとうございます。ぜひ「読んだよ」の一言がわりにでもスキを押していってくださると嬉しいです!