投票に行った日のこと
今日はそこまで暑くない日だった。
選挙に行ったのは何年ぶりかな、思い出せない。
休みの朝は主人がやたら早起き、リビングから控えめなテレビの音がする朝6時前。
暫くしてご飯を炊き忘れていたのを思い出したけど、食べたかったら主人が自分で炊くだろうとまた眠る。
半分覚醒した耳に「ズソソーッ」主人がカップラーメンをすする音。ご飯くらい炊けよ!と時計を見たら9時。そろそろ起きるかー。
朝は豆乳を飲む。何てったって更年期だからね。でもイライラしないしあんまり自覚症状ない、ワハハー。気分障害だからどちらかと言うと脳ミソの為に飲んでるのよね。
ソファーで見るともなしにテレビを見ながら脳と身体が起きるのを待つ。普段1人の時には殆どテレビは見ないけど、主人はテレビ爺だから休日は少し…少しじゃないか、かなり煩い。
10時を回る頃、髭剃りを始める主人。「選挙いくの?」と尋ねると「おう!」私も支度を開始。
徒歩200m位の小学校、近くて有難い。行く途中何度も空を見上げる、いいお天気だ。
毎年、珍しいヒマワリを数種類植えている花卉栽培の畑を見ながら「今年は育ちがよくないねぇ」って主人に話し掛けるが無視される。この人は自分の興味の世界から絶対に出てこない。
そして取り壊している小さな会社の横を通リかかる。「食い物屋にならねぇかなー」と主人が言う。ならねぇわ!!
小学校に着く。割と古い建物なのでノスタルジックになる。理科室に図工室、家庭科室、懐かしくてつい覗き込む。
会場は音楽室だった。受付をして貴重なユポ紙を受け取る。鉛筆はゴルフに使うようなあれで、細いくて持ちにくいわ、芯が尖り過ぎで書きづらいわで少し萎む。コロナ対策なんだろう、仕方ない。鉛筆の太い芯が滑らかにユポ紙を滑る、あの感覚が大好きだったのに。こんな所でもコロナ憎しと思う。
投票用紙を半分に折る。爪に全ての憎さを込めてもォ~♪ユポ紙には勝てなぁ~い♪(THE YELLOW MONKEYのファンにしか分からんと思います)などと脳内で替え歌を流しつつ、投票箱へ。
音楽室を出る前に目に入ってきたアコーディオン。赤いのと青いの。あのセルロイドみたいなボディがすごく好き。鍵盤に音階のシールが貼ってあっていかにも小学校らしい。
そしていつもシマシマの服の、金髪のアコーディオン奏者の名前がこれを書いている今もまだ出てこない。
帰り道、とあるマンションの前で「あらァ~」って知らないオバサンが主人に挨拶してきた。会社でお掃除を担当しているパートさんらしい。近所に住んでいると聞いていたけど近すぎるだろ!!あと身なりがどエラく個性的で脳裏から離れないんですけどもー!!
さてもうすぐ家だ。昨日主人が「靴下買いたいな」って言ってたし、これから久しぶりにショッピングモールへ買い物だー!と思っていたら玄関前で「お爺さんは山へ(パチンコと言う名の)芝刈に」と言われ、早足で去って行った。
は?じゃあ私は川へ洗濯しに行けってか、バーカバーカ!!フィーバーした途端に脂汗滲む程の下痢に襲われろ!!
腹が立ったので洗濯しなかった。
いつもこっそり買ってしまってある湖池屋ポテチのり塩大袋を開けて、新発売のカルピスヨーグルトを炭酸で割って、録画しておいた“ワルイコあつまれ”を見ていた。
昨日のあの事件の影響なのだろう、胸の中の湖のようなものに静かに波が立ち始めた。これはいかんぞ、早めに安定剤を飲んで横になる。
そしてベッドの中から、初めてのnoteをしたためた。思っていた以上に書けてしまってビックリしている。
この機会を作ってくださった岸田奈美さんに感謝します。
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