意地と涙と後悔
私は人前で泣くことが苦手だ。
いつからだろう。
小さい頃はあんなに上手な噓泣きで周りを困らせていたのに。
いつの間にか、感情を表に出すことが苦手になった。
特に悲しみの感情を。
これはいつ頃のことからなのか、考えてみる。
ぱっと思いついたのは2015年の24時間テレビ。
24時間テレビ内のドラマ「母さん、俺は大丈夫」を見た時のことだ。
Hey!Say!JAMPの山田涼介君が主演を務めた、サッカー少年の闘病のお話。
当時小学四年生。
家族みんなで見ていたことを覚えている。
はっきり内容を覚えているわけではないが、今回これを書くにあたって、少し調べてタイトルを見た瞬間、今でも物凄く胸が苦しくなるくらいの衝撃はあった。
あれを見て泣かない人はいないだろう。
もう一度見たいけど、もう二度と見たくない気もする。
それくらいの衝撃はあった。
気になった人はぜひ調べてみてほしい。
もちろんお父さん、お母さんは号泣していた。
お兄ちゃんと弟も泣いていた。
でも私は泣かなかった。
正確には、泣けなかった。泣きたくなかった。
ドラマが終わった瞬間、ゆっくりとトイレに駆け込み、
日本語がおかしいが、気持ちは駆け込んでいた。
しかし怪しまれないようにゆっくり歩いて行ったのだ。
トイレの中で数十分、声を押し殺して泣いた。
溜まっていた分をすべて吐き出せた訳ではないと思うが、静かに一人で泣いた。
家族に聞こえないように、隠れて泣いた。
今考えたら聞こえてたはずだが…。
トイレから出るとき、目が腫れているのをなんとか隠そうと、水で顔を洗って、ちょっと経ってからトイレを出た。
どうしてだろう。
でもそれくらい家族に泣いていることを知られるのが嫌だった。
例えば、悔し涙を見せるのは恥ずかしいかもしれない。
小学四年生で怪我をして泣くのを見られるのは恥ずかしいかもしれない。
でも私は感動して流す涙さえ嫌だった。
私が覚えている限りでは、それが一番最初の家族に隠れて流した涙だ。
それ以降も、家族の前では泣かなかった。
友達の前では泣いた。
部活で悔しかった時、文化祭の劇が成功した時、感動のDVDを見た時。
みんなと一緒に、泣いた。
でも家族の前では泣かない、どこか意地になっていた。
一方、家族の前で泣けないだけではない。
感謝やおめでとうを改まって伝えるのも苦手だ。
いやぁ、これは本当に良くない。
自分でもわかってる。
でも私は今まで、母の日、父の日などに感謝を伝えたことがない。
もちろん日頃から、なにかしてもらったらありがとうは言う。
でも改まって言うのが苦手なのだ。
誕生日も、改まっておめでとうと言うのが苦手。
基本すべて、家族の前だと恥ずかしいのだ。
みんなこういうものなのかな。
いつまで経っても、思春期真っ只中の子供のような気持ちでいる。
いやぁ、これは本当に良くない。
変わりたいのだけれど、大学生になった今でもなかなか変われない。
どうしたものか。
このような私の性格を踏まえて、次回は人生で一番の後悔について書きたい。
お時間あったら読んでください。
今日も生きてくれてありがとう。
明日も生きろよ。
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