小学六年生の私と、高校生の私へ
小学六年生の私へ。私は15年後のあなたです。
高校生の私へ。私は10年後のあなたです。
小学生の私は、いじめられて辛い日々を過ごしていると思います。高校生の私は、毎日ただ何事もなく過ぎ去るのを待つだけで楽しくない日々を過ごしていると思います。
あなたたちに共通していることは、人と話すのが下手で、友達がいないことです。
中学生の時は楽しかったですね。友達ともたくさん話して思い出もたくさんあります。小学生の私からすると夢のような日々だと思います。高校生の私からすれば、楽しい過去だったでしょうね。
小学生の私は、できることなら死にたくて、大人になる未来なんて考えられなかったでしょう。でも高校生の私は、いつか大人になってしまうことも受け入れて生きていると思います。
あなたたちは大人になれば、人と話すことが平気な「普通の人」になれると思っているかもしれません。だって普通の大人は普通に人と話しています。大人になれば世間話をするくらい朝飯前になれると思っているでしょうか?
残念ながら、大人になった私は未だに人と話すのが苦手で、新しい友達だって全然できません。
だって当然です。人生というのは地続きなんです。大人になったからといって、今までできなかったことが簡単にできるようになるわけではありません。そんな自分を打開するためには努力をするしかないんです。
あなたは話しかけてくれた同級生と、少しでも話そうという努力はしましたか?困っている時に助けてくれた人に、しっかりした声で「ありがとう」と言えていますか?
大人になった私は、そんな簡単なこともまだできません。小学生の頃と比べれば少しはマシになりましたが、理想とする普通の大人にはまだなれていません。
もしかしたら小学校時代のいじめがなければ、もう少し臆することなく人と話せるような人間になれたかもしれません。でも大人になって思うのは、きっとこの人見知りな性格は私の生まれ持ったものです。他人が簡単にできるようなコミュニケーションを人並みにできるようにするには、ひどく労力が必要です。
大人の私は、できないことを受け入れています。世間話ができなくても、上手く話すことができなくても、それでも私は私。
でもやはり時々、思うところはあります。子供の時だったらそんな引っ込み思案なところも「この子は人見知りなのね」と思われるだけだったはずです。でも大人になると、相手がどう思ってるかに関わらず「こんなこともできない私はやっぱりダメな人間だ」と私は考えてしまいます。変わりたいと思う一方で、私はきっとこれからも変わることができません。
そんな私でも結婚をすることができました。あなたは働くようになっても人付き合いで苦労します。それでも夫と出会えたなら、私の変わることのできない性格でも悪くなかったかなと今では思います。
人生は地続きです。もし少しでも変わりたいなら、小さなところから挑戦してみるといいかもしれません。でも変われなくても大丈夫だから、決して無理はしないで。あなたのひどいくらいの人見知りもあなたの個性。その劣等感はなくならないけど、納得はできるようになるよ。
未来の私は、それなりに幸せです。
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