次の宇宙葬を予想する
宇宙葬を定義すると、遺灰を宇宙に送り届ける葬送ということになるかと思います。
かつて気球に遺灰ののせて空に飛ばす供養も宇宙葬と言われていた時期がありました。もっとも気球は一般的にここから上が宇宙と言われる高度である100キロメートルまで届きませんので、やはりロケットを使って打ち上げる方法のものしか宇宙葬ということはできませんでした。
しかしロケットの打ち上げはどこでもできるわけではありませんし、天候の影響で延期になることもしばしばあります(もちろん、それ以前に技術的な理由で延期になることは普通にあります)。宇宙葬の実施を見守ろうと現地に行ったはいいものの、何日も待たされるということになる可能性は有るわけです。
こうした問題を解決するかもしれないのが、空中発射ロケットです。
今年の1月ですが、アメリカに有るヴァージン・オービット社がランチャーワン(Launcher One)というロケットの打ち上げに成功。人工衛星の軌道投入を行いました。
このランチャーワンは、コズミックガール(Cosmic Girl)と呼ばれる空中発射母機に搭載され、飛行中に発射されます。1月の打ち上げでは到達高度が500キロメートルだったそうで、完全に宇宙に到達していますね。ヴァージン・オービット社はこのランチャーワンの発射に成功するのは3度目だそうで、今後も打ち上げが加速していくことでしょう。
この方式が優れているのは、天候や様々な地理的要因などで特定地域での打ち上げが実施できない場合に、場所を変えて実施できるという点です。この点、飛行機に搭載して移動下場所で実施できるというのは、とても大きな強みだと思います。
そしてそれは、宇宙葬に関して言えば、例えばロケットの発車を見送りたい遺族らにとっては、大きな価値を生むかもしれません。
現在、日本で提供されている宇宙葬は、銀河ステージの「スペースメモリアル」にしても、最近参入したばかりのSPASE NTKのものにしても、打ち上げは米国で行われています。したがって直接見守りたい場合にはアメリカまで行く必要があります。しかし、空中発射ロケットを使用する場合は、日本の空港から母機または僚機に搭乗し、打ち上げを間近で見守るといったことが可能になるかもしれません。