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日本で3番目の成功実績を持つ宇宙葬業者、SPACE NTK(スペースNTK)誕生

 前回の投稿以来、急に本業が忙しくなってしまいましてなかなか投稿できませんでしたが、ようやく再開の目処がついたので再び宇宙のことなど書こうと思っています。
 とはいえ。宇宙に関してはいろいろユニークな、またためになる記事を書く方をSNSでたくさん見つけてしまいまして。今やその方々の大ファンとなってしまった私が、その方々の後追いのようなことを書いても仕方ありません。そこで今の所、ある意味宇宙でも一番興味のある分野に限ってなら何とか書けるかもしれない、と思いまして、しばらくは宇宙葬関連を中心に書いてみたいと思います。

 昨年の11月。J CASTに「故人の思いを乗せて、宇宙へ――。ベンチャー企業SPACE NTKが手がける日本初の宇宙葬」という記事が掲載されました。
 その記事では、

「日本初の「宇宙葬(宇宙散骨)」がまもなく行われようとしている」

J CAST 2021年11月27日11時45分 公開記事より

と書かれており、スペースX社のロケットによる実施も含めて、とても画期的であるかのように書かれています。

 読めば「これはすごい」と思わず言ってしまいそうな内容ですが、宇宙葬について多少なり興味のある方ならば、おや?と思うところです。

 もう2年も前ですが、私JGは宇宙葬ビジネスに参入しようとしたSPACE NTK(スペースNTK)が失敗した話を書きました。
 その中でも書いたのですが、日本国内で、SPACE NTKよりはるか以前から宇宙葬を提供している企業はいくつか存在しました。株式会社銀河ステージはその代表と言えます。銀河ステージは、ブランド名「スペースメモリアル」で宇宙葬を過去何度も成功させてきているので、こちらの名前のほうが知られているかもしれません。そして2番目に成功したのはエリジウムスペース社です。流れ星供養プランを2度実施し、次は月面供養プランを予定しています。
 カプセルに遺灰を収め、人工衛星に載せ、スペースX社のロケットで宇宙に送り届けるというところまで、記事で紹介されている内容は先行企業のサービスと特段違いが有るようには思えません。
 しいて言えば違いは、遺灰の一部ではなく全部を宇宙に打ち上げるプランが有る、というところぐらいのようです(ただそのプランについては価格は1000万円)。

 「遺灰全部の宇宙葬プランを打ち出したのは日本では初めて」ということならばわかりますが、しかし記事の書き方だとそうは読めません。宇宙葬自体が初めて行われるかのように、普通は受け取るでしょう。記者は業界事情に詳しくなかったのかもしれませんが、誰か指摘しなかったのでしょうか。まあSPACE NTKにとっては、嬉しい間違いというところなのかもしれません。

 とはいえ、ちょっと調べれば日本初ではないことなどすぐに分かるので、申込みが集まらずまた失敗するんじゃないかと思って見守っていたのですが、読売新聞オンラインの4月18日の記事によると、今月の4月1日、初施行を実施していたことがわかりました。

 公式サイトでの表明がないので記事を読む限りですが、無事に宇宙軌道に送り届けることに成功したようです。また来年の打ち上げも計画しているようなので、日本国内で3番目の企業誕生、と言えるでしょう。

 ただし記事には遺灰全部の打ち上げに触れていないので、このプラン自体に申し込んだ人はいなかったのでしょう。そういう意味では、日本初となる全遺灰の宇宙葬実施はならなかった、ということになります。今後どこがそれを最初に実現するか、興味深く見守りたいと思います。


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