ロケット打ち上げを妨げるもの
本日27日に、種子島宇宙センターで打ち上げが予定されていたH2Aロケット(41号機)は、打ち上げが延期されました。理由は天候悪化。安全保障などに関わる政府の情報収集衛星が搭載されていたのですが、さすがに雷などが予想される中では、衛星にもどのような影響があるかわからないということのようです。打ち上げは現時点では明日28日の予定とのこと。さすがに、天気だけはどうにもなりませんよね。
今回は天候の影響でしたが、ロケットは打ち上げが延期になることが少なくありません。その主な理由は、ロケット本体の、または搭載する衛星などの技術的な問題。発生率、延期日数ともに天候の影響による延期より何倍も多く、宇宙開発の難しさを物語っています。
ただ、近年の打ち上げだけを見ると、現在日本での打ち上げの主流となっているH2Aロケットは信頼性も高くなっており、延期なく、もしくは天候による延期のみで打ち上げに成功しているものが大半になりました。
ところで海外のロケット打ち上げになると、天候や技術的要因以外に別の理由によって打ち上げが延期されたりすることがあります。
それは「政治・軍事的理由」というものです。政府が管理するプロジェクトはもちろんですが、民間ロケットの打ち上げでも軍事施設を利用する場合などでは、政府や軍の都合によって予定通り使用できなかったりすることがあるといいます。そのような場合には、天候や技術的問題と異なり、何ヶ月も延期になるのだそうです。
宇宙開発・利用がもっと民間にとって身近になるためには、こういった延期などの不安定要素をもっとなくしていかねばなりません。しかし、技術的問題についてはなんとかなるとしても、天候や政治的な理由ばかりはどうしようもありません。
そんな中、現在注目を集めているのが、アメリカのVirgin Orbit(ヴァージン・オービット)社のどこからでも打ち上げられるロケットです。ボーイング社の民間ジェット機を改良した機体から、人工衛星を搭載際したロケットを空中発射する構想で開発が進められており、昨年6月、ANAホールディングスとも業務提携しました。
そう遠くないうちに、ジェット機に乗って、その窓から宇宙ロケットの発射を見守るというツアーなどが実施されるかもしれませんね。