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大失望したコブクロのLIVE


私は会員歴14年のいわゆるコブファミ。24歳社会人。父の影響で『LiveTour09 Calling』から毎年参加している。

※ネタバレ注意

今年も『Envelope Tour 2023 』に参加。演奏された曲数はメドレー含めて14曲。
開演から5曲、名曲「君という名の翼」を含め、照明も派手なロック調の曲が続いた。
久しく聴いてなかった「Starting line」「君という名の翼」を聴いて歓喜。ただ「Starting line」は原曲からかなりアレンジが入ったロック風に施されていた。
補足として、コブクロはそもそもセトリがかなり偏りがちで、長年歌われてない曲が数多くある。近年はツアーの歌唱曲数も減っており、基本的にアーティストの顔となる楽曲は演奏されがちであるが、「桜」「蕾」「ここにしか咲かない花」等はツアーではもう4年演奏されてない。


MC挟んで2曲続き、いよいよこのツアーのメインブロックに突入する。ツアー8曲目「蕾」。つまり4年ぶりの蕾である。前説でいつもと少し違うこの曲をお楽しみくださいとあり、またアレンジか… とため息が出そうになった矢先、まさかの小渕パートを黒田氏が歌い始めた。小渕氏はハモリのみの歌唱となり、あまりにも新鮮で美しい蕾を聴くことができた。蕾は何度聴いても堪らない。これを待っていた。「Door」「Envelope」と続き、このブロックは終了した。蕾は小渕氏の喉の不調でツアーのセトリに組み込まれていたが、直前まで審議がされたようだった。ただ、黒田氏が小渕パートまで歌うことで演奏することが決定したそうで、コブクロの絆を改めて感じることができた。

ここから「Moon Light party」「コブクロメドレー」と再び盛り上がる楽曲が詰め込まれているのだが、開幕から重低音が強めのロックが続き、再度ロックに戻っていくこのLIVEに少しづつ違和感を覚えていく。楽曲もおなじみアレンジがされており、MCでは「騒いで踊ってはしゃごう」と、まるでディスコミュージックが鳴るクラブのような雰囲気だった。当然バンドの迫力が凄まじく歌声は薄々と聴こえる程度で、歌唱を楽しむものではなく熱狂する雰囲気を楽しむような構成であった。旧ツアーからLIVEで盛り上がる楽曲は多々演奏されてきたが、ここまでセトリの大半をロック曲が占めるのはかつて無かったように感じる。声量の衰えからかPAの問題なのかは分からないが、私の席から眺める風景はもはや文化祭の上位互換のようなものだった。


確かにコブクロをアイドル化し、生で見る・聴けるだけて大満足しているファンも多くいるため、ライブの満足度は高いのかもしれない。ただ揺るぎない事実として、コブクロの根幹は路上から始まったギター1つと2つの歌声であり、派手な演出や楽曲は盛り上げるための1つの要素だったはずだ。それが今や、昔の優しかった楽曲まで全てロックにアレンジされ、フォークデュオとしての面影はもはやない。
少なくとも私は、ハーモニーが美しく自然と涙が溢れ出たあの楽曲を待ち望んでLIVEにきている。それは追い求めていたコブクロの姿とはあまりにもかけ離れた姿であった。


そしてメドレーが終わりアンコール明け、最後の曲が看板曲『桜』だった。今回はメドレーがあったものの、楽曲数がかなり少ないなと感じたとき、曲の前説で小渕氏「大切な楽曲です。最初から最後まで一緒に歌ってください」と。曲が始まると、黒田氏マイクを観客に向け、1番 2番 ラスサビ。ほとんど歌わずに終了。4年ぶりの桜は大合唱となった。私は1万円払ってカラオケをしに来た訳ではない。あなた達が大切に大切に想っているその「桜」を、25年目の「桜」を聴きに来たのだ。隣の歌声を決して聞きに来たわけではない。こうしてライブは幕を閉じた。


とにかくここ数年のLIVEは失望し続けていたが、今回のツアーが大きな決め手になった。歌唱力の衰えは小渕氏の病気もあり顕著ではあるが、それは年齢が重なれば当然起きることである。ただ当時、こだわり続けて作ったであろう楽曲を今になって手を加えることなく、原曲そのままで今のコブクロで楽しんでみたかった。聴いてみたかった。

私はどうしても聴きたい幾つかの楽曲を聴けるまで、これからも行き続けようと思っていた。しかし、何年も待った楽曲を風変わりなアレンジで決して聴きたくはない。
ただ、誰よりもコブクロの楽曲を愛しているので、これからも音楽は聴き続けていきたい

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