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莉犬くんと太陽

みなさん、お疲れ様です。
7月に観に行った劇場版すとぷりに関する感想と考察(という名の妄想)を記しておこうかなと思います。
映画に誘ってくれた友人に考察を話してみたら面白がって聞いてもらえたので、たぶんそんなに的外れな妄想でもないのかな~と自信もできたので。


あらすじと感想

あらすじ
莉犬、るぅと、ころん、さとみ、ジェル、ななもり。は私立苺ヶ丘学園に通う生徒である。生徒会に所属する主人公・莉犬は、生徒会副会長から苺ヶ丘学園が老朽化により取り壊しとなるため、今年が最後の文化祭になることを知らされる。文化祭実行委員として文化祭を成功させてみせると副会長に宣言した莉犬であったが、文化祭実行委員のななもり。、ころん、ジェル、さとみ、るぅとはクセ者であった。るぅとがアルバイトをしている喫茶店「2346」で会議をすることになるが、いいアイディアが浮かばず、海へ行くことになる。海で文化祭のメインイベントでライブをするというアイデアが浮かび、ライブステージを成功させるために莉犬が奔走するが、嵐が発生し、ステージのある体育館は土砂崩れで崩れてしまう。さらに文化祭が中止となってしまったが、生徒たちが片づけをする中で校舎前に野外ステージを設置し、ライブを行う。学園の取り壊しが中止となり、6人はすとぷりを結成した。

ウィキペディア 劇場版すとぷり はじまりの物語〜Strawberry School Festival!!!〜
 

非常に分かりやすいあらすじだったので、ウィキペディアから引用しました。
事前情報だけでは「学園の取り壊し?文化祭を成功させる?それって……ラブライブ!じゃんwww」と完全にパク……オマージュした映画になってるんだろうなと期待値は低かったです。みもりんも出演するって分かったら余計にね。
脇を固める出演声優が豪華で、これは声優にリソース全振りしたか……?とも思っていた。


観に行って、予想より面白かったです。
話の起承転結ちゃんとしているし、作画が良かった。引き(特にモブ)の作画が残念なところもありましたが、アップの作画はとにかく良かったです。場面写ブロマイドとかヴァイスシュヴァルツあたりのカードになりそうなシーンいっぱいあったね。
メンバーの中だとジェルくんが好きなのですが、彼の作画はえっt……セクシーで良かったです興奮しました。
気持ち悪いことは承知で言わせてもらいますが、ジェルくん汗かいてる描写多くてえrrかったよね??????サッカーしてるシーンと腹筋全開タイヤ修理シーンと初めてドラム叩いたシーンが忘れられないです。セクシー担当だったなんて知らなかったよ!!!!!!!
映画に誘ってくれた友人と感想を語り合った際も「ジェルくんがえっちだった」を繰り返し口にしていたので、友人から(何言ってんだコイツ……)みたいな反応が返ってきて新鮮でしたね。いつも肯定的な態度が多い人だからね。

あとこれは友人に直接話しづらいのでここに書くけど、るぅとくんの声めちゃくちゃ可愛かったんだが?????
私、ショタコンなので、映画館の音響で聴くるぅとくんの声にびっくりしたわけですよ。まごうことなきショタボじゃないかよ!!!!!これ作ってる声じゃないよな!!!?!!地声がショタボとか最強か!!?!!??!?
友人の推しがるぅとくんなので、ショタボ可愛い!しゅき!とか声を大にして言えるわけないじゃんね(笑)さすがに可愛いまでしか伝えられないわ……ここに書いたけどさぁ……。友人は棒読みかどうかを(声豚の私が満足しない演技だったんじゃないかみたいなの)気にしていたけど、声質が良かったからね。るぅとくん演技頑張ってるなって感じたし。大音響でショタボ聴けて良かった。可愛かった。

ころんさんも特徴的なハスキーボイス(オブラート三重重ね)だと思っていたけど、思いのほか可愛く感じたんだよね……なんだろう、動画観たりしてる私のスマホのスピーカーがノイズになってるのかな?映画のころんさんが拗ねたりはしゃいだりして表情が名前の通りころころ変わってたのも印象を変える要因だったようにも思う。可愛かった。

さとみくんさんと岡本くんのキャラの絡みも期待していたけど、岡本くん完全にモブだったから会話すらなかった……いや、主役は莉犬くんだしね。
さとみくんさんってどんなキャラクター性なのかよく分かっていなかったので、この映画で掴みどころのない人なのかもなと感じました。ナルシストみたいな性格を装っていましたが、実はこっそりサポート(リード)してくれてるイケメンだってバレバレでしたね。ナルシストぶらなくてもかっこいい男だと思うぞ!!

ななもり。氏は朗読が上手だなと思いました。



考察

ここからは友人に語った考察もどきを綴っていきます。一回きりしか観ていないんで、所々本編と記憶で違っている部分があるかもしれませんが。

全体的に画面が明るくて陰キャの私には眩しく、キラキラ学園ストーリー☆感が強かったんですが、なぜそう感じたのか。
ほとんどのシーンで太陽の光が射していたな、と。
そして主役の莉犬くんが太陽を見上げるシーンが多かったですよね。

莉犬くんにとって太陽とはどのような存在なのか?と考えた時に、「太陽=莉犬くんの夢・やりたいこと」を表しているのではないか?と。要は太陽とは「莉犬くんの夢」のメタファーですね。

特に意味深に感じたシーンは3つあります。
⑴序盤・・・登校中
⑵中盤・・・江の島の海
⑶終盤・・・ライブ成功後

では、詳しく以下に述べていきます。


⑴序盤

まず初めに「うっ眩しい!」と意識したのは、登校中に莉犬くんが太陽を見上げるシーンです。
ここは特報PVにも取り上げられています。

Ⓒ STPR Inc./劇場版すとぷり製作委員会

まだ物語が始まったばかり、この時の莉犬くんはやりたいことはあっても、それを叶える術がない状態です。
太陽(夢)は遠い存在で、手を伸ばしても届かない位置にある。
太陽を掴みそうな手のポーズですが、まだ届かない・叶えられないと眩しく感じて、太陽の光を遮るようにしてしまっています。
自分の中に確かに目標があるのに諦めているんですね。

莉犬くんの夢は終盤あたりで明かされますが、「自分の声をみんなに届けたい」が彼の夢であり、ずっと叶えたかったやりたいことです。

序盤では明言されていませんでしたが、登校中に渋谷(っぽい場所)の大型ビジョンに映る歌手を憧憬の眼差しで見ている様子からなんとなく察せられます。


⑵中盤

主要メンバーが揃い、なんやかやで親睦を深めていきます。みんなで江の島の海へ行くことになり、ころんさんからシーグラスをもらって、シーグラス越しに太陽を見ています。

Ⓒ STPR Inc./劇場版すとぷり製作委員会

この後にシーグラスは登場しないので単にエモい雰囲気にしたかったようにも思えますが、メンバーとの出会いによって太陽の見え方が変化しているとも捉えられます。
控えめだった莉犬くんもメンバーの破天荒さに感化されて、自分の気持ちを表出するようになっています。

また、この海に来た場面はずーっと太陽が照っていて常に眩しかったです。
これも「この人たちとなら、自分のやりたいことを叶えられるかもしれない」と期待を抱いていたことの表れだったのかもしれません。
この後に莉犬くん除くメンバーの海の家ミュージカルが始まるのも、彼に「歌で表現すること」の楽しさと希望を魅せているようでもあります。
ここでようやく莉犬くんの具体的なやりたいことが決定されたのかな、と感じました。漠然とした「何かやってみたいけど……」から明確に「みんなで歌いたい」になったみたいなね。

ただ莉犬くんの立場(生徒会)上、文化祭実行委員のメンバーではないから一緒に活動することができないと思い、輪に入ろうとはしません。

Ⓒ STPR Inc./劇場版すとぷり製作委員会

他のメンバーの練習風景を見て、寂しそうにその場を後にする場面。
放課後で太陽が西に傾いている時間帯なのもあり、薄暗いですね。
あんなに明るかった画面が、この「仲間に入れない問題」の最中は明度が抑えられていたように思います。
これも「一度は希望を見出したけれども、叶うことはできない」という莉犬くんの諦めの感情を表しているようです。

ですが、陽はまた昇るものなので、無事に莉犬くんもライブメンバーに加わりましたね。


⑶終盤

いよいよクライマックス。文化祭の成功のために万端の準備をし、当日。
嵐により学園が崩壊します。そのため、文化祭が中止となってしまいます。

空が黒い雲に覆われて、太陽は完全に隠されています。
文化祭の中止=莉犬くんの夢も叶えられないため、太陽は一切出てきません。
学園、特に体育館の崩壊具合が大災害でも起こったのかレベルだったので、莉犬くんの絶望も大きかったことでしょう。
しかし、壊れたステージ前でメンバーに莉犬くんが初めて本心を吐露するシーンで雲行きが変化していきます。莉犬くんの「みんなと歌いたかった」の想いとともに空が明るくなっていきました……よね……?(ここちょっと曖昧)
莉犬くんの今一番やりたいこと(夢)の自覚と仲間たちの協力を得られることで、その夢は叶えられることを示唆しているのです。

そして、生徒たちが片づけをする中で校舎前に野外ステージを設置し、ライブを行います。

Ⓒ STPR Inc./劇場版すとぷり製作委員会

ライブ後、メンバーとともに太陽に手を伸ばす場面。
今までにないほど明るい太陽の光を浴びて、満面の笑みを浮かべる莉犬くん。
これはもう「夢に手が届く!」と勝利確定状態ですね。
真正面から太陽を真っ直ぐに見上げているのはこの瞬間だけだったはずなので、「もう自分の夢を諦めたりせず、この仲間たちと一緒に叶えていく」と決意したように見えます。
実際このライブシーンで生徒たちがスマホでライブ撮影していたので、たくさんの人たちに莉犬くんの声は届けられています。ちゃんと莉犬くんは夢を叶えられているんですね。
ですが、莉犬くんはメンバーとの出会いによって、大きく変化しています。
彼の夢も、いろんな人に「自分の声を届けたい」から「みんなと歌声を届けていきたい」になっています。
この劇場版だけで莉犬くんの夢は完結していないのです。
この仲間たちと出会い、一つの活動を通して心をかよわせ、これから彼らとともに新たな夢を叶えていく。まさに、はじまりの物語なんですね。(タイトル回収)(ノルマ達成)


最後に

ここまで自信満々に語りましたが、実際はそんな意図はないかもしれません(笑)
空や天気で登場人物の心情を表すのはよくある技法なので、太陽うんぬん関係ないとは思います。
ただ「夢のメタファーとか込められてたら面白いな~」と考えて、勝手に妄想を膨らましただけですので……。

ただ、夢に向けて後押しされる場面が夕方や夜に多かったな、とか考察を書き殴っていて思いました。
・バイト先でるぅとくんが音楽を始めたきっかけを聞くシーン→夕方
・ななもり。氏に「挑戦してみたらいい」と諭されるシーン→夜
夕方以降にしっとりしたシーンあるほうがエモいからなんでしょうけど、太陽(夢)が出るのに向けて後押しする時間を設定していたら面白いな、とか思ったり。

一人だけ陰の中にいるの意味深で怖いよ
Ⓒ STPR Inc./劇場版すとぷり製作委員会

子ども向け映画だと侮っていましたが、こんな考察を述べるまでになるとは思いもよりませんでした。
久しぶりに真面目に考えて書いたので疲れました!あ、うそうそ、楽しかったです!

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